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神話もマンガも温泉も。テーマのある旅が面白い 2泊3日で!山陰、私だけの旅物語

今回のテーマ|神様、お帰りなさい。古事記ゆかりの地へ
<旅のスケジュール|島根県東部へ>1日目|出雲→2日目|雲南・松江→3日目|松江・出雲

今年は11月23日に神迎神事が行なわれる稲佐の浜。浜には弁天島があり神々しいムード。近年は砂浜が広がり、現在では島の前まで歩いていけるように。
TEL.0853-53-2112(出雲観光協会)

南欧風の建物の「島根ワイナリー」。ワインの販売やしまね和牛が味わえるバーベキューハウスも併設。
TEL.0853-53-5577。工場見学9:30~16:30、無休。見学無料

神々に出発の時が近いことを知らせる神等去出祭(からさでまつり)が行なわれる万九千神社。旧暦26日(今年は12月9日)に開催。
TEL.0853-72-2032。拝観自由

1日目 出雲|神様が来て、集い、そして帰ってゆく場所

 神在祭(かみありさい)が行なわれる旧暦10月の一期間は、全国の神様が出雲へ集まってくる季節。そこで、同祭にまつわる古事記ゆかりの地をたっぷり巡る旅へ。

 まずは、八百万(やおよろず)の神々が大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)様の元で1週間会議をされるという出雲大社へ。参拝後は、1㎞ほど西の稲佐の浜に向かおう。この浜は、旧暦10月10日に神様たちをお迎えする場所。大国主大神と武甕槌神(たけみかづちのかみ)が国譲りの交渉をしたという屏風岩が浜辺から約50m奥の山手にあり、いかにも神聖な雰囲気だ。

 続いて、一畑電車の浜山公園北口駅から徒歩17分の「島根ワイナリー」を見学。実は工場のある大社町は、4~6月のデラウェアの出荷量が全国一。その良質なブドウを活かしたワイン工場の製造工程見学や、約10種のワインの無料試飲を堪能できる。ただし、この後も神様にお会いするので、試飲はほどほどに。

 もう一度一畑電車に乗って、最後に向かうは大津町駅徒歩20分の万九千(まんくせ)神社。神在祭で集った神々が、最後は当社を訪れ帰国されるという。

2日目 雲南・松江|日本で一番有名(?)な神話の世界観にワクワク

 湯の川温泉で1泊したら、2日目は雲南地方への旅。公共交通機関やタクシーを併用してもいいが、11月までなら吉田ふるさと村主催の「ヤマタノオロチ伝承バス」ツアー(11月11日までは土・日曜・祝日、31日までは第2・4土曜開催、3000円、TEL.0854-74-0500)への参加がおすすめ。神話の舞台を効率よく巡れるからだ。

 最初にまわる八岐大蛇(やまたのおろち)公園では、紙芝居でヤマタノオロチ神話を説明してくれる。続いてヤマタノオロチの住処とされる天が淵などを訪ねたら、昼食を挟み、須我神社へ。須佐之男命(すさのおのみこと)と稲田姫の新居といわれる当社には、奥の宮に巨岩の夫婦岩が鎮座しており、最近はパワースポットとして人気が高い。

 ツアー満喫後、木次(きすき)駅か宍道駅でバスを降りたら、松江しんじ湖温泉へ向かう。肌スベスベになる無色透明の湯で、心ゆくまでまったりしよう。

須佐之男命は大蛇を退治した後、稲田姫と結ばれ初めて宮作りをした。それが「日本初之宮」と称される須我神社だ。夫婦円満、児授かりの御利益があるという。
TEL.0854-43-2906。拝観自由

天上界を追われた須佐之男命が川上から流れてきた箸を拾い、人が住んでいることを知ったと場所とされる八岐大蛇公園。ヤマタノオロチとの対決を再現した石像も。
TEL.0854-40-1054(雲南市観光協会)。入園自由

地下1250mの湖岸深くから、77度という高温な湯が湧く松江しんじ湖温泉。湖畔には8軒の宿が並ぶ(写真は松平閣)。宍道湖七珍と呼ばれる湖の恵みも名物。
TEL.0852-21-7889(松江しんじ湖温泉組合)

ロビー西側がすべてガラス張りの「島根県立美術館」は、宍道湖の夕日を眺める特等席。
TEL.0852-55-4700。10:00~18:30(3~9月は日没後30分まで)、火曜(祝日の場合は翌日)・年末年始休。300円(企画展は1000円)

3000系や2100系など懐かしい車両が、湖畔や田園の中をのんびり走る北松江線。毎月第1土曜、松江しんじ湖温泉駅9:01発の列車では地元特産品などが買える「楽市楽電」も開催!
TEL.0853-62-3383(運輸部営業課)

佐陀神能をはじめ、国指定の文化財を多数所有する佐太神社。隣には鹿島歴史民俗資料館(入館320円)も建つ。
TEL.0852-82-0668。8:30~17:00、無休。拝観無料

3日目 松江・出雲|ローカル線や美術館が宍道湖絶景の特等席

 朝はローカル線・一畑電車の北松江線に乗車。湖岸をなぞるように走る北松江線は、車窓にでっかい宍道湖(しんじこ)を望む絶景線だ。出雲大社方面に向かう時は、左側の席を確保すべし!

 雲州平田駅で降り、「割烹温泉ゆらり」で源泉かけ流しの湯と地元食材いっぱいの和食を堪能したら、松江まで戻る。JR松江駅からバス25分の出雲二ノ宮・佐太(さだ)神社は、正殿を軸とし南北に両殿という、三殿並立の大社造りが特徴だ。11月25日20時からは、当社でも神等去出(からさで)神事が行なわれる。

 松江から特急「やくも」で帰路へ就く前に、バスで立ち寄りたいのが島根県立美術館だ。館内では、モネやクールベなど水をテーマにした国内外の絵画や島根ゆかりの作家などの作品を展示。帰る前、同館の芝生にいる彫刻の「宍道湖うさぎ」の中の、湖から2番目にいるうさぎに触れてみよう。西を向きながら触れると、幸せが訪れると評判なのだとか!

期間限定イベントへGO!|奥出雲おろち号

列車好きなら、2日目は木次~備後落合間(出雲市駅片道延長運転日も)を走る、このトロッコ列車の利用を! 広い車窓から山あいや紅葉の風景を楽しんで。
11月は1~25日まで1日1往復運行。木次10:08発~備後落合12:23着、備後落合12:44発~木次14:58着。11月の土・日曜・祝日は出雲市駅8:45発。指定席料510円(通常期片道)

文・構成=鈴木健太
写真協力=JR西日本、鳥取県、島根県観光連盟
※掲載されているデータは平成24年11月現在のものです。

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観光の問合せ

鳥取県観光連盟●TEL.0857-39-2111
島根県観光連盟●TEL.0852-21-3969
出雲観光協会●TEL.0853-53-2112
雲南市観光協会●TEL.0854-40-1054
松江観光協会●TEL.0852-27-5843
松江しんじ湖温泉組合●TEL.0852-21-7889

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