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車窓で旅する日本列島:日豊本線

豊後路を駆けるスピードランナー

 博多駅から鹿児島本線を走ってきた特急「ソニック」は、小倉駅で進行方向が変わる。ここからが、日豊本線の車窓の旅だ。

 1号車が先頭になって小倉駅を発車した列車は、いま走ってきた鹿児島本線と並んで紫川を渡り、西小倉駅を通過して鹿児島本線と分かれる。日田彦山線が分かれる城野駅を通過して苅田駅辺りまでは市街地や工業地帯が続くが、やがて水田も増えてきて、小波瀬川や長峡川を渡って行橋駅に到着する。新田原駅から築城駅にかけては車窓左に航空自衛隊の基地が見え、豊前松江駅の辺りでようやく、埋立地の工場群の間から周防灘(すおうなだ)が見えてくる。三毛門駅を過ぎて山国川橋梁を渡ると大分県。高架を上って中津駅に停車し、平坦な線路を駆け抜ければ、列車は宇佐駅に到着する。

 宇佐駅からは国東(くにさき)半島の付け根を横断する。早速、向野川の谷を上る勾配区間を進み、西屋敷駅を通過すると、下り線は日豊本線で最長となる新立石トンネル(3640m)へ。サミット(頂上)の立石駅を通過すれば線路は下り勾配となり、中山香駅を過ぎて杵築駅に着く。

 杵築駅を発車し、暘谷駅を通過すると、いよいよ車窓左に別府湾が見えてくる。家並み越しながらも別府の温泉街や高崎山、遠くには大分の市街も望むことができる。豊後豊岡駅を通過すれば、車窓右には鶴見岳。ほどなくして麓の湯煙が見え始めると、列車は、全国有数の温泉都市・別府の中心にある別府駅に到着。さらに別府の温泉街を走り抜ければ、再び車窓左には別府湾。国道10号と並んで海沿いを進み、特急「ソニック」は終点の大分駅に到着する。

博多駅~大分駅間を中心に運転される特急「ソニック」。小倉駅~大分駅間132.9kmを最速1時間18分で結び、平均時速は100kmを超える韋駄天特急だ。車両は、6両編成の885系(写真)と7両編成883系が使用されており、885系の列車は、その車体の色から「白いソニック」と呼ばれている。中山香駅~杵築駅

城下町の玄関にふさわしい造りの杵築駅

丸みを帯びたデザインで登場した885系。杵築駅~大神駅

個性的なデザインとメタリックブルーの車体で異彩を放つ883系。日豊本線のスピードアップを図るために開発された、交流電車では初の振り子式車両だ。以前は7両編成と5両編成の列車があったが、昨年夏に増備車が登場し、すべての列車が7両編成になった。大神駅~日出駅

別府湾と別府温泉の町並み。別府大分毎日マラソンでもおなじみの風景が展開する(写真は上りの「ソニック」から撮影)。東別府駅~西大分駅

日豊本線

 鹿児島本線の小倉駅から分かれ、大分駅や宮崎駅を経て鹿児島駅に至る、営業キロ462.6kmの電化路線。今日の日豊本線になるまでの経緯は複雑だが、最初に開通したのは明治28年(1895)4月、九州鉄道によって建設された小倉駅~行事駅(ぎょうじ=現・行橋駅)間だった。今回紹介している小倉駅~大分駅間が全通したのは、明治44年(1911)11月のこと。その後、建設工事は南進を続け、九州の東海岸を縦断する路線を「日豊本線」と称して全通したのは大正12年(1923)12月。当時は、小倉駅~吉松駅間が日豊本線だった。現在のルートが日豊本線として全通したのは、国都(こくと)線として建設された都城(みやこのじょう)駅~隼人駅間が開通した昭和7年(1932)12月だ。

 今回は、小倉駅~大分駅間の車窓の旅を紹介しているが、この区間は、一部を除いて複線化されたJR九州の基幹路線。博多駅と大分駅を結ぶ特急「ソニック」が約30分間隔で運転されている。

小倉駅~大分駅間の普通列車には、国鉄当時からの415系電車に加え、JR九州になってから新製された、ステンレス車両の811系・813系・815系(写真)が運用されている。中山香駅~杵築駅

※掲載されているデータは平成21年2月現在のものです。詳しい運転時刻については「JR時刻表」をご確認ください。

次回は、桜舞い散る里をゆく「関西本線」です。

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