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車窓で旅する日本列島:飯田線

アルプスの山々と伊那谷を行く

 飯田線は94もの駅がある長い路線。豊橋駅から飯田駅までは特急列車が走っているが、飯田駅以北は山間や渓谷を縫うように走る、ローカルな雰囲気が魅力の区間だ。普通列車に乗って、アルプスの山々と渓谷美を訪ねてみるとしよう。

 赤いリンゴをイメージした駅舎が印象的な飯田駅から出発。桜町駅、伊那上郷駅と駅間の短い区間を、市街地の軒先をかすめるように進む。車窓左に元善光寺の伽藍が見えると、元善光寺駅に到着。このあたりから、リンゴやナシ、モモなどの果樹園が車窓に広がる。

 市田駅を出発し、列車は天竜川の河岸段丘に沿って左に右に何度もカーブしながら進むようになる。車窓右に伊那山地、左に中央アルプス(木曽山脈)を眺めていると、まさに伊那谷の中を走っていることが実感される。

 伊那大島駅を過ぎると、急なカーブを繰り返しながら、列車は天竜川の支流の谷を縫うように進む。上片桐駅、伊那田島駅、高遠原駅と、桑畑やナシ畑を走り、七久保駅を過ぎると視界が開ける。車窓右には南アルプス(赤石山脈)、左には中央アルプスが望める、飯田線ならではの風景だ。伊那本郷駅の先でも、列車は大きく右にカーブをしながら与田切川に架かる鉄橋へ。伊那福岡駅、小町屋駅を過ぎ、車窓左に中央アルプスを眺めていると、駒ケ根駅へと到着。

 列車はさらに進んで大田切駅、宮田駅、赤木駅へ。車窓右から天竜川が近づき、沢渡駅、下島駅を過ぎ市街地に入ると伊那市駅に到着。伊那北駅を出ると市街地から離れ、田園風景のなかを走る。沢駅を過ぎて中央自動車道をくぐり抜けると羽場駅、車窓右に蛇行する天竜川が再び近づき伊那新町駅へ。さらに宮木駅、そして天竜川に注ぐ横川川を渡れば、終着の辰野駅へと到着する。ほとんどの列車は、この先の岡谷駅まで運転されているほか、上諏訪駅や長野駅まで足をのばす列車もある。

飯田駅に停車する119系電車。飯田線ではほかに特急用の373系と普通列車用の313系が運転されており、JR東日本の115系も乗り入れている

飯田のシンボル的存在・リンゴ並木

与田切川の短い鉄橋を渡る。伊那本郷駅~飯島駅

天竜川をわたる飯田線。田切駅~伊那福岡駅間

リンゴなどの果樹畑も多い。下市田駅~市田駅間

飯田線

 豊橋駅~辰野駅195.7kmの間に94もの駅があり、平均駅間距離がわずか2.1kmの飯田線。JRの本線以外のローカル線で最長・最多駅数の同線は、私鉄4社からなる路線が前身だ。明治33年(1900)9月、まずは豊川鉄道によって豊橋駅~大海駅間が開業。以降、大正12年(1923)2月に鳳来寺鉄道の長篠駅(現・大海駅)~三河川合駅間、昭和2年(1927)12月に伊那電気鉄道の天竜峡駅~辰野駅間が開業し、同12年8月、残る三河川合駅~天竜峡駅間が三信鉄道によって開業した。国有化は同18年8月。

 現在、豊橋駅~飯田駅間に特急「伊那路」、天竜峡・飯田駅~長野駅間に快速「みすず」が運転されている。それ以外は快速・普通列車で、中央本線に乗り入れていて、上諏訪駅~豊橋駅間を走る列車もある。

リンゴをイメージした駅舎の飯田駅

※掲載されているデータは平成21年5月現在のものです。詳しい運転時刻については『JR時刻表』をご確認ください。

次回は、「富良野線」(予定)です。

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