『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
切り立つ壁から落ちる真名井の滝(写真)や槍飛橋(やりとびばし)など名所多数の高千穂峡。例年11月中旬~下旬は紅葉も見事。秋の日の出前後の時間帯は雲海が出やすく、幻想的な風景に出会えることも。
岩戸川を挟んで東本宮と西本宮が鎮座する天岩戸神社。晩秋、とりわけ西本宮大鳥居周辺の木々が美しく紅葉する。TEL.0982-74-8239。無休。拝観無料(徴古館は150円)
大淀河畔に湧出する「たまゆらの湯」。ヨウ素を含んでおり、美肌効果もあると評判。「宮崎観光ホテル」(写真)など川沿いに建つ4つのホテルで湯浴みできる。TEL.0985-27-1212(宮崎観光ホテル)
九州新幹線停車駅のある熊本・鹿児島県と宮崎県を結ぶ新たな旅の手段として誕生した、つながるバス「ぐるりんひむか号」。初日は、土・日曜・祝日を中心に1日1往復運行(片道2000円・往復3500円、平成24年以降は未定)する同バスの「くまもとルート」で、阿蘇や高千穂の名所巡りを楽しもう。
阿蘇五岳を望む大観峰や大草原が続く草千里を訪ねた後は、宮崎随一の絶景スポット、高千穂峡へ。柱状節理の崖が続く渓谷、日本の滝100選に選ばれた真名井(まない)の滝など自然の美しさ、雄大さに圧倒される。
次にバスが向かうのは天岩戸(あまのいわと)神社。天照大御神(あまてらすおおみかみ)がお隠れになった天岩戸開きの伝説が残る神社で、その洞窟や天浮橋(あめのうきはし)、天安河原(あまのやすがわら)など神秘的なスポットがいっぱい。
終点の延岡駅でバスを降り、宮崎まで列車で下ったら、ご当地グルメに舌鼓。チキン南蛮を食べるなら中央通りにある老舗洋食屋「グリル爛漫」がおすすめだ。満腹後、市街中心部にある温泉「たまゆらの湯」に入浴できる「宮崎観光ホテル」で疲れを癒そう。
2日目はさらに南下し、周囲約1.5㎞の青島へ向かおう。九州本島と弥生橋で繋がっているため、青島駅から徒歩10分で行ける同島の中央には、縁結びの社として名高い青島神社が鎮座。古くは島全体が霊域とされ、江戸時代まで一般人の入島が許されなかったという。紺碧の海と空に映える朱塗りの社殿や鳥居は、いかにも神聖な雰囲気。
次なる目的地は、港町の油津(あぶらつ)。かつて飫肥(おび)藩が飫肥杉運搬のために造った堀川運河は、石造の堀川橋などが懐かしい雰囲気で散策にぴったり。その情緒もあってか、平成4年には堀川橋を舞台に映画『男はつらいよ』のロケも行なわれた。
寅さん気分で歩いた後は、「日南海岸伊勢えび大漁まつり」に参加する市内17軒のホテルや食事処で昼食を。同イベントに参加の施設では、柔らかな身の伊勢海老を、お造りや味噌汁、塩焼きなど各店自慢の料理法でリーズナブルに味わえるのだ!
転んだら痛そう(!)な奇岩・鬼の洗濯板に囲まれた青島。青島熱帯性植物産地として天然記念物にも指定されている。
広渡川河口から油津港を結ぶ、延長1450mの堀川運河。おもに第4土曜(10月は30日)には約40年前までカジキマグロなどの沿岸漁業に使っていた「チョロ船」の遊覧体験も無料で行なっている。前日までに要予約。TEL.0987-31-1134(日南市観光課)
伊勢海老漁解禁に合わせ、9月2日~11月30日まで行なわれる「日南海岸伊勢えび大漁まつり」。黒潮の恵みを受けた伊勢海老は、身が大ぶりで食感柔らか!
