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伝統 自然 建築 風土 食|日本人なら行ってみたい あの場所へ|THE定番・極上旅|vol.7 一度見たら忘れられない 雪の世界遺産“きときと”の富山を味わい尽くす [富山県南砺・砺波・高岡・氷見・富山]
WORLD HERITAGE 五箇山の合掌造り集落 TEMPLE/TRADITION 瑞泉寺 SHRINE 高瀬神社 ART 棟方志功旧居「鯉雨画斎(りうがさい)」 CLUSTERD VILLAGE 散居村 STAY/HOT SPRING ふくみつ華山温泉 BREAKFAST ふくみつ華山温泉 STAY/HOT SPRING 鳥越の宿 三楽園 GOURMET 鳥越の宿 三楽園 POET 大伴家持 ARTISAN/OLD TOWN 金屋町(かなやまち) STATUE OF BUDDHA 高岡大仏 GOURMET 高岡コロッケNATURE 唐島と立山連峰 TRAIN 忍者ハットリくん列車 GOURMET 氷見の寒ブリFISHERMAN’S WHARF 氷見漁港場外市場 ひみ番屋街 GOURMET 富山湾鮨 GOURMET ますのすしミュージアム MEDISINE/GOURMET 池田屋安兵衛商店 STAY/GOURMET 氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣 HOT SPRING 氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣TRAIN 特急はくたか 681系
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WORLD HERITAGE
五箇山の合掌造り集落

1995年『白川郷・五箇山の合掌造り集落』として世界文化遺産に登録。白川郷のある岐阜県の飛騨高山地方は、富山県南部と文化的・経済的結びつきが強く、世界遺産にも並び登録された。
五箇山一帯は稲作に不向きな地であったため、養蚕や塩硝(えんしょう:火薬原料の一種)などの家内工業が盛んとなった。合掌造りの家屋は雪深い気候と家内工業に合わせた形で発展していったものと考えられている。

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TEMPLE/ART
瑞泉寺

明徳元年(1390)、開山。
宝暦12年(1762)の火災で本堂他を焼失するが、翌年、京都・本願寺お抱えの宮大工が多数派遣され、再建が開始された。特に彫刻を得意とする者が多く、その技術を井波の職人たちに伝えたという。そのため井波町は現在も「木彫りのまち」と呼ばれるほど、欄間・獅子頭などの伝統工芸品の彫刻が盛ん。瑞泉寺は「井波彫刻発祥の地」とされる。

03/23

SHRINE
高瀬神社

第11代・景行天皇の御代の創祀。
以来、歴代天皇の崇敬厚く、越中国一の宮として信仰されてきたが、戦国時代に入り激しくなった一向一揆により、壊滅的な被害を受ける。江戸時代、加賀藩主・前田家の庇護により再興。

04/23

ART
棟方志功旧居
「鯉雨画斎(りうがさい)」

終戦近くに南砺市に疎開した棟方志功。「鯉雨画斎」は当時の志功の住居兼アトリエを移築したもので、厠(かわや)に天女や菩薩が描かれていたりと、ここで暮らしていた志功を身近に感じることができる。
向かいには疎開中に制作した作品を中心に展示した、棟方志功記念館「愛染苑」がある。3kmほど離れた南砺市立福光美術館にも、多数の志功作品が収蔵されている。

05/23

CLUSTERD VILLAGE
散居村

庄川が造った扇状地である砺波平野。未開拓地を開くにあたり、農家がそれぞれ自分の家の周りを耕作していったことから、広い水田地帯にポツリポツリと家々が点在する散居集落となった。江戸時代になっても散居の形態が続いたのは、この形が合理的であったから。広さ約220平方kmに民家約7,000戸、日本最大の散居村の景観を楽しみたい。

06/23

STAY/HOT SPRING
ふくみつ華山温泉

散居村を見下ろす丘に建つ温泉旅館。ナトリウム-塩化物泉の源泉かけ流しの温泉に、砂風呂が名物になっている。砂風呂は、石川県金沢市と富山県南砺市の県境をまたいでそびえる医王山(いおうぜん)の砂を源泉の蒸気で温めたもの。医王山は薬草が多いことからその名がついたともいわれている。横になって入るため、そのまま眠ってしまうことも。湯船とはまた違うリラクゼーション効果を得られる。

07/23

BREAKFAST
ふくみつ華山温泉

「とやまのおいしい朝ごはんキャンペーン」を推進している富山県。ここ、ふくみつ華山温泉の朝ごはんも、地元農家がつくった野菜をはじめとして、調味料に至るまで地元の名品にこだわったものが多い。朝から本物の贅沢を満喫できる。
1泊2食11,600円~(平日2名1室利用の1名料金)

