薩摩富士こと開聞岳(かいもんだけ)の夕暮れをシルエット気味にして撮影してみました。列車が小さめかも知れませんが、南国のイメージを第一優先に撮影しました。
【アクセス】
JR鹿児島中央駅、指宿駅などから指宿枕崎線を利用。
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【おすすめ情報】
鉄道風景写真を撮影する際に、背景に山々を配して撮影してみようと、一度は思ったことがあるのではないでしょうか。思い入れのある故郷のランドマーク的存在の山が皆さんにもきっとあることでしょう。横浜在住の私にとっては、港から見える富士山が心にあるし、新潟が故郷の私の母は、弥彦山を見ると故郷に帰ってきたと実感するそうです。
その代表として各地には「○○富士」といった愛称で呼ばれる郷土富士が数多くあります。また、立山連峰や八ヶ岳連峰というような、山々が連なって形成される美しい連峰も存在します。それらの山々と列車を撮影することで、地元であれば郷土愛が深くなるでしょうし、旅先であったらその土地の風光をより強く感じることができるに違いありません。有名な山でも、名も知れぬ小さな山でも、あなたにとっての名峰と鉄道を撮影してみましょう。
では、それらの美しい名峰と鉄道を撮影するちょっとしたコツをお話ししましょう。鉄道写真と言っても、この場合は山々が主役。画面の中では山の存在感を一番に考えなくてはなりません。作品を見たときにまず山々に目線が行く構図が大切です。その次に自然と列車に目線が行くというのが理想。列車はあまり大きくなり過ぎないよう、少し控えめに配してあげるのがコツです。またできる限り山々と列車を対角状に配置してあげると、とても安定した構図となります。カメラの設定ですが、絞りをF2.8やF4といった開放に近い値ではなく、F8やF11などの絞り込んだ値にして、背景の山々にもピントがくるように設定したいものです。もちろん、列車がブレてしまったら意味はないので、シャッター速度を優先するのは鉄則です。ISO感度を上げることによって、速いシャッター速度でも絞りを絞り込むことが可能になります。
さて、同じ名峰でも季節を変えて撮影してみるのも一興です。頂に雪がかぶった冬や春に撮影することが多いかと思いますが、真夏の名峰もなかなか迫力があるものです。花や雲、紅葉などをうまく取り入れて、季節感あふれる作品にしてみましょう。同じ撮影地にて、まったく同じ構図で1年を通した定点撮影をするのも楽しいかもしれませんね。山は毎日美しい姿を見せてくれるものではありません。他のテーマでも同じですが、やはり撮影地に足繁く通って撮影するということが、何よりも傑作への近道ですね。
青森県の最高峰、津軽富士とも呼ばれる岩木山です。岩木山とリンゴ畑の組み合わせは、津軽を代表する美しい風景です。
【アクセス】
JR新青森駅、弘前駅などから奥羽本線・五能線を利用。
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【おすすめ情報】
夏の富士山は雲の中ということが多く、なかなか姿を見せてくれません。遠くから入道雲と富士山が望めたので、慌てて撮影地に向かい撮影できた一枚です。
【アクセス】
JR東京駅、品川駅などから東海道新幹線を利用。
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【おすすめ情報】
雨晴海岸から望む立山連峰の朝焼けです。気象条件が揃わないとなかなか姿を見せてくれませんが、撮影できた時の感動はひとしおです。
【アクセス】
JR高岡駅などから氷見線を利用。
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【おすすめ情報】
羊蹄山(ようていざん)の迫力はいつ見ても感動してしまいます。列車は小さくても、列車を配する位置やレールを利用することによって存在感を出すことができます。
【アクセス】
JR小樽駅、長万部駅などから函館本線を利用。
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【おすすめ情報】
横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどのJRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。(社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。