駅舎は木造平屋建ての寄棟造りで正面右側に庇があり、窓には当時としては高級品だったガラスを多用。内装は薄緑色を基調とし、待合室の切符販売窓口、受付台、壁面を飾る板張りなどが開業当時のまま残されており、往時をしのばせる。駅舎は現在、但馬地方の近代化遺産のひとつになっている。
住所●兵庫県養父市堀畑字石郡133-2
- キップ売り場の台座は開業当時からのもの
- 朝夕は学生が利用し、つかの間賑わう
- ホーム上の待合室にも年代を感じる
福井県敦賀市と舞鶴市を結ぶ小浜線の駅として開業。老朽化が進んだ駅舎は貴重な近代化遺産として保存・改修が進められ、平成21年春、観光と地域作りの拠点「舞鶴市松尾寺駅前観光交流施設」としてオープン。案内・待合所、交流室、調理室を備え、松尾寺参拝者の乗降駅として活躍した大正時代の雰囲気を再現している。
住所●京都府舞鶴市字吉坂
- 駅舎は改修され開業当時を彷彿させる
- 松尾寺の御朱印を見せてもらった
- ホームは高い所にあり階段を下り駅舎に向かう
昭和4年に開業。重層入母屋様式の駅舎は、国土交通省の「近畿の駅百選」に認定されている。趣のある待合室にはシャンデリアが灯り、鞍馬山の由岐神社一帯で催される勇壮な行事「鞍馬の火祭」の松明が飾られている。また、構内には長年この路線を走り続けたデナ21形電車の先頭部分と動輪が保存されている。
住所●京都府京都市左京区鞍馬本町191
- 待合室は天井が高く落ち着いた雰囲気
- まるでお寺のような駅舎が迎える
- 駅を出て参道を歩くとすぐに仁王門が見える
緑豊かな山々に囲まれた田園風景の中に、JR山陰本線の養父(やぶ)駅はあります。明治41年(1908)に開業し、平成20年に100周年を迎えました。駅舎は平屋建ての寄棟造りで、開業当時からほぼ原形を保っています。このレトロな駅を見ようと全国から鉄道ファンが訪れます。
かつてこの駅では貨物の取り扱いをしていました。特産の但馬(たじま)牛や近くの鉱山から採掘された鉱石が貨車に積み込まれました。駅横の広い空き地が当時の貨物ホームの名残です。
人と物とで賑わった養父駅も昭和59年に無人化され、現在は地元自治体に業務委託されています。駅での仕事を終えた元JRの車掌・橋本喜義さんは、「明治から先輩たちが築いた歴史を感じます。このような駅は残さないといけませんね」と話してくれました。歴史のある駅舎は今も大切に使われています。
旧海軍の赤レンガ倉庫群で知られる舞鶴市。JR小浜(おばま)線の松尾寺(まつのおでら)駅は、東舞鶴駅の隣にあります。駅舎は大正時代に建てられたもので、かつては西国三十三所の29番札所である松尾寺の最寄り駅として賑わいました。しかし、年々乗降客は減り続け、昭和61年に無人化されました。駅舎も老朽化が進み、建て替えの計画がありましたが、JRが舞鶴市に無償譲渡し、この春に改修が終わりました。
駅から松尾寺までは約3kmあり、歩くと50分くらいかかります。近年、寺へは車で訪れる人が多くなりました。この日、広島から松尾寺を訪れた男性は、西国三十三所をまわり終えて満願成就し、「たいへん嬉しい」と話しながら列車に乗り込みました。
京都の奥座敷として知られる鞍馬(くらま)山。叡山(えいざん)電鉄鞍馬線の電車は、急勾配をゆっくりと走り、終点鞍馬駅に到着します。開業当時から変わらない寺院風の駅舎が、静かな山中に佇んでいます。駅を出ると巨大な天狗のオブジェが目に飛び込んできます。源義経が修行した伝説の地であり、四季を通して美しい鞍馬山。その玄関口として、今日も多くの人々を迎えてくれます。
- ・BS1…金曜15:20〜15:25
土曜21:45〜21:50(再放送) 日曜23:30〜23:45
(ダイジェスト版を放送) - ・ワンセグ2…月〜金曜12:55〜13:00
土曜…0:10〜0:35
(5本分まとめて放送、随時) - ※ 7/2(金)までは特別編成のため休止
- ●DVD「中部・関東・甲信越」編・「東北・北海道」編発売
- 番組テーマ音楽「待合室」など特典CD付き
- ●『にっぽん木造駅舎の旅 100選』
- 平凡社より好評発売中