08/23

STAY/HOT SPRING
鳥越の宿 三楽園

砺波市の庄川温泉郷にあり、赤茶色の炭酸鉄泉(写真)と白濁した炭酸水素塩泉、異なる二つの濁り湯が楽しめる贅沢な宿。
さらに、自家源泉の温泉成分を濃縮・熟成させた良質な温泉泥による「ビオファンゴセラピー」を日本で初めて本格的に導入。「ゆったりとくつろぎ、きれいになれる」と評判だ。

9/23

GOURMET
鳥越の宿 三楽園

会席料理に「美容と健康」というテーマを加えたのが「三楽園会席」。彩り美しく、ボリュームもありながら900kcal、という驚きの低カロリーで提供している。
「冬の特選会席」はブリ刺身、ゆでガニなど。さらに、漁獲量の関係から、世界的に見ても富山湾でしか専業での漁が行われていない“富山湾の宝石”シロエビも味わえる。 
「冬の特選会席」プラン1泊2食18,000円~、その他は1泊2食15,000円~(各税別。平日2名1室利用の1名料金)

10/23

POET
大伴家持

氷見市の十二町潟水郷公園、布勢(ふせ)の円山にある御影社、高岡市の高岡万葉歴史館に大伴神社など、ゆかりの地が多数。写真の銅像が立つ二上(ふたがみ)山では「玉くしげ 二上山に鳴く鳥の 声の恋しき 時は来にけり」という歌が残されている。

11/23

ARTISAN/OLD TOWN
金屋町(かなやまち)

慶長16年(1611)、高岡に隠居していた加賀藩二代目当主の前田利長は、砺波郡西部金屋から鋳物師を呼び寄せ、鋳物場を開設させた。それが今日の高岡銅器の起源となっている。金屋町に今も残る千本格子の家並みは、手厚く保護された鋳物師たちの生活を今に伝えている。

12/23

STATUE OF BUDDHA
高岡大仏

明治33年(1900)の高岡大火で焼失した木造の大仏は、約30年の月日を費やし、銅造で再建された。多くの市民の浄財と高岡銅器職人の心意気が結集された高さ約16m、重さ65tの大仏。奈良、鎌倉と並び、日本三大仏の一つ。

13/23

GOURMET
高岡コロッケ

2013年の「第1回全国コロッケフェスティバルin龍ヶ崎」で、みごと1位に選ばれた高岡コロッケ。細長いイカスミを練り込んだ『ブラックコロッケ』(1個200円、写真右側)、丸くとろろ昆布でマイルドに仕上げた『ホワイトコロッケ』(1個50円)、どちらも道の駅「万葉の里」にて限定販売中だ。
そもそも、ものづくりの町だった高岡市民は高度経済成長期には夫婦共働きが多く、コロッケは手軽に買えるお惣菜として子供から大人にまで親しまれてきたとか。そのため(?)現在もコロッケの消費量は全国有数。

14/23

NATURE
唐島と立山連峰

氷見市の海岸からは、天気が良ければ海越しに立山連峰を一望できる。この時期、雪化粧をした立山の美しさは格別。
写真手前に浮かぶ小さな島は「氷見漁港の守り神」とされる唐島(からしま)。氷見市丸の内にある光禅寺の境内地で、島内には弁天堂、観音堂、弁慶の足跡などがある。毎年5月3日の「唐島祭」は氷見の三大祭礼の一つで、光禅寺から弁天様が運ばれ、海上安全と大漁を祈願する。

15/23

TRAIN
忍者ハットリくん列車

氷見市出身の藤子不二雄Ⓐ氏による人気マンガ「忍者ハットリくん」のラッピングが施されている。
富山湾沿いを行くJR氷見線(高岡~氷見間 16.5km)、五箇山方面へ向かって田園風景を進む城端線(じょうはなせん/高岡~城端間 29.9km)の2路線で運行している。 日によって列車の運用が異なり、県内めぐりの旅で乗車できたらラッキー!

