平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群― |岩手県/平成23年登録/文化遺産|奥州に花開いたまばゆい黄金文化を物語る

平安末期、東北地方における政治行政上の拠点だった平泉。仏教、特に浄土思想の考え方に基づく多様な寺院・庭園等が一群として良く残っていることなどが評価され、中尊寺・毛越寺(もうつうじ)・観自在王院跡・無量光院跡・金鶏山の5つが世界遺産として登録された。

11世紀末に藤原清衡(きよひら)が居館を構えて以来、約100年の間に花開いた独特の仏教文化。藤原清衡・基衡(もとひら)・秀衡(ひでひら)・泰衡(やすひら)4代の遺体を納めた中尊寺金色堂は金箔や螺鈿細工で覆われた厳かな姿を今日に伝える。毛越寺や無量光院跡には京都を中心に流行した末法思想の影響のもと、浄土の姿をこの世に具現化した日本独特の浄土建築と庭園が創建された。

世界に黄金の国「ジパング」の名を広めた平泉が、今度は世界遺産として世界に名を馳せる。

データ

問合せ・詳細:平泉観光協会 TEL.0191-46-2110

主なアクセス:JR東北本線平泉駅からバスで約5分の中尊寺下車等

データ

毛越寺浄土庭園で繰り広げられる
「曲水の宴」は風雅の極み
学術的にも貴重な毛越寺の浄土庭園

※掲載されているデータは平成24年6月現在のものです。
※月刊『旅の手帖』2011年6月号より転載、再構成。