JR東日本創立20周年記念事業のメインプロジェクトとして平成19年10月14日の鉄道の日に開館。日本及び世界の鉄道に関わる文化遺産・車両、文献など資料に加え、国鉄改革やJR東日本に関する資料約58万点を収蔵展示する日本最大の鉄道博物館。子供から大人まで鉄道模型や運転シミュレーション、遊戯器具等を活用しながら鉄道を体感できる鉄道テーマパークで、鉄道ファンだけでなくファミリーでも楽しめる博物館になっている。
住所●埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47 TEL●048-651-0088 開館時間●10:00〜18:00(入館は〜17:30) 休館日●火曜、年末年始 入館料●大人1000円、小・中・高校生500円、3歳以上の未就学児200円 アクセス●埼玉新都市交通(ニューシャトル)鉄道博物館駅下車すぐ
大宮駅から埼玉新都市交通(ニューシャトル)で約3分。鉄道博物館駅を降りるとそこは鉄道ファンの聖地「鉄道博物館」だ。駅から延びるプロムナードの床には、東北・上越新幹線開業時の時刻表、また天井にはその際のダイヤグラムをイメージしたオブジェがあって、気分をさらに盛り上げてくれる。 浦和電車区の車両解体場だった広大な敷地に平成19年10月オープンしたこの博物館は、神田の交通博物館時代の4倍ものコレクションを保有し、日本が世界に誇れる博物館のひとつである。
メインエントランスの鉄道員(ぽっぽや)の像に迎えられて館内に入ると、右手に広がるのは8つのテーマごとに展示スペースがある「ヒストリーゾーン」。博物館全体の約半分のスペースを占めるこのゾーンには、日本の鉄道創成期の明治時代から東北・上越新幹線開業まで、新橋〜横浜駅間を走った「1号機関車」や「御料車」6両を含む鉄道車両35両の実物車両が展示され、最大の見所となっている。
特に中央に展示されているC57形式蒸気機関車は1日数回ターンテーブルで回転し、機関区にいるような気分にさせてくれる。懐かしいボンネット形特急電車、展望客車などは幅広い年代層の郷愁を誘うことだろう。また、485系や181系特急電車、クモハ455形式急行用電車などは、私が上越線や東北本線などで撮影に熱中した電車たちで、晴れの舞台で保存されていることに感慨もひとしおだ。
1日中遊べる館内には飲食店も充実している。1階には食堂車の代名詞だった「旅のレストラン 日本食堂」があって、「懐かしの食堂車のカレーライス」や幻の賄い食「ハチクマライス」など、当時の懐かしメニューが味わえる。また、売店では駅弁も販売されていて、実物車両を使った敷地内の休憩スペース「ランチトレイン」などで駅弁ランチを楽しむこともできる。博物館に居ながらにして鉄道旅行気分が味わえるオススメのスポットだ。
敷地内にはヒストリーゾーンのほか5つのゾーンがあるが、エントランスゾーンにある「模型鉄道ジオラマ」は線路総延長約1400m(25mプール4コース分!)と日本最大級。新幹線から「カシオペア」、「北斗星」など約600両のHOゲージがあり、解説付きでその走りを楽しめる。一日のドラマ仕立ての演出が素晴らしい。また、模型といえども事故がないように各線路にATSが装備され、スイッチバックやループ線なども再現されている本格派だ。
エントランスゾーンのD51や新幹線、山手線などの「運転シミュレーター」もぜひ体験したい。特に日本ではここだけのD51の運転体験は大人気。さらにパークゾーンの「ミニ運転列車」は、実物に近い信号装置によって実体験のような運転ができオススメだ。
とても一日で全部を見学し体験しきれない魅力たっぷりの鉄道博物館。リピーターとなってゆっくり、何度でも楽しんでみたい。
- 昭和33年に誕生したブルートレイン第1号「あさかぜ」に使用された寝台客車20系。当時は「走るホテル」と呼ばれた豪華列車だった
- 東北本線の上野〜仙台駅間を走った特急電車でボンネットスタイルが人気を集めた。クハ481形の流れをくむボンネット形が夜行急行「能登」に残る
150形式蒸気機関車。鉄道創成期に英国から10両輸入され、新橋〜横浜駅間を走った1号機関車
マイテ39形式客車。東海道本線の特急用一等展望客車として使用された。車内は荘厳な桃山様式
ナハネフ22形式客車。ブルートレインの元祖20系客車でデビュー。「あさかぜ」「さくら」などに使用
485系特急電車。ボンネット形特急として親しまれた国鉄を代表する特急形電車
「懐かしの食堂車のカツカレー」850円。ほかにもビーフシチューやナポリタンなど懐かしメニュー多数
本物のD51の運転台を使用した運転体験ができる。振動や揺れが体に伝わってくるリアルなもの
模型鉄道ジオラマは、約25m×8mというHOゲージでは国内最大級の大きさ。スタッフによる車両解説も
「ミニ運転列車」で運転できる車両はスーパービュー踊り子、成田エクスプレス、埼京線など