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復元された平城宮の正門●平城宮跡は11月7日まで9:00~16:30(4月24日~5月9日・8月31日までの土・日曜・祝日は~17:30。8月20~27日は~21:00)、無休。JR奈良駅・近鉄大和西大寺駅から無料シャトルバス運行
朱雀門前では様々な儀式が行なわれたという。
想いは古代へ……
和銅3年(710)、藤原京から平城京へと都が遷され奈良時代が始まった。以来一時的な遷都(せんと)はあったものの、74年間政治の中心地として日本の基礎が形作られ、様々な文化が育まれた。メインストリートである幅約74mの朱雀(すざく)大路を挟んで、両側には碁盤の目のように区画された宅地が並んでいた。現在、当時の姿をイメージすることは難しいが、中枢部であった平城宮跡は世界遺産に登録され、遺跡が保存整備されている。
平城宮は今でいえば国会議事堂と皇居、霞ヶ関の官庁街が一体となったようなところで、その広さは約120ha。2つの大極殿と朝堂院、内裏(だいり)、庭園などいくつかの区画に分けられている。発掘が済んでいるのは約45haなので、まだ半分以上の遺構が地中に眠っている。これからどんな大発見があるかと思うと期待が高まる。
遮るもののない宮跡からは若草山や東大寺が望め、この景色を眺めていた都びとを想像すると、1300年前のことにも親しみを感じられる。のんびりと散歩するのもいいし、レンタサイクルを借りて、いにしえの風を感じるのもおすすめだ。
9年の歳月をかけて復元された「第一次大極殿」。平城宮最大の宮殿で、当時は国家の重要行事に使われていた。4月24日から一般公開。
基壇が復元されており宮跡が一望できる。朝堂院などの建物跡も残る。
天皇の住まいがあった場所。ツゲの植え込みは建物の柱を表している。
平城宮の南東隅にある庭園。宴会や儀式を催したとされ、平安時代以降の日本庭園の原形ともいえる貴重な遺跡。奈良貴族の気分を味わってみよう。
発掘された柱の跡をそのまま保存展示。第一次大極殿や内裏の復元模型、柱や井戸枠など発掘で見つかった遺物なども見られる。
平城宮跡保存の歴史や木簡、土器などの出土遺物、奈良時代の装束、復元模型などを展示。4月24日にリニューアルオープン。
奈良の味をしっかりと味わえる
味に深みのあるケーキが特徴
※掲載されているデータは平成22年4月現在のものです。
※月刊『旅の手帖』2008年2月号より転載・再構成。