豊後中川駅を包み込む桜を、遠くから望遠レンズで撮影しました。日中も美しいのですが、宵桜を撮影してみました。列車のライトがいいアクセントになりました。
【アクセス】
JR久留米駅、大分駅などから久大本線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
まもなく待ちに待った春がやってきますね。春といえば美しく咲き誇る花々たち。そろそろ撮影計画を考え始めてみようかなと思っている皆さんへ、春爛漫の鉄道撮影のコツを紹介しましょう。
春の花としてはじめに思いつくのは、やはり桜や菜の花だと思います。鉄道の場合、駅周辺に立派な桜並木があることが多く、列車と絡めて撮影することが結構できます。また菜の花は、沿線の田畑に植えられることはもちろん、河川敷などでもよく見かけます。
桜、菜の花に限りませんが、一番のポイントは花をいかにボリュームあふれるように撮影するかです。望遠レンズで花を画面いっぱいに入れてみたり、広角レンズで花に自ら接近して撮影するなどして、とにかく花をメインにするのがコツです。そして、花の鮮やかさを表現するには順光で撮影するのがおすすめです。
鉄道風景撮影のポイントとして、これまで逆光、半逆光での撮影をおすすめしてきましたが、花の色や鮮やかさを表現するにはどうしても厳しくなってしまいます。もちろん、花に立体感を求める場合や、秋の花であるススキを撮影する場合はこれまで通りです。
次に、撮影テクニックを利用して春爛漫を表現する方法を紹介しましょう。まず代表的なのが「流し撮り」を利用したテクニックです。列車と自分の立ち位置との間に花を入れて、スローシャッターで流し撮りをすると、花の色が綺麗に流れて列車が浮き立つという、まるで色の中を列車が走っているような作品になります。流し撮りというと1/125秒や1/60秒のシャッター速度で撮影するのが一般的ですが、花流しの場合は1/15秒や1/30秒の超スローシャッターがおすすめです。難易度は高くなりますが、そうしないと色の流れた感じを美しく表現することができません。
花をボカして画面に色を作るというのもテクニックの一つです。ピントを合わせる列車を遠くに配置し、花を思いっきりレンズに近づけます。そうするだけで、フワフワっとした優しい雰囲気の作品にすることができます。ボケ具合はカメラの絞り設定を変えるなどして、自分の好みを見つけると良いでしょう。そのほか、ブルーモーメントや夜の時間帯に満開の桜を撮影するなんてとっても素敵ですよ。
桜の開花情報は入手しやすいですが、その他の花についてもインターネットで調べたり、観光協会に問い合わせるなどして、南から北へ駆け上がる春のお花前線に乗り遅れないよう、しっかりと撮影計画をして春爛漫の鉄道撮影を楽しみましょう。
桜が終わると、今度は芝桜のシーズンになります。注意深く線路端を探してみると、田んぼの畦道などに意外と多く見つけることができます。
【アクセス】
JR釧路駅、滝川駅などから根室本線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
笛吹(ふえふき)川の河川敷が菜の花で黄色に染まりました。気持ちの良い青空と菜の花の黄色を対比するようにフレーミングしてみました。
【アクセス】
JR甲府駅、富士駅などから身延線を利用。
【おすすめ情報】
5月中旬になると吉井川の川堤が黄色い花に包まれます。花を思いっきりボカして創りあげた黄色の世界に、新幹線の「さくら」が走り抜けます。
【アクセス】
JR新大阪駅、博多駅などから山陽新幹線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
山形新幹線赤湯駅に近い烏帽子(えぼし)山公園は桜の名所。1/8秒という超スローシャッターで流し撮りをしました。まさに春爛漫です。
【アクセス】
JR福島駅、新庄駅などから奥羽本線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどのJRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。(社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。