『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
かつて神田・万世橋付近にあった「交通博物館」。JR東日本創立20周年を記念してその鉄道部門だけを鉄道の町・大宮に移設し開館したのが、鉄道の殿堂「鉄道博物館」(通称・鉄博〔てっぱく〕)です。
今回は、その鉄博までの短い区間ですが、東北新幹線で向かって鉄博を楽しみ、さらに帰りには、実際に運用されている機関車や車両たちを愛でたり、目の前や眼下を鉄道模型のように走る「トレインビュー」が楽しめたりする、“丸一日お腹いっぱい”鉄道博物館日帰りコースをご案内しますね!
まずは、最新鋭の新幹線E5系に乗車しましょう。わずか30分弱ですが、新幹線の快適な乗り心地を体験し、大宮駅からはニューシャトルに乗車します。普通の電車とは違う所を見つけるのも面白いですよ。鉄道博物館では、蒸気機関車から新幹線まで歴史的価値のある多くの鉄道車両をじっくり見学しましょう。
その後は、尾久(おく)駅に移動して、徒歩連絡で田端運転所へ。ホームや敷地外の歩道から車両が十分見えるので、鉄道好きにはたまらないビュースポットなんです。田端からは京浜東北線で王子へ。駅前の北とぴあ17階にあるレストラン「山海亭」で、JRの車両たちを愛でながら絶景と食事を堪能して、旅を締めくくりましょう♪
1 日 目 |
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス |
---|---|---|---|
東京発 | 9:36 | 最新のE5系新幹線(東北新幹線「はやぶさ」3号)に乗車 | |
大宮着 | 10:00 | ||
大宮発 | 10:10 | ゴムタイヤで走る埼玉新都市交通「ニューシャトル」に乗車 | |
鉄道博物館着 | 10:13 | 子供たちには、模型鉄道ジオラマや運転シミュレータなどもオススメ。昼食は館内の「レストラン日本食堂」へ。乗務員の賄い飯として出される 「ハチクマライス」が本当に美味しい♪ シンプルながら、ご飯の上に乗った目玉焼きとハンバーグがたまりません | |
鉄道博物館発 | 14:24 | ||
大宮着 | 14:27 | ||
大宮発 | 14:35 | 東北本線普通列車(上野行き)に乗車 | |
尾久着 | 14:55 | 田端運転所を見学。北斗星の機関車や客車などが多く所属する車両基地です。見学後、徒歩で田端駅へ | |
田端着 | 17:00 | アトレヴィ田端3Fの「パスタ カフェ カプリチョーザ」でティータイムを楽しみながら、絶好のトレインビューを堪能 | |
田端発 | 18:00 | 京浜東北・根岸線に乗車 | |
王子着 | 18:05 | 駅前の「北とぴあ」17Fの展望ロビーへ。これまたトレインビュースポット。レストラン「山海亭」で絶景夜景とディナーも楽しんで! 21時30分頃、駅周辺で解散 |
鉄道博物館●TEL.048-651-0088。10:00~18:00(入館は~17:30)、火曜・年末年始休。入館料一般1,000円、小中高生500円、幼児(3歳以上未就学児)200円。埼玉新都市交通(ニューシャトル)鉄道博物館(大成)駅から徒歩1分
パスタ カフェ カプリチョーザ●TEL 03-5685-9501。11:00~23:00(22:30LO)、無休。田端駅直結。
北とぴあ 展望ロビー●TEL03-5390-1100。9:00~22:00、不定休。無料。王子駅から徒歩2分
レストラン山海亭(北とぴあ17階)●TEL03-5390-1129。11:00~21:30(20:30LO)、不定休。
鉄道ジオラマ(リニア・鉄道館) 東京~大阪間の東海道新幹線沿線の風景を再現した日本最大級の鉄道模型ジオラマ。東海道新幹線をはじめ、在来線や超伝導リニアなどが走る様子は感動モノ! ず~っと見ていたくなります♪
