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車窓で旅する日本列島:予土線

地図

路線図

四万十川の清流を受けて

 予土線は愛媛県宇和島市の北宇和島駅と高知県四万十(しまんと)町の若井駅を結ぶ路線。四万十川に沿って走る車窓の美しさとローカルな雰囲気で、旅情あふれる鉄道旅行エリアとして人気が高い。この線を走るトロッコ列車の「清流しまんと2号」に乗って、車窓の旅を始めよう。

 まずは宇和島城の天守閣に見送られながら宇和島駅を出発。予讃線と分岐する北宇和島駅からが予土線の始まりだ。列車は山間部に入り、急勾配の窓峠(まどのとう)を上り切ると務田駅に到着する。務田駅から出目駅までは、狭い盆地のなかを右に左にカーブしながら進む。松野町の中心で乗降客の多い松丸駅から、三間川と合流した広見川沿いを走って吉野生駅へ。この付近から山に囲まれ、真土駅から西ケ方駅で愛媛県から高知県に入り、江川崎駅に到着。江川崎駅は予土線のほぼ中間点で、長い間、宇和島線の終点だった駅だ。江川崎駅を出て左へ大きくカーブすると、広見川は四万十川と合流し、予土線の車窓の旅のハイライトとなる。

 難読地名の半家駅を発車して、橋を渡りトンネルを抜けると、今度は車窓左に大きく蛇行して流れる四万十川が望め、奥半家の沈下橋も見ることができる。半家駅、十川駅、土佐昭和駅、土佐大正駅、打井川駅と変わった駅名が続く。この間、車窓には日本最後の清流・四万十川が悠々と流れているさまを楽しめる。

 十川駅からは、いよいよトロッコ車両に乗り込む。車内には沿線ガイドが流れ、のんびりムード満点だ。晴天の日はもちろん爽快な気分が楽しめるが、小雨や雨上がりで霧が立ち込めた日でも清流や森の精気が感じられ、独特の雰囲気だ。土佐昭和駅を過ぎ、茅吹手(かやぶくて)トンネルを抜けると車窓左に四万十川に架かる茅吹手沈下橋が見られる。土佐大正駅までのトロッコ乗車区間を終え、家地川駅を過ぎ、車窓左から土佐くろしお鉄道が合流すると川奥(かわおく)信号場で、トンネルを抜けると予土線の終点・若井駅。この先、列車は土佐くろしお鉄道に乗り入れ、窪川駅まで運転される。

「清流しまんと号」25周年!!

JR四国では2009年7月21日、元祖トロッコ列車「清流しまんと号」25周年を記念して各種イベントを実施する。「清流しまんと号」の乗客に特別記念乗車証が進呈されるほか、記念オレンジカードの発売、予土線沿線の物産展や記念ツアーなど、鉄道ファンはもちろん一般の人々にも嬉しいイベントが盛り沢山だ。「しまんとグリーンライン」の愛称をもつ予土線を、ぜひトロッコ列車で旅してみたい。

土佐昭和駅~土佐大正駅

土佐大正駅ホーム

トロッコ列車「清流しまんと号」は、キハ54形の後ろに、無蓋貨車のトラ45000形を改造したトロッコ車両が連結されている。

「清流しまんと号」からの車窓。土佐昭和駅~土佐大正駅

土佐大正駅。周囲の自然と調和した山小屋風の駅舎

「森の国ぽっぽ温泉」は、松丸駅に併設された温泉施設。泉質は低張性アルカリ性冷鉱泉。駅構内2階に無料の足湯もある。松丸駅下車。TEL.0895-20-5526

予土線

 大正3年(1914)10月に、宇和島軽便鉄道が宇和島駅~近永駅間を開業。大正12年12月の近永駅~吉野駅(現・吉野生駅)間の開通後、昭和8年(1933)8月に国有化されて宇和島線となる。昭和16年、北宇和島駅~務田駅間に新線が開通。その際に762ミリの軌間を1067ミリに改軌した。

 昭和20年(1945)、宇和島駅が予讃本線に編入されたため、予土線の起点駅は北宇和島となる。昭和28年(1953)3月に吉野生駅~江川崎駅間が開通、その後、昭和49年(1974)3月、江川崎駅~川奥信号場間の開通により若井駅まで全通し、宇和島線を予土線と改称した。予土線の正式な区間は北宇和島駅~若井駅だが、予讃線・土佐くろしお鉄道に乗り入れ、宇和島駅と窪川駅を発着する。

予土線はすべてが普通列車で、ほとんどの列車がワンマン運転となっている。写真のキハ54形または、小型のキハ32形で運転される

清流しまんと号

※掲載されているデータは平成21年7月現在のものです。詳しい運転時刻については『JR時刻表』をご確認ください。

次回は、「久大本線」(予定)です。

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