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山形新幹線×ウィークエンドパスで行く『奥羽本線 ワイン&温泉旅』実りの秋、涼しくなって温泉が恋しい季節が到来。JR東日本のおトクな「ウィークエンドパス」を使って、週末に目指すは、ワイナリー&温泉の魅惑の地・山形。山梨・長野・北海道とならぶ日本4大ワイン産地にして、歴史ある名湯も満喫する、奥羽本線沿線1泊2日の旅するのだ。ゆったり滞在コースと、きっぷを駆使したよくばりコース、気分次第、のんべえ度次第でどうぞ。

『赤湯・高畠 ゆったりのんびりコース』温泉町・赤湯のワイナリー4軒と、イベントも見逃せない高畠ワイナリー。いずれも温泉とワインの最強タッグで旅人を出迎える。作り手の話を聞きながら頂く今年の新酒は、格別の味わいに違いない。 赤湯・高畠 ゆったりのんびりコース 足をのばしてよくばる 天童・かみのやま温泉

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観光センター「ゆーなびからころ館」隣接の共同浴場「赤湯元湯」。08年に誕生したばかりで、源泉は2つ。6:00~11:00・12:00~22:00、水休。入浴料200円
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老舗肉店直営の「食楽亭旭屋」なら、リーズナブルに米沢牛が楽しめる。ランチ限定の「特製焼きハヤシ」700円(サラダとスープ付)
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「酒井ワイナリー」では今年の春から「青空カフェ」を併設。おつまみ付きのグラスワイン350円やブドウジュースのソフトクリーム300円に、にんまり!
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「須藤ぶどう酒工場」では、ブドウ狩り「紫金園」を併設し、8月上旬~10月中旬まで開放する。ワインづくりには、木製手動の搾り機が現役で活躍!
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築300余年の庄屋座敷を母屋にすえ、8つの風呂を有す「いきかえりの宿 瀧波」。米沢牛や地産の食材を生かした料理も評判。館内には、赤湯の飲泉処も
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ワイングラスで試飲をさせてくれる「大浦ぶどう酒」。来店記念として、他店に卸していないワインが登場することも。落ち着いたゲストホールもあり
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「高畠ワイナリー」は、試飲スペースの広さでは群を抜く東北最大のワイナリー。日本ではマイナーだった、ピノ・ブランを広めた立役者でもある
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昭和49年に廃線となった高畠電鉄の旧高畠駅舎は、昭和9年築の石造の近代建築。高畠駅のレンタサイクルを利用すれば、30分ほどで着く
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松川弁当店の新作「特選米沢牛 牛めし弁当」1300円とともに、ワイナリーめぐりで購入したワインを堪能。旅のシアワセは、列車を降りる東京まで続く

作り手のもてなしと古湯にあたたかく癒され、心も体もほっかほか~

 東京駅から新幹線に乗ること約2時間30分。山形県南部に位置する赤湯駅に降りたつと、駅構内の天井には3機のハンググライダーが飾られていた。謎のデコレーションに「???」。

 駅からはタクシーで5分ほどの町の中心地をめざす。赤湯は、羽州街道の宿場として栄えた町で、開湯900年以上の歴史を誇る温泉地である。そのため現在も、商店や食事処は、駅周りよりも温泉旅館が立ち並ぶ界隈に集中している。まずは、共同浴場でひと風呂、空きっ腹にワインとならぬよう腹ごなし。

 町に4軒あるワイナリーは、徒歩圏内に3軒、温泉町の中心地から2kmほどのところに1軒。いずれも家族経営の気取らずあったか~い雰囲気で来訪客をもてなしてくれる。

 まずは、東北最古のワイナリー「酒井ワイナリー」へ向かった。「よくござったねぇ~」。お母さんの満面の笑みに、とたんに心がほぐれてしまう。五代目・酒井一平さんが、ご好意でブドウ畑へと案内してくれた(注:実際のワイナリー見学では畑の案内は含まれません)。車を走らせ、急斜面の坂をぐんぐん上っていく。高台にある畑からは米沢盆地が一望でき、心地よい風が抜けていく。畑のある鳥上坂(とりあげざか)という地名は、“鳥さえ上れないほどの急勾配”という意味から名付けられたのだという。

「傾斜が急なため日照量が多く、良質のブドウが育つんです。年間を通して風通しがいいから、害虫もつきにくい。ハンググライダーの世界選手権も開催された場所なんですよ」 ああ、それで! 駅に飾られたハンググライダーの謎が解決した。

 酒井ワイナリーでは、環境にやさしいブドウ栽培を行うべく、除草剤を使わない。そのために取り入れたのが「アレです」。一平さんの指差す先を見ると、モコモコと動くものが……。そう、この畑では不乱に草を食む羊4頭が、“除草隊”として大活躍中なのだ。低い位置にあるブドウの葉と実もかまわず食べてしまうのが、タマにキズなのだけれど。

 次に、ブドウ園を併設する「須藤ぶどう酒工場」へ。こちらでは、須藤家のお父さんである社長の指導のもと、自分で収穫したブドウでワインを仕込み、オリジナルのラベル作成をする、ワイン仕込み体験3150円にトライしてみるのもいい。

 日が傾いてきたら、早めに旅館に入って、のんびり疲れを癒したい。「赤湯元湯」も朝6時からの営業だから、足をのばして朝湯でシャッキリ体を起こすのも手である。

 翌日は、隣駅にある「高畠ワイナリー」へ。大規模なワイナリーなだけに、“試飲天国”とでもいえそうな試飲ブースの充実ぶりには圧巻! 入り口で小さなグラスを受け取り、常時7種ほどのワインを気負わずに試せる。土づくりから手をかけたワインの味わいに、国産ワインの見方も大きく変わるに違いない。