16/23

GOURMET
氷見の寒ブリ

日本海側と太平洋側ではブリの味が格段に違うといわれ、美味しいとされるのは日本海側。さらに日本海側でも、北上するブリはまだ若く脂もそれほど乗っていないが、南下してくるブリは成長し、脂の乗りもいいうえに身が引き締まっているとの違いがあるとか。
富山湾で水揚げされるのは最高の状態の南下ブリ。おいしさの秘密はそこにあり。

17/23

FISHERMAN’S WHARF
氷見漁港場外市場
ひみ番屋街

食の王国富山でNo.1規模の施設。氷見漁港に近く、新鮮魚介が食べられる食事処に回転寿司、お土産ものも充実。漁師直営の店舗もあり、鮮魚や加工品の直送ができるのもうれしい。氷見牛、氷見うどんなど魚介以外の特産物が食べられるフードコートや飲食店もある。鰤刺身定食2500円、鰤丼ぶり(大漁汁付き、写真)1800円。

18/23

GOURMET
富山湾鮨

富山湾のネタ(※)で、旬の地魚が勢ぞろいする「富山湾鮨」。1セット10貫で2000~3500円。シャリは県産米、富山らしい汁もの付き、と富山の「おいしい」を堪能できるのがうれしい限り。富山市を中心に県内に多数の提供店がある。

※天候等の都合でやむを得ず地魚を十分に仕入れることができない場合は、事情を説明の上、一部のネタを富山湾産以外のもので代用する場合がある

19/23

GOURMET
ますのすしミュージアム

鱒寿しを全国に広めた源(みなもと)が運営する「ますのすしミュージアム」。鱒寿しの発祥の由来から、富山の名産と呼ばれるまでの歴史、駅弁ながらも富山のお土産として全国に広めた「源のますのすし」の軌跡ほか、さまざまな展示が、入館無料で楽しめる。併設された食事処で、作りたての鱒寿しが味わえるのもうれしい。一度食べたら忘れられないふわりとした食感は作りたてならではのもの。すしづくし御膳800円。

20/23

MEDISINE/GOURMET
池田屋安兵衛商店

富山といえば「富山の売薬(ばいやく)」。その起源ともなった日本初の和漢薬「反魂丹(はんごんたん)」を販売。一人ひとりしっかりとカウンセリングする「座売り」を常とする。併設された「健康膳 薬都」では、古代米や高麗人参などを取り入れた薬膳料理がいただける。健康膳2100円~(要予約)、玄米膳735円、野草アイスクリーム420円~

21/23

STAY/GOURMET
氷見温泉郷
魚巡りの宿 永芳閣

日本有数のお魚処である氷見漁港では、冬は寒ブリ、春はホタルイカ、春から秋はシロエビ、活きアワビ、初夏は本マグロ、秋はノドグロ……等々が堪能できる。旬の恵みを味わい尽くせる永芳閣は、70余年間、味を伝え続けてきた板前創業の老舗料理宿。1泊2食16,000円~(税別。平日2名1室利用の1名分の料金)

22/23

HOT SPRING
氷見温泉郷
魚巡りの宿 永芳閣

海越しの立山連峰を望める絶景露天風呂。氷見阿尾の浦温泉の湯は、よく温まるナトリウム-塩化物泉。貸切家族風呂も2つあり、温泉と絶景が気兼ねなく満喫できる。

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TRAIN
特急はくたか 681系

北越急行を経由し、福井・金沢・和倉温泉(七尾線)から越後湯沢までを結ぶ特急列車。東京からは、上越新幹線で越後湯沢を経由してスムーズに北陸方面へアクセスできる。
来年2015年春に開業予定されている北陸新幹線は、長野新幹線が延伸し、富山県は黒部宇奈月温泉、富山、新高岡の3つの駅が設置予定。

※自動表示のほか、スライド左右にマウスを置くと表示する矢印をクリックすると前後の画像へ移動します。

家持に志功、藤子不二雄まで 幅広い富山新旧文化人!

 
 昨年、富士山が登録されたことで盛り上がったユネスコの世界遺産。現在、日本国内における世界遺産は17件。それぞれに歴史と文化があり、素晴らしい景観も堪能できる地ではありますが、中でも「最も冬景色が美しい」といえるのが、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」ではないでしょうか。
 現在、富山県南砺(なんと)市にある五箇山一帯は初めて訪れてもどこか懐かしい、昔話の世界のような景観が広がります。この景観が現在にまで残された要因のひとつが豪雪地帯であったこと。周囲と分断されがちな過酷な環境ゆえの奇跡であり、この時期、雪がその美しさをさらに「一度見たら忘れられない」ものに仕上げています。

