『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
室蘭本線の静狩駅と礼文駅の間に位置し、新辺加牛(しんぺかうし)トンネル(下り線1893m)と新礼文華山(しんれぶんげさん)トンネル(上り線2759m)の2つの長大トンネルに挟まれたわずかな地上部分にあります。内浦湾を望む方向以外、三方はすべて急峻な斜面で、車はおろか歩いてさえも行くことが難しく、列車以外ではたどり着くことが困難な究極の秘境駅です。室蘭本線は屈指の幹線ですが、小幌駅には普通列車でさえ停車しないことが多く、1日のうちで停車するのは下り3本、上り5本のみ(平成21年1月末日現在)。雪深い冬場に訪れるには防寒対策が必要ですが、気候の良い時期なら徒歩10分ほどの海岸へ散策が可能です。
訪問の際には通過する特急列車の他、時刻表に載らない貨物列車が多数往来するのでご注意を。
無人駅で周囲にも民家が全くない人里離れた秘境駅
平成20年にサミットが行なわれた洞爺湖にも程近い
谷川岳の玄関口として多くの登山客に親しまれてきた山間の駅。上越線が複線化される際、下り線は勾配を緩和して新設、上り線ホームは地上にありますが、下り線ホームは新清水トンネル(約1万3500m)内に設置されました。その場所は地上の改札口からは約70m下った地底に位置し「日本一のモグラ駅」と称されています。地上とホームを結ぶ階段の数486段、改札口まで登るのに約10分はかかります。現在は無人駅となっていますが、有人の時代には改札が行なわれていましたので、当時の時刻表には「土合駅の改札は下り列車に限り、発車10分前に打ちきりとなります」との注意書きがありました。
谷川連峰を貫く新清水トンネル内にある土合駅の下りホーム
横山秀夫著『クライマーズ・ハイ』には、主人公がこの階段を上る場面が登場する
愛知県・静岡県の県境に程近い、飯田線の無人駅。木造平屋建ての駅舎は、東栄町周辺で行なわれる重要無形民俗文化財「花祭り」(霜月神楽)で使われる鬼面がデザインされています。東三河流域の森で育った木材「三河材」がふんだんに使用され、木の温もりを随所に感じられる駅舎です。
東栄町の各地区では、11〜3月にかけて花祭りが開催されます。鬼面の駅に降り立って、鬼面を付けた鬼が釜の湯を振りかけ回る奇祭を楽しんでみるのも一興です。
また、東栄駅から飯田線で約20分の湯谷(ゆや)温泉では開湯1300年の名湯が楽しめます。清流・宇連(うれ)川の渓谷美を眺めながらの湯浴みは極上のひととき。日帰り入浴ができる宿もあります。
利用する人々の目を楽しませてくれる鬼面をかたどった駅舎
鎌倉時代末期から室町時代にかけて始まったとされる花祭り