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神話もマンガも温泉も。テーマのある旅が面白い 2泊3日で!山陰、私だけの旅物語

今回のテーマ|石見銀山と美肌県美肌の湯
<旅のスケジュール|島根県西部>1日目|温泉津(ゆのつ)温泉→2日目|石見(いわみ)銀山・有福温泉→3日目|有福温泉・津和野

毎週土曜(12月29日は休み)開催の「ゆのつ温泉夜神楽」。荒天時は「温泉津会館」で開催。「大蛇(おろち)」をはじめ軽快なリズムの演目に引き込まれる。※写真はイメージ
TEL.0855-65-2515(温泉津温泉旅館組合・旅館ますや)。20:00~21:00。500円

↑「やきものの里」の登り窯。ろくろに触れられる手ひねり体験コース(40~60分、1800円)や絵付け体験コース(30~60分、500円~)といった、創作体験も人気。
TEL.0855-65-4139。9:00~17:00、年末年始・臨時休。入場無料

→全長800mほどの温泉津温泉街には木造3階建ての旅館も。江戸期の町割りがそのまま残っており、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。間口の狭い短冊状地割りが特徴だ。
TEL.0855-65-2065(大田市観光協会温泉津支部)

1日目 温泉津温泉|江戸期の歴史薫る温泉街でお肌つるっつるに!

 約8万人の肌データを集計した某化粧品会社の「美肌県グランプリ」で、見事1位に輝いた島根県。今回は、県民の美肌に一役買っているかもしれない美肌の湯と、石見銀山をメインに巡る旅へ出発!

 まず目指すは、山陰本線温泉津駅から徒歩15分の「やきものの里」。はんど(水がめ)で有名な温泉津焼きの実物や道具など各種資料を見学できるが、何と言っても見どころは登り窯だ。階段状に15段も連なった登り窯は日本最大級!

 今宵一泊する温泉津温泉街は、赤い石州瓦といくつか残る木造建築がレトロで美しい。開湯1300年の「元湯」と、日本温泉協会の天然温泉審査で「オール5」の評価を受けた「薬師湯」という2つの外湯は、ぜひはしごしよう。入れば、メタケイ酸の恩恵で肌つるっつるに。ちなみに、薬師湯旧館を改修した「震湯カフェ内蔵丞(くらのじょう)」のレトロな内外観も必見だ。

 夜は、龍御前神社で毎週土曜に開催の「ゆのつ温泉夜神楽」を観賞。石見神楽はリズムと動きが激しい演目が多いので、夢中になること間違いなし!

2日目 石見銀山・有福温泉|世界が注目した銀山の坑道をワクワク冒険!

 2日目は、いよいよ世界遺産の石見銀山へ。大田市駅からバスが一般的だが、温泉津温泉から乗り合いタクシーも朝1便あるので、そちらも便利(宿泊旅館へ前日20時までに予約)。かつて、16世紀中頃から17世紀前半にかけ、世界の3分の1近くの産銀量を占めていたとされる石見銀山。その規模は大きく、露頭掘り跡や坑道跡が山中に600カ所以上も残る。なかでも江戸期に開発された龍源寺間歩(まぶ=坑道のこと)は常時公開中で、入口から157mの地点まで見学可能。坑道壁面のノミ跡に、当時の坑夫の息遣いが聞えてきそうだ。

 龍源寺間歩の北東に位置する大森地区も、ぜひ立ち寄りたい。大森に残る最大の商家建築・熊谷家住宅や武家屋敷の旧河島家、代官所跡を利用した石見銀山資料館などが江戸時代の佇まいを残し、往時の繁栄を偲ばせる。

 散策の疲れを癒すため、2日目は江津(ごうつ)駅からバス37分の有福温泉で一泊。夕食は、冬が旬のノドグロやズワイガニで幸せ過ぎるひとときを。

有福温泉「三階(さんがい)旅館」の夕食の一例。日本海の底曳き漁で獲れ、浜田港に揚がる“白身のオオトロ”ことノドグロをはじめ、日本海の幸や珍味がずらり!
TEL. 0855-56-2211(三階旅館)。1泊2食1万500円~

