国の重要文化財、門司港駅は9月末より改修工事が始まります。5年も要するので撮影はお早めに。逆に東京駅はまもなく復原工事が完了。撮影が楽しみです。
【アクセス】
JR博多駅などから鹿児島本線を利用。
【便利なきっぷ】
【おすすめ情報】
鉄道写真というと列車を取り込んで撮影するのが当たり前のように思われていますが、旅の出発地であり目的地でもある「駅」をテーマにした撮影はいかがでしょう。駅は鉄道の原点のような存在であり、多くのドラマが繰り広げられる鉄道と人との交差点。車両撮影や鉄道風景撮影がどうしてもメインになりがちですが、どんなきっかけでも良いので駅にふらりと訪れてみませんか。
私は本数の少ないローカル線を撮影する時、次の列車までの時間は駅で撮影することが多々あります。撮影ポイントで次の列車が来るまで何時間も待っているのはもったいないし、常に何かしら鉄道写真を撮っていたいという気持ちに駆られるからです。天気が悪くて理想の車両写真や風景写真が期待できない時にも駅に行くようにしています。撮影テーマが行き詰まり、何を撮影しようか迷った時もそうしています。確かに駅撮影を第一目的で撮影に行くことは少ないのですが、駅に行けば夢中でシャッターを押している自分がそこにはいます。時には列車撮影をすっかり忘れてしまうほど、のめり込んでしまうのです。
駅撮影と言っても、ただ駅舎を記録として撮影するのではありません。その駅の最も輝いているところを探し出しそこを撮影します。例えば、作例の門司港駅のような歴史のある駅であれば、建築美や重厚感など趣のある部分を切り取ってあげる。木造駅舎の待合室によくある古いベンチなどをテーマにするのも面白い。風景の中に佇む駅であれば、その土地ならではの風土の美しさを取り入れてあげると良いでしょう。また、乗客で活気づく朝の風景や、日中のとっても静かなローカル駅、夕日に輝く駅舎や駅名標など時間軸で駅を捉えるのも面白いと思います。
鉄道への玄関口である駅の撮影は、撮影マナーにも気を配らなければなりません。駅業務に迷惑のかかる撮影は当然NGだし、乗客でにぎわう時間帯の撮影も避けたいものです。肖像権等の問題があるので、乗客を撮影する時は必ず声をかけて撮らせてもらうようにしましょう。また、三脚の使用は極力避けて手持ちで撮影したいものです。薄暗い条件など露出が厳しいときは、ISO感度を上げるなどして対応すると良いでしょう。フィルムでの撮影ではこの対応がなかなかできませんでしたが、デジタルになって最近のカメラではISO1600やISO3200程度で撮影しても驚くほど美しい描写をしてくれます。手持ち撮影でもとっても楽に撮影ができるようになりました。
列車撮影が鉄道写真の王道であることは言うまでもありませんが、駅にはそれとは違う魅力があふれています。私は、のどかなローカル駅でゆったりとスナップ撮影するのが大好きです。時にはベンチに腰かけて、ぼーっと景色を眺めているのも贅沢な時間であります。
待合室の古いベンチにクローズアップ。ベンチだけの撮影もよいのですが、バックに改札口を入れてあげることで、駅の雰囲気がより引き立ちました。
【アクセス】
JR宍道駅などから木次線を利用。
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木造駅舎に掲げられた駅名板にグっと来たので撮影。ただ駅名板を撮るのではなく、待合室の学生をシルエットとして入れることで深みが増しました。
【アクセス】
JR肥前山口駅などから佐世保線を利用。
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青春18きっぷのポスターで有名になった下灘駅。改札口を額縁のように利用し、穏やかな瀬戸内の風景を切り取ってみました。
【アクセス】
JR高松駅、松山駅などから予讃線を利用。
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普段はなんてことの無い貨車を利用した無人駅ですが、こんなにもドラマチックな表情を見せる時があるのです。
【アクセス】
JR網走駅、釧路駅などから釧網本線を利用。
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【おすすめ情報】
横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどのJRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。(社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。