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東京駅から上越新幹線で約95分。ガーラ湯沢駅は、新幹線でスキー場まで乗り入れられる抜群のロケーションが自慢の「ガーラ湯沢スキー場」の玄関口となる冬季限定の臨時駅だ。駅舎自体がスキー場へのエントランスを兼ねていて、ウインターシーズンには多くのスキーヤーやボーダーたちで賑わう。
平成2年12月にオープンしたこの駅は、JR東日本社員による社内プロジェクトとして誕生。駅舎内(スキーセンター カワバンガ)には温泉施設「SPAガーラの湯」があり、ウインタースポーツを楽しんだ後、冷えた身体をゆったり温められると評判だ。
改札口があるカワバンガ2階にはスキー・スノーボードのレンタルコーナーが完備されているので、身軽に出かけて存分にスキー&ボードを楽しめる。また、同フロア内にはカフェレストランやGALAオリジナルのグッズ、新潟のお土産物などを取り揃えたショップなどもあり、アフタースキーや列車待ちの時間も十分楽しめるのがうれしい。
雪をイメージさせる白い外壁に朱色のGALAの文字が映える「ガーラ湯沢駅」
ゴンドラステーションやチケットカウンターなどもあるスキーセンター カワバンガ
JR大糸線の簗場(やなば)〜南神城駅間にウインターシーズンのみオープンする臨時駅。その名の通り、駅の南側斜面にはヤナバスキー場(ヤナバスノーアンドグリーンパーク)が広がり、スキー場の中に駅があるといった趣だ。駅から徒歩0分とアクセス至便で、シーズン中には多くの若者や家族連れで賑わう。
ホームは単式1面1線の地上駅で、ホームの端には簡易なプレハブ風の駅舎が建っている。シーズン中はここで地元の人による乗車券の委託販売も行なわれていて、冬しか入手できないきっぷを求めて訪れるコレクターもいるという。
白銀のゲレンデへは、国道148号(千国街道)の下をくぐってヤナバスキー場のスキーセンターから2本のリフトを利用。7本あるコースは全面でスノーボードの滑走ができる。
駅の北側に広がるのは、仁科三湖(にしなさんこ)のひとつ「青木湖」。大糸線で最も標高が高い駅のホームからは、周囲6.7kmの湖を望むことができ、そのハート型の湖は恋人たちに人気がある。
ホームの端にプレハブ駅舎があるだけの簡素な駅。ホームからは青木湖が望める
駅から徒歩0分で絶景が広がるスノーリゾートへ。全面ボード滑走OKで人気
毎年2月下旬から3月下旬に開催される「水戸の梅まつり」期間中にオープンする臨時駅。歴史は古く、大正14年(1925)に公園下仮降車場として開業。その後も臨時乗降場、臨時駅として営業し、多くの観梅客を迎え入れてきた。
駅はコンクリートホームを備えただけの1面1線構造だが、シーズンには出札小屋が設置され、普通列車のほか一部特急列車も停車する。また、停車列車が下りのみというのもこの駅の特徴で、上野や小山方面に向かう上り列車に乗車する場合は、下り列車で一度水戸駅まで行き、そこから引き返す必要がある。
駅名にもなっている偕楽園は、石川の「兼六園」、岡山の「後楽園」と並び「日本三名園」と称される名園中の名園。梅まつり期間中には、約100品種3000本の梅を楽しむことができる。期間中の日曜には、観梅デーとして野点茶会や水戸の梅大使・水戸黄門一行との写真撮影サービスなど様々な催しも開催される。可憐な梅の花とともに春の一日を楽しみたい。
コンクリートホームのみの偕楽園駅。梅のシーズンにはホームからも梅の花を愛でられる
偕楽園駅に停車する特急「フレッシュひたち」。一部の下り特急列車も停車する
平成20年3月に3年間限定で設置された「婦中鵜坂駅」は、JR高山本線活性化社会実験の一環で開業した臨時駅。富山ライトレールに続く「鉄軌道活性化事業」第2弾として実施されている。速星(はやほし)〜西富山駅間にあるこの駅は、単式1面1線の無人駅。構内にきっぷの販売機はなく、列車に乗車した時に車内で整理券を取り、降車駅で運賃を精算する。トイレや売店もなく、ホームの出入口付近にバス停を思わせる上屋と階段、そしてスロープが設置されているだけのシンプルステーションだ。
駅名の由来は、周辺の地域名として地元の人たちに知名度が高い「婦中」と駅周辺の地区名「鵜坂」を合わせたもので、一般公募から選ばれた。
現在、特急「(ワイドビュー)ひだ」は通過するが、越中八尾〜富山駅間が増発実験区間に指定されていて、上下合わせて60本もの普通列車が停車する。
平成23年春に駅の設置は終了するが、利用状況が好調であれば、正式な駅として昇格する予定だ。
単式ホームに上屋があるだけのシンプルな駅。特急が通過するため列車接近表示機も設置
西富山駅方面からホームを望む。左手にはホームへの階段が、背面にはスロープがある