1日1往復運行の「海幸山幸」。木の温もり溢れる車内や各車両に設けられたサロンのソファシートなど、乗っているだけで「幸せ」になる列車! ≪上り≫宮崎10:06発~南郷11:42着、≪下り≫南郷15:35発(飫肥16:13発)~宮崎17:14着。
城下町散策には、飫肥城歴史資料館ほか有料施設7軒のフリーパスと、5枚の商品引換券が付いた散策マップ「食べあるき・町あるき」1000円が便利。10月15・16日には泰平踊りなどが催される飫肥城下まつりも開催。
宮崎駅を代表する駅弁「元祖 椎茸めし」720円。鶏のスープで炊いた宮崎県えびの産米「ひのひかり」の上を、県産のシイタケ、鶏そぼろ、錦糸玉子が覆う。肉厚のシイタケを噛みしめれば、甘辛い味わいがジュワリ。
太平洋に突き出した鵜戸崎岬に位置し、海への展望は抜群。岬突端の洞窟内には、御本殿が鎮座する。近年はパワースポットとしても有名で、運玉という直径約2cmの素焼玉を、男性は左手、女性は右手で願いを込めながら投げ、亀石と呼ばれる岩の枡形に入れれば願いが叶うとか。
TEL.0987-29-1001。7:00~18:00(4~9月6:00~19:00)、無休。拝観無料
油津から二駅上ったところにある飫肥は、かつて飫肥藩城下町として栄えた場所。今でも武家屋敷や漆喰塀が残る町並みは、歴史薫る風景がいっぱい。昭和53年復元の飫肥城大手門をはじめ、藩校振徳堂や番傘を飾った商人町通りの商家、鯉が放流された掘割など、歩いているだけで江戸時代にタイムスリップした感覚になり、ウキウキしてしまう。小腹が空いたら、ほのかな甘さが魅力の「飫肥の手焼きせんべい」をパリパリやりながら散策するのも◎。
帰りは、飫肥杉を外観やインテリアにふんだんに使ったリゾート特急「海幸山幸」に乗車。ゆったりくつろげるリクライニングシートなので、旅の疲れも心配なし。
宮崎駅に着いたら、肉厚シイタケがジューシーなロングセラー駅弁「元祖 椎茸めし」を買って、帰りの高速バスや九州新幹線で頬張ろう。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
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1 日 目 |
博多発 | 8:27 | 新幹線みずほ601号に乗車(新大阪 から向かう場合は6:00発) |
熊本着 | 9:00 | ||
熊本発 | 9:30 | つながるバス「ぐるりんひむか号」 で、まずは九州中央を横断の旅へ! 12:40に草千里、15:00に高千穂 峡、16:05に天岩戸神社でそれぞ れ下車し、各名所を効率よく観光 | |
延岡着 | 18:15 | ここでバスの旅は終了 | |
延岡発 | 19:09 | 特急にちりん21号に乗車 | |
宮崎着 | 20:14 | 「グリル爛漫」のチキン南蛮など、 宮崎ご当地グルメを夕食に堪能。 宿泊は「たまゆらの湯」が自慢の 「宮崎観光ホテル」で | |
2 日 目 |
宮崎発 | 9:09 | |
青島着 | 9:39 | 青島神社を参拝 | |
青島発 | 10:29 | 特急「海幸山幸」に乗車 | |
油津着 | 11:26 | 徒歩15分の堀川運河を見学。昼食は、「日南海岸伊勢えび大漁まつり」に参加の施設で伊勢海老に舌鼓! | |
油津発 | 12:52 | 飫肥までタクシー移動にすれば、油津でゆっくりできる | |
飫肥着 | 13:02 | 飫肥城下町を散策 | |
飫肥発 | 16:13 | 特急「海幸山幸」に乗車 | |
宮崎着 | 17:14 | ロングセラーの駅弁「元祖椎茸めし」を購入 | |
宮崎発 | 17:27 | 高速バス「B&Sみやざき426号」に乗り換え | |
新八代着 | 19:42 | ||
新八代発 | 20:02 | 新幹線さくら426号に乗車 | |
博多着 | 20:54 | 熊本の場合は20:14着、新大阪の場合は23:37着 |
文・構成=鈴木健太
写真協力=みやざき観光コンベンション協会、宮崎観光ホテル、宮崎駅弁当
※掲載されているデータは平成23年10月現在のものです。