冬のオホーツク海に沿って走る釧網(せんもう)本線の始発列車。知床連峰から朝日が出る時間と列車通過時間を予想して撮影時期を決定。ぴったりと列車に朝日が輝きました。
【アクセス】
JR網走駅、釧路駅などから釧網本線を利用。
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2012年、新しい年がスタートしました! 皆さんはもう「鉄道撮り初め」はしましたか? 今回は新年第1回目ということで、朝日を絡めた鉄道写真のコツを解説したいと思います。
「初日の出」ならぬ「初撮り鉄」は、ぜひ朝日をテーマにして撮影してみましょう。
朝日と列車を撮影するには、この冬のシーズンが最もチャンスに恵まれます。というのは、日の出時間が遅いので、すでに始発列車が動き出しているからです。1月中旬で北海道は6時40分過ぎ、鹿児島で7時10分過ぎが日の出なので、どの路線も始発列車はたいてい発車している時間です。
本数の多い路線であればそれだけ撮影チャンスがあり、日の出前後の最も美しい時間帯を逃すことはありません。本数が少ない路線では、日の出時間と列車通過時刻とのバランスを熟考して撮影ポイントへ向かいましょう。冬の早起きはとても辛いものがありますが、その辛さも一瞬にして吹き飛ぶ感動が必ず待っているでしょう。
次にテクニカル的なコツをお話ししましょう。朝日がテーマなのですから、朝日の輝きを表現しなければなりません。そこで重要になってくるのが露出の設定です。朝日をバックに撮影するのですから、光線状態としては当然逆光、半逆光となります。車両などをしっかり出す露出にしてしまうと、朝日の部分は白く飛んでしまいます(露出オーバー)。主題は朝日なのですから、朝日がしっかりと表現できる露出に設定しなくてはなりません。そう、 Lesson1. の紅葉撮影と考え方は一緒なのです。
では、どう設定したらよいのか……。太陽周辺の空の部分(朝焼けの部分)にカメラを向けて露出を計測し、AEロックなどの機能を利用してその露出値で撮影すると、ほぼ満足のいく結果が得られます。マニュアルモード(M)にして、計測値をマニュアルで入力してあげる方法もあります。太陽周辺というのがポイントで、太陽を入れて計測してしまうと露出アンダーになりすぎてしまいますし、目にとっても危険です。試し撮り結果をモニター等で確認し、露出補正をして自分好みの雰囲気に設定すると良いでしょう。
ドラマチックな朝焼けの写真は、一見撮影が難しそうに思われますが、実は意外と簡単に撮影ができてしまいます。テクニックよりも早起きをして撮影地に通うことが大切で、ドラマチックなシーンに出会えたら、傑作が撮影できたも同然なのです。写真はテクニックだけではないのですね……。
冬の多摩川は川霧がよく発生します。日の出後のほんの少しの時間だけ、とてもドラマチックな光景となります。本数が多い中央線なので、撮影成功率もかなり高くなります。
【アクセス】
JR東京駅、八王子駅などから中央本線を利用。
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朝日が射し込む改札を撮影。列車が来ない時間帯でも、イメージ写真はいくらでも撮影することができます。時間が短い朝日の撮影は本当に忙しいものです。
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JR鳥取駅、津山駅などから因美線を利用。
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踏切の遮断棒の先に太陽が来るように撮影位置を決定。太陽の動きは想像以上に速いので、露出等の決断は急がなくてはなりません。経験がものを言う状況ですね。
【アクセス】
JR網走駅、釧路駅などから釧網本線を利用。
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朝日に輝くレールを切り取ってみました。レールだけでも絵になりますが、ちょうど引き込み線に2列車が停車してくれて、良いアクセントになりました。
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JR静岡駅、名古屋駅などから東海道新幹線または東海道本線を利用。
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横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどのJRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。(社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。