『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
東京都出身。ドラマ化もされた『孤独のグルメ』(谷口ジローとの共著・扶桑社)、『花のズボラ飯』(水沢悦子との共著・秋田書店)ほか、漫画、エッセイ、音楽など多方面で創作活動を展開中。平成21年から足掛け2年をかけて東京から大阪までを散歩した近著『野武士、西へ 2年間の散歩』(集英社)が発売中。
後免(高知県南国市)から奈半利(奈半利町)まで全20駅。42.7km。ほぼ高架線で土佐湾沿いを走る。 オープンデッキのあるしんたろう号、やたろう号はともに1日1往復。天気のいい日にぜひ乗ってほしい。
翌朝。台風一過の素晴らしい青空! 散らばる雲の美しさ。ホテルの窓から見える海の色が、昨日と全然違うエメラルドグリーン。朝食後、奈半利の古い街を散歩。パンの移動販売車「ロバのパン」で菓子パンを買っているオバチャン。時間がゆったりしている。
小さな漁港をブラブラする。停泊しているのはマグロ漁船だと、作業のオジチャンが教えてくれた。船の下に小魚がたくさん泳いでいるのが見える。そのまま海岸まで足を延ばす。海がきれい。同じ太平洋なのに、先月見た千葉の海と全然違う。
お昼は駅の3階にあるイタリア食堂「トンノ」で、生ビールとピッツァ・なはりたん。気がぬける名前と裏腹に、ピザ生地が薄くてぱりっとして香ばしく、とろけるチーズに奈半利豚とやっこねぎが絡んでウマイ! 冷たいビールにバッチリだ。今回飲んでばかりだな。しかたない、高知だもん。
今日は狙いすましてデッキ列車「しんたろう号」に乗り、一気に後免へ。写真のとおり、デッキは最っ高に気持ちよかった。やなせ先生、いい旅したがで、もっともっとしょうえいマンガ、描くぜよ!(いい旅したからもっと面白いマンガ描くよ) ボクは太平洋に合掌した。
※「旅の手帖」2013年12月号より掲載しました。