『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
大阪在住。青年時代から太宰治を愛読してやまない40代男性。
いつか憧れの太宰の故郷・青森へ旅してみたいと思っていました。平成21年は太宰治生誕100年。関連イベントも開催中なので、「今年中に行かねば!」と思い立った次第です。飛行機は使わずに、青森まで時間にゆとりのある鉄道旅行をしたいのですが……列車やきっぷはどうやって探したら良いでしょう?
おぉ、念願の文学紀行実現でござるな! それはぜひともお手伝いしなければなるまい。まず、貴殿の住んでいる大阪から太宰治ゆかりの地・弘前まで、どのような列車があるか『JR時刻表』で探してみよう。
『JR時刻表』には、巻末に近いピンク色のページに、「JRの営業案内」が掲載されている。そのうちの「運賃・特急料金早見表」と「きっぷあれこれ」を見れば、新幹線をはじめ有料の特急や急行についても、きっぷの種類や料金などが詳しく掲載されているぞ。
「きっぷあれこれ」の「特急券」の項を見てみよう。そうすると、次のことが分かる。
貴殿の場合は、利用区間がJR西日本とJR東日本のエリアにまたがっているから、B特急の区間にはあてはまらない。よって、A特急料金となる。
しかし……! 乗りたい特急が決まっている場合は、自分で営業キロから運賃を計算するよりも、「きっぷあれこれ」より前のページの「主要駅間の運賃・特急料金早見表」を参照するのがだんぜん便利なのじゃ。
貴殿はどの列車に乗りたいか、すでに決まっているかな?
そうですね。もし出来たら、寝台列車に乗ってみたいなぁ。
これも長年の夢だったんです。
そうでござるか!
特急「雷鳥」や夜行急行「きたぐに」もオススメだが、なんといっても寝台特急にはそこでしか味わえないスペシャル感があるぞ! 大阪から弘前まで行く寝台特急には、心地よい「プルマン式A寝台」を備えた「日本海」がある。それでは早速、「寝台特急利用の主要駅間運賃・特急料金早見表」を見てみよう。
縦列の大阪と横列の弘前がぶつかるところは……と。上段が運賃、下段が特急料金じゃ。ちなみに寝台車利用の場合の特急料金は通常期の指定席特急料金から510円引きした額となっておる。
運賃11,970円+特急料金3,150円に、寝台料金が必要となる。例えばA寝台(下段)なら10,500円、B寝台(二段式)なら上段・下段とも6,300円の寝台料金を加えたのが、大阪から弘前までの片道料金じゃ。
ちなみに、《太宰治生誕百年展》が開催されている市立郷土文学館がある弘前や、生家「斜陽館」がある五所川原をめぐりたいなら、現地で2日間有効の「津軽フリーパス」を購入しても便利じゃぞ!
そうなんですか、いろいろありがとうございます、寝台列車は少し値は張るけど、一生の思い出になりそうだし、この機会にぜひ利用してみます!どうもありがとう、サムライさん。
ところで何だか、さっきから言いたいことがありそうな表情をしてますけど……
そうなのじゃ!
実は先月、読者諸君に向けて緊急告知した「第15回 時刻表検定試験」が、先の11月15日ついにフィナーレを迎えたのだ……!
今回の時刻表検定、やはりかなりの難関であったとみえるぞ。受験した諸君からは、「例年より難しかった」「時間がなく解き終わらなかった」などの声が寄せられている!
試験は午前と午後の部があったが、午後はとくにマニア向けと言っても過言ではない問題も多数出題されたというから、出題者も解答者も並々ならぬ気合で臨んだ様子が伝わってくるのう。
例えば、「11時 区快05 特急※※[27] 区快31 特急40[28] 特急56」といった情報のみが与えられ、この特急の発車時刻を4択で答えさせる問題。『JR時刻表』平成21年11月号のP34~81、P96~144に載っている無数の列車の中から、時間帯や運行・運休、快速・普通などにより経験と勘を働かせて列車を推測し、該当のページを繰って答えを探さなければならず大変な手間がかかる。また、列車以外にも、高速バスに関する問題では、大阪府とを結んでいるバスの発着都道府県を選ばせるなど、偏った知識では突破できぬ。
さらに受験者の意表をつくところでは、『JR時刻表』の巻頭「さくいん地図」の中に示されている世界遺産について、登録順序が早いものを答えさせるなど、『JR時刻表』の精通度を試すような問題も出題されたというから驚きじゃ。
聞くところでは、時間内に試験を終了して途中退出する者が、ほとんどいなかったという。
長年『時刻表』や鉄道のファンに愛されてきた「時刻表検定試験」。惜しくも今回で休止となったが、ぜひとも何らかの形で復活を遂げてほしい。これからも『JR時刻表』をともに愛用していこうではないか(涙)!
※時刻表の画像は、2009年11月号のものです。最新の『JR時刻表』をご覧ください。