「まだまだ飲みたい!」という方は、これぞの1本とともに、売店で売っている保冷剤付きの保冷バックを購入してみてはどうだろう。帰りの新幹線で、駅弁とともにキンと冷えた一本を楽しめるのだ。

 東京に到着する瞬間まで、ワイナリーめぐりの醍醐味を満喫。思わず、新幹線を降りるのが惜しくなってしまう。

モデルコース

1日目 発着駅 時間 メモ
東京発 8:08 山形新幹線つばさ105号
赤湯着 10:38 まずは「元湯共同浴場」などの共同湯でひと風呂、ランチのあとに赤湯のワイナリー見学へ。ほろ酔い気分で旅館へチェックイン。
2日目 朝はのんびりチェックアウト、赤湯のワイナリー見学へ。温泉街散策では、「烏帽子山公園」や飲泉も楽しみたい。
赤湯発 13:29 山形新幹線つばさ116号
高畠着 13:34 「高畠ワイナリー」の後、余力があれば駅直結の温泉「太陽館」で汗を流そう。
高畠発 15:54 奥羽本線
米沢着 16:03 駅構内でワインに合う駅弁をゲット。あらかじめ新幹線の座席に届けてもらえるサービスを活用すればのんびりできる。
米沢発 16:31 山形新幹線つばさ122号
上野着 18:42  
東京着 18:48  

旅のメモ

この秋のおすすめ付き! ワイナリーリスト

大浦ぶどう酒(赤湯) 高い技術力で作ったワインが連続入賞
1939年の創業当時からの蔵でワインを仕込む。地元産のブドウを使い、品種の個性を生かしたきれいな酒質のワイン造りがモットー。国産ワインコンクール2010にて2銘柄が入賞。営業:9:00~11:00・13:00~16:00、無休(不定休あり)、見学:無料・要予約、試飲:無料 TEL.0238-43-2056 詳細はこちら
この秋おすすめ
赤湯ヌーヴォー2010(赤、白、ロゼ)1061円(720ml)…2010年の猛暑を乗りこえた完熟ブドウのフレッシュでフルーティなヌーヴォー。上品な甘さの白、いきいきとした酸味が特徴のロゼ、軽やかな辛口の赤。10月より発売の季節限定品。
酒井ワイナリー(赤湯) 新たな挑戦で躍進し続ける、東北最古のワイナリー
創業1892年。ろ過機を使わず、上澄みだけをとってさらにビンに詰め替えていく方法で、 時間をかけてワインを製造。瓶詰め体験1名3150円(2名~、要予約)では、720ml2本、360ml1本をおみやげに持ち帰れる。営業:8:30~20:00(見学は~16:00、昼休みあり)、不定休 見学:無料・要予約 試飲:無料 TEL.0238-43-2043 詳細はこちら
この秋おすすめ
小姫(白・甘口)1070円(720ml)…暑い夏に収穫された甘いデラウェアで仕込んだ、10月初旬出荷予の新酒。とろりとした甘さは山形の芋煮にぴったり!
佐藤ぶどう酒(赤湯) 「金渓ワイン」の名で親しまれる地元密着派
「ワイン造りはブドウ作りから」をモットーに、自家ブドウ畑と地元農家によるブドウを100%使用し、地域に密着した地ワインを製造。「金渓」の名は、かつて赤湯のブドウ畑は金が取れた渓谷だったことから。営業:8:30~17:00頃、無休、見学:無料・要予約、試飲:無料、TEL.0238-43-2201  詳細はこちら
この秋おすすめ
金渓ワイン(白・赤)1070円(720ml)…白は、甘味と酸味のバランスのよいフルーティな味わい。赤は、軽やかな酸味と果実香に優れた飲み口。いずれも定番で、甘口と辛口あり。
須藤ぶどう酒工場(赤湯) 自家農園「紫金園」でぶどう狩りも楽しめちゃう!
ブドウ本来の味と香りを残すため、昔ながらの製法でワイン造りに取組む。ワイン専用のブドウの栽培だけでなく、8月上旬~10月中旬までは広大な自家農園「紫金園」で、ブドウ狩りも可能。ブドウ園では仕込み体験もできる。営業:8:30~17:30、不定休、見学:無料・要予約、試飲:無料、TEL.0238-43-2578 詳細はこちら
この秋おすすめ
桜水ワイン(白・赤)1070円(720ml)…ブドウの栽培や収穫、瓶詰めまでのすべてを家族の手で行う。気取らない、口あたりのよい飲み口。
高畠ワイナリー(高畠) 観光バスも訪れる、山形屈指の観光スポット
フルーツワインからヴィンテージまで豊富なラインナップが魅力。売店では、自社ワインを使用したソフトクリーム300円~を販売。10月8~11日の「秋の収穫祭」をはじめ、年間を通じてイベントも多数。営業:9:00~17:00(11~3月は、16:30)、無休、見学:無料・予約不要(団体客は要予約)、試飲:無料、TEL.0238-57-4800 詳細はこちら
この秋おすすめ
スパークリングシャルドネ“2007穣minori”2300円(750ml)…厳選した高畠町産のシャルドネから醸造した高畠ワインの自信作。シャルドネの果実感と木樽由来のニュアンス、トーストブレッドにも似た余韻が広がる。ほか、「2010年高畠新酒(白)」1080円(720ml)もぜひ。

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取材・文・写真=沼 由美子
※掲載されているデータは平成22年10月現在のものです。

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