 五箇山から北上すること20㎞余り、砺波平野の南端に位置する南砺市井波町は、寺社彫刻から住宅欄間に至るまで、高い技術と芸術性を併せ持つ「井波彫刻」で有名。「井波彫刻発祥の地」とされる瑞泉寺をはじめ、見るべきスポットが盛りだくさん。それもそのはず、越中国一の宮・高瀬神社が鎮座し、平安時代初期の東大寺荘園跡である高瀬遺跡が発掘されるなど、この地は古く越中国の中心地でもあったのです。
 近年では、時代小説家の池波正太郎が「父祖の地」としてたびたび訪れていたり(「池波正太郎ふれあい館」で書簡や愛用品などを展示)、板画家・棟方志功が疎開をしていた折のアトリエなどが残されていたりと、文化薫る土地でもあります。

 集落の景観といえば、もうひとつ。南砺市と砺波市などに広がる砺波平野には、「散居村(さんきょそん)」という独特な風景が広がります。島根県の斐川平野や、静岡県の大井川扇状地などにも見られますが、日本最大にして最も典型的であるのが、ここ砺波平野の散居村といわれています。

 続く高岡市で気になるのは、奈良時代の貴族であり歌人の大伴家持(おおとものやかもち)。奈良時代、高岡市伏木(現在)周辺には、国府や国分寺が置かれていました。時代が下り、南砺市井波周辺が栄えてくる前は、伏木周辺が越中国の中心部であり、家持が越中守として赴任したのも、この地だったのです。
 『万葉集』に実に480首もの歌を数える家持ですが、そのうち223首が越中守時代にこの地で詠んだもの。市内には家持ゆかりの万葉句碑が多く立てられています。

 その他、藤子不二雄に高岡大仏、高岡銅器に高岡コロッケと、意外にも(!?)特筆すべきものが多いのが、高岡市の特徴といえます。

 藤子不二雄は、藤子・F・不二雄こと藤本弘が高岡市生まれ、藤子不二雄Ⓐこと安孫子素雄が氷見市生まれ。安孫子が小学5年生のとき、父の死去に伴い高岡市に引っ越したことが二人の出会い。今も高岡市には万葉線のドラえもんトラムが走り、氷見市では市街地周遊バスが怪物くんラッピングなど、藤子不二雄ワールドが広がっているのです。

 ここまで来ると、目の前は富山湾、氷見市からは海越しの立山連峰が望めます。そして冬の富山湾といえば、「氷見の寒ブリ」。「富山湾の王者」ともいわれ、晩秋から初冬にかけて富山湾へ来遊するもの。12~1月頃の雷鳴を伴う風雨を「鰤(ぶり)起こし」と呼び、そこからブリ漁の最盛期が始まります。
 立山連峰と、それに連なる山々からミネラル分たっぷりの雪解け水が注ぎ込む富山湾。上層は暖かい対馬暖流、下層は冷たい日本海固有水という環境から、暖流系、寒流系両方の魚が生息できるといいます。そのため、日本海に分布する約800種の魚介類のうち、なんと約500種が生息。また、「藍瓶(あいがめ)」と呼ばれる沿岸から急激に沈み込む海底谷(かいていこく)は、水深1,000mにも及び、漁港の近くに最高の漁場を作り出しています。富山湾が「天然の生け簀」と呼ばれ、新鮮な魚が市場にあふれるのは、これらの好条件があるからなのです。
 四季を通じて多彩な海の幸に恵まれる富山湾。富山湾の旬の地魚で握る「富山湾鮨」があなたの“おいしい顔”をお待ちかねです。
 新鮮魚介の他にも、氷見市では氷見牛、氷見カレー、氷見うどん、富山市では、名物・源の「ますのすし」や「富山の売薬」の起源・池田屋安兵衛商店が手掛ける薬膳レストランなど、うまいものばかり。
 世界遺産からグルメまで、この時期こその富山を味わい尽くしにまいりましょう!

写真協力=池田屋安兵衛商店、高岡商工会議所、鳥越の宿 三楽園、富山県観光連盟、
南砺市産業経済部交流観光まちづくり課、氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣、
氷見漁港場外市場 ひみ番屋街、氷見市観光協会、ふくみつ華山温泉、株式会社源、
裏辺研究所(裏辺金好、リン)
※掲載されているデータは、2014年2月現在のものです。
※イベントや催事等は変更される場合があります。事前にご確認のうえお出かけください。
THE定番・極上旅

文= 秦 まゆな  (はた・まゆな)

PROFILE
日本文化コンシェルジュ、文筆家。歴史と伝統文化に裏打ちされた、真の日本の楽しみ方を提唱すべく、日本全国を駆け回り中。その土地ならではの食、酒、温泉、祭りが大好物。
著書『日本の神話と神様手帖 あなたにつながる八百萬の神々』(マイナビ) 。
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