トンネルの出口付近が大きくカーブしており、安全な場所から超望遠レンズでトンネルに進入する列車を狙いました。超望遠レンズでしか楽しめない撮り方です。
【アクセス】
JR熊本駅などから鹿児島本線・三角線を利用。
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望遠レンズというのはだいたい200mmを超える画角のレンズのことを言い、300mmや500mm、800mmという超望遠レンズも存在します。一般的に遠くのものを大きく写すことができるレンズというイメージですが、ちょっとしたアイデアや使い方によって作品の幅がグンと広がる魔法のレンズです。通常の使い方とは一味違う撮影方法を紹介しましょう。
まず、遠くのものを大きく写すという基本的な使い方でも、大胆な切り取り方をすることによって、作品性がさらにアップします。例えば列車のアップを撮影するにしても、わざとフレームアウトをさせて迫力を出したり、風景写真であってもキーとなる主題に思いっきり寄って撮影するのです。自分が何を伝えたいのかという明確な気持ちを持ってチャレンジしてみてください。それこそ望遠レンズの有意義な使い方でしょう。
次に、望遠レンズならではの前ボケや圧縮効果を楽しんでみましょう。これは望遠であればあるほど効果が出てきます。緩い坂道であっても、望遠レンズを使用すると圧縮効果によって、まるでジェットコースターのように表現することができます。また、レンズに思いっきり花や葉っぱなどを接近させて、ピントは遠くの景色に合わせます。すると花や葉っぱはフワッとした「色」として表現され、とても優しい感じの作品を撮影することができます。これが前ボケの楽しみ方で、より望遠レンズでより遠くにピントを合わせるほど効果が出てきます。
望遠レンズを使用するにあたって、一番注意しなければならないのが手ブレの問題です。最近のレンズには、手ブレ防止機能が装備されているレンズが多くなってきました。とは言っても私は三脚使用をおすすめします。手ブレの心配が無くなる他、しっかりとした隙のない構図を取るには、可能な限り三脚を使用したいものです。もちろん、撮影地での制約がある場合はこの限りではありません。
望遠レンズの魅力にはまってしまうと、なんでもアップで撮影してしまいたくなる「望遠レンズ病」になりがちです。前回の超広角レンズもそうですが、肉眼では見ることのできない世界ですから、はまってしまうのは仕方ないと思います。だけれども、一通り魅力を感じることができたら、広角、標準、望遠とバランスよく使用した作品作りが大切だと思います。お医者さんが推奨する、私たちの食生活と同じ感じですね……。
レンズに黄色い花を思いっきり近づけて、ピントは遠くの線路に合わせて撮影しました。すると画面全体が優しい黄色の世界に変わりました。
【アクセス】
JR富良野駅、旭川駅などから富良野線を利用。
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肉眼では大した坂道には見えないのですが、望遠レンズを使用するとまるでジェットコースターのように。圧縮効果のマジックです。
【アクセス】
JR追分駅、新得駅などから石勝線を利用。
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成田エクスプレスをフレームアウトさせ、さらにカメラを傾けて迫力を出しました。ピント合わせはカメラのAF(オートフォーカス)追従機能を使用しています。
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JR千葉駅などから総武本線を利用。
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この撮影地のポイントは2つの鉄橋。大胆に鉄橋をカットして撮影することが、逆に鉄橋の迫力を出すことにつながります。
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JR宮崎駅などから日豊本線を利用。
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横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどのJRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。(社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。