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車窓で旅する日本列島

パノラマに広がる瀬戸内の多島美

 昭和63年4月10日に開通した瀬戸大橋は、瀬戸内海の5つの島を跨ぐ橋で、道路・鉄道併用橋としては世界最長を誇る。岡山駅~高松駅を結ぶ快速「マリンライナー」に乗り、瀬戸大橋の眺望を楽しむ旅に出てみよう。

 岡山駅を出た列車は高架を駆け上り山陽本線を乗り越え、さらに新幹線をくぐる。岡山駅~茶屋町駅は宇野線として走り、植松駅の少し手前で宇野線と分かれる。植松・木見・上の町の各駅は、いずれも無人の高架駅。児島駅を出発して市街をしばらく走ると、列車は鷲羽山(わしゅうざん)トンネルに入る。このトンネルを抜けると、瀬戸大橋の始まり。瀬戸内のまぶしい太陽の光が車内を満たし、眼下には紺碧の瀬戸内海の絶景。遠くの島々までも見渡すことができる。驚くほどの高さに、まるで列車に乗ったまま空を飛んでいるようだ。特に、この快速「マリンライナー」の1号車にはマリン・パノラマ席があり、車窓からの眺めを最大限に満喫できる。

 瀬戸大橋は、下津井瀬戸大橋から始まり、6つの橋と4つの高架橋で本州と四国を結んでいる。最後の橋である南備讃瀬戸大橋に差しかかると、車窓右に瀬戸大橋タワー、宇多津(うたづ)の町並みやゴールドタワーも見渡せる。車窓左に広がる工業地帯は、かつて塩田として栄えた場所だ。

 列車は、宇多津駅方面に向かう線路と分かれて大きく左へカーブし、坂出駅のホームに。児島駅からわずか15分で、もう四国に到着。四国を代表する郷土食・讃岐うどんは、今や全国的に知られている。終点の高松駅構内にも本格的な讃岐うどんのスタンドがあるが、坂出駅周辺はいわゆる「製麺所系」うどん店が多く、うどん好きには人気のエリアだ。車窓右に讃岐富士と呼ばれる飯野山を見ながら、讃岐平野ならではの風景の中を走り抜け、さらに車窓右に城山、左に大平山を望む。やがて、車窓右からくる高徳線と合流して、列車は四国の玄関口・高松駅へと到着する。

5000系電車の快速「マリンライナー」。1号車は2階部分がグリーン席、1階部分が普通席のダブルデッカー。最前列の4席はグリーン席の「マリン・パノラマ席」で、最も眺望のよい人気の座席となっている

児島駅~坂出駅

夕日に染まる瀬戸大橋を渡る、快速「マリンライナー」。児島駅~坂出駅

讃岐平野を走る快速「マリンライナー」。田んぼや小さな山々が続く、香川らしい風景だ。鴨川駅~讃岐府中駅

平成13年に新築された高松駅。サンポート高松の一部として華やかに生まれ変わった。駅ビルには飲食店などのショップが集まり、スーパーも隣接。仕事帰りの買い物にも便利だ

瀬戸大橋線

 瀬戸大橋は上部に高速道路(瀬戸中央自動車道)、下部に鉄道線(瀬戸大橋線)が走る2階建て構造の長大な併用橋。

 本州と四国を橋で結ぶ計画は、遠く明治時代からあったといわれる。戦後、国鉄が本州・四国の連絡橋として明石~鳴門、宇野~高松、日比~高松、下津井~坂出間の4ルートの調査を開始、さらに建設省では尾道~今治ルートを加えた5ルートの検討を開始した。昭和45年(1970)7月に本州四国連絡橋公団が設置され、昭和50年から神戸~鳴門、児島~坂出、尾道~今治間を着工する方針を決定。児島~坂出ルート(37.3km)は昭和53年10月に着工以来、最新の土木技術を駆使して昭和63年4月に使用開始した。

 瀬戸大橋線は、宇野線岡山駅~茶屋町駅間・本四備讃線(茶屋町駅~宇多津駅)・予讃線宇多津駅~高松駅間を合わせた路線名称。岡山駅~高松駅間を1時間弱で結ぶ快速「マリンライナー」のほか、岡山駅から松山駅・宇和島駅方面へ向かう特急「しおかぜ」、高知駅・宿毛駅方面へ向かう特急「南風」などが運転されている。

掲載されているデータは平成21年1月現在のものです。詳しい運転時刻については「JR時刻表」をご確認ください。

次回は、スピードランナーが豊後路を駆ける「日豊本線」です。

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