瀬戸内の夕暮れに包まれた小さな駅。潮騒をBGMに、こんな待合室のベンチに座って、列車を待ってみたいと思いませんか。
【アクセス】
JR高松駅、松山駅などから予讃線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
「鉄道写真」というと、編成写真のように車両がキッチリ写っているものをまず思い浮かべます。また、鉄道風景写真といっても大風景の中にしっかりと列車を入れ込んで撮影するのが普通です。皆さんが鉄道撮影地に向かう道中、「ああ、いい駅だなぁ……」と魅力を感じたり、夕日に輝くレールを見て「もっと遠くへ行きたいなぁ……」なんて浪漫を感じたりすることはないでしょうか?
撮影行は目的の被写体があって行くのが当然です。列車の通過時刻など決まっている場合は、まず撮影地へ急ぐというのは当たり前のこと。だけれども時間に余裕がある場合は、目的だけを考えるのではなく、旅人になった気分で視野を広げてみましょう。
ここでとっても大切なポイントがあります。「あっ、いいなぁ」と少しでも感じたらとにかくシャッターを押すこと。「帰りに撮ればいい」とか「また今度来た時に撮ろう」なんて思ってはいけません。そういう感覚だと絶対に傑作を撮影することはできないと思います。
私も目的地に急ぐあまり、「後で撮ればいい」と思ったシーンは結果として撮影できていません。目的地に行ってしまうと、次の目的ができてしまうことが多いので、なかなか通過した撮影地に戻ることはできないのです。また、たとえ戻ったとしても、魅力を感じたあの時とは光線状態や雰囲気がまるで違っていて、全くの別物の風景になっているものです。後悔してもタイムマシーンであの時には戻れません。とにかく「感じた時にシャッターを押す」ということが何よりも大切なのです。
「感じた時にシャッターを押す」ためには、カメラバックにカメラを入れたままではいけません。常にカメラを肩に下げているか、瞬時にカメラバックから取り出せる状態にしておくと良いでしょう。車移動の場合でも助手席などにすぐに使えるように準備しておくことが大切です。私の場合、レンズキャップは常に外したままにしてあり、いつでも電源さえ入れれば撮影できるようにしています。レンズフードや保護フィルターを装着していれば、レンズに直接傷が付くというような心配も少なくてすみます。レンズキャップを外す間にチャンスを逃すことって、意外とあるんですよ。
「鉄道」を感じた時にシャッターを押した作品は、撮影目的地で撮った作品よりも傑作が撮れることが多いと思います。計画通りの撮影よりも、直感的な撮影の方が撮影者の気持ちが乗り移るものです。その直感的な感覚を鍛えるためにも、常日頃から鉄道への想いを馳せることが大切なのかも知れません。
広角レンズを装着し、カメラを左右に回しながらスローシャッターで撮影すると面白い作品に。「線路はつづくよ、どこまでも」をイメージしてみました。
※踏切の安全な場所より撮影。絶対に線路内に入ってはいけません。
【アクセス】
JR富良野駅、旭川駅などから富良野線を利用。
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【おすすめ情報】
朝霧の踏切へとつづく小路を見て「感じて」しまいました。ただ撮影しても印象が薄いので、遮断機が下りるまで待っていました。
【アクセス】
JR新得駅、釧路駅などから根室本線を利用。
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【おすすめ情報】
列車待ちの間、西の空が予想だにしなかった美しい茜色に。メインの列車撮影はすっかり忘れ、ひたすらに信号機と茜雲の撮影をしていました。
【アクセス】
JR会津若松駅、新津駅などから磐越西線を利用。
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朝日に輝くレールを撮影していましたが、何かもの足りない感じでした。そこに学校へ向かう小学生がてくてくと……。物語が生まれた瞬間です。
【アクセス】
JR大分駅、久留米駅などから久大本線を利用。
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【おすすめ情報】
横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどのJRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。(社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。