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ウマイ! といわれる 「鉄道写真」を撮りに行こう!|Lesson17.「鉄道橋で作品を撮ろう!」

日田彦山線(大行司~筑前岩屋 間)

美しいアーチ橋が多い日田彦山線。下から広角レンズで見上げて、アーチの美しさを誇張して撮影しました。また列車を控えめにするために1両編成を撮影しました。

【アクセス】

JR城野駅、田川後藤寺駅などから日田彦山線を利用。

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極意|一 鉄道橋の特徴をとらえ、それを誇張して表現しよう|二 「水」が創り出す風景を主題にして撮ってみよう|三 鉄道橋での「シルエット撮影」、「流し撮り」は最高の条件

 鉄道にはなくてはならない存在の鉄道橋。大河にかかる鉄橋もあれば、小川のせせらぎにかかる小さな橋もあります。アーチ橋にトラス橋、ガーター橋などなど、数えきれないほどの多くの構造があり、そこにはその数に等しい美しさが存在しています。美しき鉄道風景を求める鉄道写真家にとって、鉄道橋を風景の中に取り入れたくなってしまうのは当然のことなのでしょう。

 鉄道橋を魅力的に表現するためには、その橋の特徴を誇張することが大切です。橋を渡る列車をどう撮ろうかと意識するのではなく、この橋が最も美しく見える角度や光線状態を第一優先にフレーミングするのです。列車はアクセントとしてそこに入れてあげるという感覚です。レンズワークも大切で、広角系のレンズで橋の下から見上げるようにしてフレーミングすると、肉眼で見た以上に橋の迫力が出ます。望遠レンズを使って特徴のある構造部分をアップにして、列車をブラして入れてあげるというのもアイデアの一つです。

 次に、鉄道橋のある風景には「水」の存在があります。渓谷や河川を渡るための橋ですから、当然そこには水が創り出す風景が広がっています。水鏡になって風景が映り込んでいることもあるだろうし、寒さで結氷した北国ならではの風景が広がっているかもしれません。鉄道橋を魅力的に表現する場合と感覚は同じで、今度はその水の風景を大きく取り入れたフレーミングをしなくてはいけません。鉄道橋のある風景の中で何が一番輝いているか何を写真で伝えたいのかということをしっかりと考えることが大切です。

 鉄道橋ならではの撮影技法として、「シルエット撮影」「流し撮り」があります。まずはシルエット撮影についてお話ししましょう。シルエット撮影の一つの条件として、背景に何もないということがあります。シルエットにするわけですから、列車の背景に山などがあると、列車と山が同化してしまい列車のシルエットを表現することができません。背景に何もないという条件、すなわち背景が空になるという場所は、鉄道橋が格好の撮影地というわけなのです。もちろん山深い渓谷に架かる橋では難しいですが、大きな河川に架かる橋では、この条件にあてはまるものが数多くあります。露出設定ですが、空を画面にいっぱい入れてカメラで計測した露出値が基本となります。あとはお好みで露出補正をしてシルエットの濃さを調節すればよく、列車が来るまでに露出値を確定しておくと良いでしょう。

 つづいて流し撮りについてお話ししましょう。流し撮りはスピード感を表現するために、スローシャッターで列車の動きに合わせながらカメラを振り抜く技法です。流れた背景に列車が浮かび上がるというもので、鉄道写真ではポピュラーな技法となっています。「流れた背景」というのがポイントで、そこに鉄道橋を利用するというわけです。鉄道橋の中でもトラス橋が理想で、トラス橋のパターン模様が背景だけではなく、列車の手前にも流れることによって、よりスピード感を表現することができます。シャッター速度はなるべく遅い方がよく、1/60秒以下で撮影した方が良いでしょう。シャッター速度が速いとトラス橋の流れが弱くなり、列車とトラス橋の梁とが重なってしまい、列車がよく見えないという失敗をしてしまいます。難易度は高くなりますが、スローシャッターで挑戦してみましょう。

 美しい鉄道橋だけではなく、普段なにげなく眺めている身近な鉄道橋でも、フレーミングの仕方や撮影テクニックでとても魅力的な作品を撮ることができます。鉄道橋をテーマにして撮影に出かけてみると、新しい発見があるかもしれませんね。

大糸線(白馬~信濃森上 間)

アルプスに鉄橋、渓流に雪坊主と美しい素材が多く、フレーミングに悩みます。立派な雪坊主に心ひかれたので、雪坊主を大きく取り入れた構図にしました。

【アクセス】

JR松本駅、糸魚川駅などから大糸線を利用。

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日高本線(厚賀~大狩部 間)

極寒の北の大地では、河口付近でも川が凍ってしまいます。夕日に輝く川面を大胆に取り入れ、橋と列車はシルエットにして表現しました。

【アクセス】

JR苫小牧駅などから日高本線を利用。

【便利なきっぷ】

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磐越西線(山都~喜多方 間)

SLばんえつ物語のC57形をシルエットにして撮影しました。貴婦人と呼ばれるC57形のサイドビューがとても美しく表現できました。鉄橋のパターン模様も意識しています。

【アクセス】

JR郡山駅、新津駅などから磐越西線を利用。

【便利なきっぷ】

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【おすすめ情報】

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東海道新幹線(新富士~静岡 間)

富士川に架かるトラス橋を疾走するN700系のぞみ。そのスピード感を表現するには流し撮りが一番。難易度は上がりますが、遅いシャッター速度ほど効果があります。

【アクセス】

JR三島駅、静岡駅などから東海道本線を利用。

【便利なきっぷ】

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講師●長根広和 Hirokazu Nagane

横浜市生まれ。大学卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。青春18きっぷなどのJRポスターを撮影する他、JR時刻表では「ごちそう路線旅」を担当。(社)日本写真家協会会員、日本鉄道写真作家協会会員。

http://hirokazu-nagane.com

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