『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
特急「(ワイドビュー)ひだ」
下原ダム(飛騨金山~焼石)
主に大阪駅・名古屋駅~高山駅・飛騨古川駅・富山駅間を結ぶ高山本線のディーゼル特急です。電化された都会の駅から、ディーゼルエンジンを響かせて山間を走り抜けます。車両はJR東海発足後、初の新造車両・キハ85系気動車。高出力エンジンを使用し、運転席背面を大きなガラス張りにしたことで、沿線のダイナミックな風景を楽しむことができます。同じ車両は、紀勢本線の「(ワイドビュー)南紀」でも使用されています。
急行〔飯田線秘境駅号〕
飯田線沿線には秘境駅が点在!
飯田線は、愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅を結ぶ路線で、全長195.7kmあります。現在はJR東海が管轄する路線ですが、元々は私鉄路線(4社)を統合した路線で、駅間が短く無人駅を含めて94駅もあります。都市部、田園地帯、山岳地帯など様々な風景が楽しめる路線で、近年は沿線の秘境駅を訪ねるのに便利な急行〔飯田線秘境駅号〕が人気です。
特急「(ワイドビュー)南紀」
熊野灘の大パノラマ(新鹿~波田須)
「(ワイドビュー)南紀」は、名古屋駅と新宮駅・紀伊勝浦駅間を結ぶディーゼル特急列車です。車両は高山本線でも使用されているキハ85系気動車で、大きな車窓に広がる風景が魅力的です。海沿いを走る区間が多く、特に三輪崎駅~新宮駅間は熊野灘の大パノラマが楽しめます。名古屋駅~鳥羽間は、快速「みえ」(キハ75形)も運行されているので、乗り比べてみるのも面白いですよ。
特急「(ワイドビュー)しなの」
沿線のハイライト「寝覚の床」
大阪・名古屋と長野を結ぶ特急「(ワイドビュー)しなの」。日中運行する在来線特急列車では最長の運転距離となります(長野駅~大阪駅間441.2km)。使用されている車両は、JR東海が所有する383系。急カーブが多い区間を走行することから、振り子式と呼ばれる車両を使用し、スピードアップを図っています。沿線では、国の名勝「寝覚(ねざめ)の床(とこ)」や日本三大車窓「姨捨(おばすて)」の美景を車窓から楽しめます。
快速「マリンライナー」
夕暮れ時の瀬戸大橋
瀬戸大橋線は、本州の岡山県(岡山駅)と四国の香川県(高松駅)の71.8kmを結ぶ宇野線、本四備讃線、予讃線の愛称です。昭和63年に本州と四国を結ぶ瀬戸大橋が開通し、それまでは船を利用して渡らなければならなかった瀬戸内海を、鉄道や自動車で行き来できるようになりました。快速「マリンライナー」は普通乗車券で乗車が可能で、グリーン券を購入すれば2階建て車両の2階席から瀬戸内海の絶景を満喫できます!
関西本線のキハ120形
桜が美しい笠置駅
関西本線は、愛知県の名古屋駅と大阪府のJR難波駅を結ぶ、総延長179.6kmの路線です。そのうち、加茂駅~亀山駅の間は非電化区間となっており、ディーゼルカーが運行されています。加太(かぶと)駅と柘植(つげ)駅の間には、「加太越え」と呼ばれる25‰(パーミル)の急勾配があり、蒸気機関車運行時代の難所と呼ばれていました。島ヶ原駅付近では、木津川の渓谷美を見ることができ、笠置(かさぎ)駅の桜のトンネルはあまりにも有名です。
快速「SLやまぐち号」
昭和54年、国鉄で初めての蒸気機関車復活を果たしたのが「SLやまぐち号」(C57-1)です。「やまぐち号」は、JR山口線の新山口駅~津和野駅間の62.9kmを2時間かけて走ります。
C57形蒸気機関車は「貴婦人」の愛称で親しまれています。細いボイラー、大きな動輪との絶妙なバランスから、まさに黒いドレスをまとった貴婦人のように見えます。牽引する客車は5両編成。客車は「展望車風」「欧風」「昭和風」「明治風」「大正風」とテーマに分かれ、古き良き時代にタイムスリップしたようなレトロな列車旅が楽しめます。
特急「しまんと」
急峻な山岳風景が広がる
香川県の高松駅と高知県を結ぶ特急「しまんと」。四国内のみ運行され、本州には乗り入れません。瀬戸大橋線を利用して高松まで来て、特急「しまんと」を利用することで、メリハリのある旅が楽しめます。車両は、2000系やN2000系などのディーゼル特急列車。丸亀駅を過ぎると、四国特有の急な斜面が多い山々、吉野川、土佐湾など、四国を縦断する風景を楽しめます。
SL人吉
球磨川沿いを走る肥薩線
JR九州が、熊本駅~人吉駅の間を運行するSL牽引の列車です。 牽引する機関車は、8620形蒸気機関車。本格的に国産の蒸気機関車として設計されたうちの一つでもあります。客車は3両編成ですが、工業デザイナーの水戸岡鋭治さんによるデザインが施され、展望ラウンジや床のフローリングなど木を主体とした車内構造になっています。列車が自然の中を走ることによって、車外と車内の一体感がとても心地よいです。
快速「清盛マリンビュー」
瀬戸内の美景を満喫!
宮島口駅と三原駅の間を、山陽本線・呉線で走る快速列車です。車両はキハ47形気動車を使用してマリンブルーに塗られた車体。前面には、船のオールと浮き輪が飾られていてマリンムード満点です。もちろん、車内も豪華クルーザーのようなデザインになっており、ゆっくりとクルージングを楽しんでいるような気持ちに浸れます。平成24年1月からNHK大河ドラマ『平清盛』と連動し「清盛マリンビュー」に名称が変わりました。車窓からも、瀬戸内海を楽しめる区間があり、リゾート気分が満喫できます。
鉄道ジャーナリスト ● 史絵. Shie.
幼いころから、路面電車に興味を持ち鉄道愛好家となる。平成18年(2006)から、鉄道の魅力や長所を伝えるため鉄道関係の映像や媒体で活動を開始する。近年では、執筆をメインに活動する鉄道ジャーナリストとして活動し、書籍の執筆や雑誌への寄稿、LRT推進活動に力を入れている。主な活動に、LRTサミットやフォーラム、シンポジウムにてパネリストや講師として出演。他にも、鉄道イベントやテレビ、ラジオ、新聞への出演を中心に活動している。著作に、交通新聞社新書『進化する路面電車』が発売中。
東京都交通局・都電荒川電車営業所、所長さまより、表彰状・感謝状授与。鉄道友の会会員。
江ノ島電鉄・江ノ電 「江ノ電第25回タンコロまつり」にて一日駅長就任。
日本の路面電車はすべて完乗。
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文・撮影:史絵. (オフィスSTJ)
写真協力: 菅井昌伸、鉄道企画株式会社、裏辺研究所、人吉球磨地域フォトバンク
※掲載されているデータは平成24年3月現在のものです。
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