東京駅から直通電車で約1時間10分。その名も「青梅特快」で青梅へと向かいます。立川から青梅線に入ると、JR東日本ご自慢の新型電車E233系もスピードダウン。ローカル線の風情が一気に漂ってきました。
青梅駅に到着すると、駅ホームの待合室は木造のレトロな建物で、壁面には昭和30年代の古い映画の看板が掲げられています。新型電車との対比が面白く、昭和人にとっては懐かしい風景です。改札口への地下道にも映画の看板がギャラリーのように展示してあります。『大いなる旅路』『鉄道員』……などの鉄道映画もうれしく、その光景に思わず立ち止まってしまうほどです。
さて、改札口を出てまず眺めてほしいのが青梅駅舎。鉄筋コンクリートながらレトロな雰囲気の昭和的ロマン漂う駅舎は、大正13年(1924)に青梅鉄道の本社として建てられたもので、今なお現役の駅舎として使われているものです。
駅前から青梅街道に沿って歩くと、そこには昭和の懐かしい町並みが残り、商店街の軒先には往年の名画の看板絵が掲げられています。マリリン・モンロー、オードリー・ヘプバーン、ジョン・ウェインがいて、阪妻や市川右太衛門もいる。この風景が旧青梅街道の観光活性化につながったのです。
漫画家の赤塚不二夫さんもこの風景に魅せられたひとりでした。平成15年秋、当地に「青梅赤塚不二夫会館」をオープンして町興しに協力。ここではバカボンやおそ松くんに出会えます。また、路地裏には昔ながらの中華そば屋があったり、大衆食堂があったり。それが青梅市民の生活に息づいていて、違和感はありません。
また、鉄道ファンならずともぜひ訪れたいのが「青梅鉄道公園」です。昭和37年、当時の国鉄が鉄道開業90年記念事業の一環として開設したもので、屋外展示場にはD51やC11、E10形などの昭和の名機関車などが保存されており、館内にはブルートレインのヘッドマークも展示されています。
そこかしこに「昭和」が薫る町。懐かしの時代に手軽にタイムスリップできる青梅は、町自体が“昭和ミュージアム”のようです。
- アクセス
- 青梅へは、東京駅から中央線青梅特快で約1時間10分の青梅駅下車。または東京駅から中央線中央特快で約40分の立川駅で青梅線に乗換えて約30分の青梅駅下車。
- 主な昭和スポット
- 青梅赤塚不二夫会館⇒青梅駅から徒歩約5分
- 昭和レトロ商品博物館⇒青梅駅から徒歩約5分
- 青梅鉄道公園⇒青梅駅から徒歩約15分
- 観光の問合せ
- 青梅観光案内所TEL.0428-20-0011
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ホームから改札口への地下道にも鉄道映画の看板が展示され、映画館のロビーさながらの雰囲気を醸し出している
青梅駅はコンクリート建築ながら大正末期のレトロ駅舎。昭和的ロマンを色濃くとどめている
昭和レトロ商品博物館内の駄菓子屋さん。店番をするのはお年寄りで懐かしさもひとしおのものがある
旧青梅街道に面して建つ昭和レトロ商品博物館と青梅赤塚不二夫会館。ここではバカボンやニャロメなど懐かしい赤塚キャラに会える
青梅鉄道公園には昭和の名車が保存展示されている。C11やD51、0系新幹線のほかにED16形機関車も保存されている