龍源寺間歩は、垂直に100mも掘られた竪坑も見もの。なお、大久保間歩の公開ツアーは12~2月は休止中なので注意。
TEL.0854-89-9090(大田市観光協会事務局)。9:00~16:00(3~11月は~17:00)、年末年始休。400円

石見銀山のお膝元・大森地区は格子窓や木造建築が続き、風情が漂う。五百羅漢が壮観な羅漢寺など各寺社も参拝したい。観世音寺の境内から見渡す町の瓦の波は、一見の価値あり。
TEL.0854-89-9090(大田市観光協会)

有福温泉で一番大きい外湯の「御前湯」。入口の木製の番台や、タイル貼りの浴室、窓の形などがレトロな雰囲気。外湯は3つとも源泉かけ流しだ。
TEL. 0855-56-3353。7:00~21:30、無休。300円

「有福カフェ」は、竹炭を使って焙煎したコーヒーや、アップル・ア・ラモードなど甘味にもこだわりあり。カレーやパスタなどフードも充実。隣には貸切風呂8つを併設する。
TEL.0855-56-0070。9:00~21:00(火曜~19:00)、無休

鯉の泳ぐ堀割や白壁、なまこ壁といった風景に出会え、これぞディスカバージャパンという旅をできる津和野。太皷谷(たいこだに)稲成神社やリフトで行く津和野城址も見どころ。
TEL. 0856-72-1771(津和野町観光協会)

3日目 有福温泉・津和野|お肌に「福有り」の古湯と山陰の小京都で雅なる旅

 午前中は、有福温泉で朝湯しながらのんびり過ごそう。透明な単純アルカリ泉は美肌の湯として名高く、あの万葉の歌人・柿本人麻呂が妻と入浴したという逸話も。石段や細い路地が縫う温泉街には、さつき湯ややよい湯など外湯が3つ点在するので、うち2つは入浴し違う雰囲気を味わいたい。

 朝ごはん、または早めのランチにおすすめなのが、一昨年オープンで手作りパンが人気の「有福カフェ」。洒落た調度品に囲まれた店内は、靴を脱いで入店するためリラックスでき、つい長居してしまいそう。

 最後は山陰本線で益田まで行き、山口線で山陰の小京都・津和野へ。駅から徒歩で回れる旧津和野町エリアは、川沿いの町並みに城下町の風情を残す。駅から南へ向かうと世界的な絵本作家、安野光雅美術館があり、さらに行くと錦鯉が多数泳ぐ池で有名な「鯉の米屋」、「葛飾北斎美術館」と続き、濃密な旅の時間を過ごせる。津和野は文豪・森鷗外出生の地でもあり、さらに進めば(駅から2kmほど)森鷗外記念館や森鷗外旧宅も!

期間限定イベントへGO!|らとちゃん缶バッジキャンペーン

銀山公園、大田市駅、温泉津温泉の各観光案内所などで販売中の缶バッジは、大田市のマスコット「らとちゃん」のイラスト付き。実はこのバッジ、市内参加施設や店舗(一部市外も)で提示すると、料金割引やオリジナルグッズを提供してもらえる優れモノ。例えば「焼きものの里」なら創作体験料20%OFF!
TEL.0854-89-9090(大田市観光協会)。12月24日まで開催。100円

文・構成・撮影(有福温泉)=鈴木健太
写真協力=JR西日本、島根県観光連盟、大田市産業振興部観光振興課
※掲載されているデータは平成24年12月現在のものです。

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観光の問合せ

島根県観光連盟●TEL.0852-21-3969
大田市観光協会温泉津支部●TEL.0855-65-2065
大田市観光協会●TEL.0854-89-9090
有福温泉観光案内所●TEL.0855-56-2277
津和野町観光協会●TEL.0856-72-1771

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