トレたび JRグループ協力

2021.02.05旅行五能線「リゾートしらかみ」はこう楽しむ!

リゾート列車で行こう

一度は乗ってみたい列車、「リゾートしらかみ」。秋田から日本海の海岸線を走り、本州の果て、青森へ。この列車に乗るために、遠くから多くの人がやってきます。みんなどんな旅をしているの?どう、この列車を楽しんでいるの?実際に乗車して体験してきました。

リゾートしらかみの旅はまさに十人十色だった

秋田駅から旅のスタート

JR秋田駅のホームは、「リゾートしらかみ1号」を待つ人たちのウキウキしたムードに包まれていた。 秋田駅を出発後、しばらく住宅街を走ると、やがてどこまでも続く田んぼが現れる。琵琶湖に次ぐ大きさの湖・八郎潟を干拓してできた大潟村の田園だ。


能代駅での楽しみは

能代駅に到着。この駅のホームでは、バスケットのフリースローに挑戦できる。


能代駅のフリースローでゴールが決まった人には、記念品をプレゼント。a

バスケにも挑戦したいところだが、まずは予約していた駅弁を受け取る。

能代駅では「比内地鶏の鶏めし」や「のしろ牛弁当」などの駅弁が販売中(どちらも事前予約制)。また橅編成のORAHOカウンターでは、ここでしか購入できないお弁当「リゾート小箱」もあるので、こちらもおすすめ。青池編成・くまげら編成でのワゴン販売は2019年3月31日で終了しているので、お弁当や飲み物などは事前に買って乗車しよう。

※編集部追記:2022年12月をもって、ORAHOカウンターは営業終了しました



海岸線に沿って列車は走る

能代駅から5つめ、東八森(ひがしはちもり)駅を過ぎて間もなく、左手に日本海が現れた。ここから鯵ヶ沢(あじがさわ)駅までの80数キロメートル、海岸線に沿って列車は走る。釣り人まで見られるのは、それだけ海の近くを走っているから。列車がスピードを落とす絶景ポイントでは、歓声がひときわ大きくなった。

車窓だけでなく列車を降りてからも旅人を楽しませてくれるのが、この「リゾートしらかみ」の大きな特徴。十二湖駅からは青池散策、ウェスパ椿山駅からは不老ふ死温泉入浴など、季節ごとにさまざまな観光体験メニューが用意されている。


コバルトブルーの湖水をたたえた神秘の湖「青池」。十二湖散策は十二湖駅から。a


観光体験メニューが豊富なのが「リゾートしらかみ」の魅力。ウェスパ椿山駅近くの物産館から不老ふ死温泉(写真)への無料送迎バスに乗れたり、地元ガイドさんとブナ林や弘前の街を散策したり(要予約)できる。a

旅の楽しみ方はさまざま

「リゾートしらかみ」の乗客のみなさんに、どんな旅の予定か聞いてみる。東京から来たご夫婦は鯵ヶ沢(あじがさわ)駅で降りてミニ白神散策に参加、秋田の能代から来た家族は弘前を散策して奥羽本線回りで能代へ。


東京から来たご夫婦。a

栃木から来たお父さん・お母さんの11人グループは列車に乗りに来たと言うが、お父さんたちは車内での宴会が楽しそう。


グループにはボックス席もおすすめ。写真のお父さんたちは7人いますが、4人席です。椅子はフラットにもなります。a

千葉から来た列車好きの中学生は、すれ違う普通列車を写真撮影……。年齢も住む場所もさまざまだが、「リゾートしらかみ」の旅を楽しもうという気持ちだけは一緒だ。

そんな中、ひとりで音楽を聴きながら乗っている中学生の男の子がいた。聞けば、木造(きづくり)駅から乗車した彼は、週に一度、弘前のボクシングジム通いをしているという。快速列車であるこの列車は、地元の人の足としても利用されているのだった。

一期一会の車窓、夕日に乗客から拍手が起こった

弘前駅から再び「リゾートしらかみ4号」に乗り、秋田へ戻る。行きの列車とは異なり、列車に乗り込む人たちはお土産を抱え、席でウトウトしている人も多い。川辺駅~陸奥鶴田駅間では津軽弁の語り部実演を楽しんだが、列車は静かに進んでいった。そろそろ日没の頃。雲は多いが、その向こうで大きな大きな太陽が海へと沈んでいく。……沈みきった瞬間、自然に車内で拍手が起こった。

約5年乗車しているという車内販売の女性は、「こんな見事な夕日はなかなか見られないですよ、よかったですね。五能線で好きな季節ですか? 夏もいいですが、一か八かの冬が好きです。荒天で運休することも少なくないんですが、一面真っ白な中を列車が進んでいきます」

「リゾートしらかみ」を楽しむなら、時刻表や五能線のパンフレットを見ながら、列車と観光プログラムを上手に組み合わせてプランを作ろう。

でも列車に乗ったら、あとはその日の天気次第。列車に身を任せて、一期一会の車窓を楽しみたい。

リゾートしらかみでもっと楽しむ

リゾートしらかみについてもっと詳しく知りたい


『THE列車 リゾートしらかみ』では、旅行写真作家の結解喜幸さんが、列車編成や車内の様子、沿線の魅力を紹介! 


記事はこちらから

モデルコースを知りたい


モデルコースを知りたい方におすすめしたいのが、『本日も、列車で女子旅 青森編』。リゾートしらかみに乗車し、1日目は十二湖や千畳敷海岸に、2日目は立佞武多の館や鶴の舞橋など、五能線沿線の観光を楽しむ1泊2日のモデルコースを掲載。


記事はこちら

ほかの観光列車にも乗りたい!


「TOHOKU EMOTION」は、八戸線八戸駅~久慈駅間の“走るレストラン”をテーマにした列車。人気シェフによる東北の食材を使ったオリジナルメニューが用意され、往路はランチ、復路ではデザートを楽しむことができる。『THE列車 TOHOKU EMOTION』では、調理される様子を目の前で楽しめるライブキッチンや車窓を楽しみながら食事ができるレストランなど、車内を画像付きで紹介。


「TOHOKU EMOTION」についてもっとくわしく

TOHOKU EMOTION(東北エモーション)―年に2回もシェフが変わる!? 列車全体がレストランな“食のサーカス”(THE列車)


「リゾートしらかみ」の予約は便利なえきねっとで!

「リゾートしらかみ」は全車指定席(禁煙)です。ご乗車の際には指定席券が必要です。指定席券のお買い求めは便利なネット予約「えきねっと」で!
 


えきねっと


列車情報

運転日 通年(季節・曜日により運休列車がある)
運転区間 奥羽本線・五能線 秋田駅~弘前駅・青森駅間
運転時刻 【1号】 秋田駅8:20発 → 青森駅13:29着
【3号】 秋田駅10:51発 → 弘前駅15:49着
【5号】 秋田駅13:58発 → 青森駅19:40着
【2号】 青森駅08:09発 → 秋田駅13:27着
【4号】 青森駅13:51発 → 秋田駅18:56着
【6号】 弘前駅16:06発 → 秋田駅20:45着

最新情報はこちら(JR東日本リゾートしらかみ公式サイト)

  • 写真/a=小松ひとみ、交通新聞クリエイト
  • 月刊『旅の手帖』2009年12月号掲載記事をもとに再構成しました
  • 掲載されているデータは2021年2月現在のものです
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