昭和39年(1964)、まさに日本が戦後という言葉から決別する年でした。アジアで初めてのオリンピック開催。この国をあげての一大イベントに合せるように、わずか数日前に東京~新大阪間を開業した東海道新幹線。東京駅に現存する記念碑には「この鉄道は日本国民の英知と努力によって完成された」と刻まれていて、国の総力を尽くした最高の鉄道敷設計画だったことが分かります。
開業当初は「超特急ひかり号」を名乗り、日本国民にとって希望の「ひかり」となりました。国鉄民営化後、東海道新幹線はJR東海に属し「シンデレラエクスプレス」という流行語が誕生。今日まで新幹線の先駆者として日々躍進しています。この新幹線をベースにリニアモーターカーの開発、敷設も計画されているんです。
一方、東海地方は非電化の幹線区間も多いので、電車のみならず、気動車などバラエティーに富んだ車両が走っています。
そんなJR東海が満を持して開館した「リニア鉄道館」。展示される実車は、0系新幹線はもちろんのこと、電車・気動車・客車・蒸気機関車と多彩。特に私の好きな113系の先頭車であるクハ111のトップナンバーが湘南色で保存されているのが魅力的です♪
リニア鉄道館と新幹線の踏切、金山駅の撮影、なごや弁当などを絡めた鉄道旅。時間に余裕があれば、「こだま」で旅を楽しんでください。「ぷらっとこだまエコノミープラン」なら、ジュース付きでリーズナブルにグリーン車を体験。ゆっくり、ゴージャスな気分を味わいながら帰京できますよ☆
1 日 目 |
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス |
---|---|---|---|
東京発 | 9:03 | 出発前に東京駅19・18番ホームで新幹線の先端を一望。東海道新幹線「ひかり」465号に乗車 | |
浜松着 | 10:33 | タクシーで約10分の「JR東海浜松工場 西伊場第1踏切」へ。ここはフル規格新幹線唯一の踏切道。運が良ければ、新幹線車両の通過が見られるかも? | |
浜松発 | 12:38 | 東海道新幹線「ひかり」469号に乗車 | |
名古屋着 | 13:10 | 名古屋臨海高速鉄道あおなみ線に乗換え | |
名古屋発 | 13:30 | ||
金城ふ頭着 | 13:54 | 「リニア・鉄道館」を見学。初代ひかり号(0系新幹線)のほか、ディーゼル特急列車や旧形国電を展示。夜間保線作業の演出もある鉄道ジオラマ「鉄道の24時間」は必見です。鉄道の1日が、20分の演出で繰り広げられます。 | |
金城ふ頭発 | 15:44 | ||
名古屋着 | 16:07 | 中央本線(普通列車)に乗換え | |
名古屋発 | 16:17 | ||
金山着 | 16:21 | 金山駅周辺にてJRの車両などを撮影☆ | |
金山発 | 17:23 | 中央本線(新快速)に乗車 | |
名古屋着 | 17:28 | 名古屋駅でお弁当を購入。野菜などが沢山入った「なごや弁当」がヘルシーでオススメ。時間にゆとりがあれば、名古屋駅から中央本線で13分ほどの大曽根駅まで行って、日本唯一のガイドウエイバス「ゆとりーとライン」に乗りたい | |
名古屋発 | 18:00 | 東海道新幹線「のぞみ」248号に乗車。新型車両N700系で東京へ。快適な車内で食す「なごや弁当」は最高です☆ | |
東京着 | 19:43 |
リニア・鉄道館●10:00~17:30 (最終入館は閉館30分前まで)、火曜(祝日の場合は翌日)休(春休み、ゴールデンウィーク、夏休み等は開館)。入館料大人1000円、小中高生500円、幼児(3歳以上未就学児)200円。名古屋臨海高速鉄道あおなみ線金城ふ頭駅から徒歩約2分。
鉄道ジャーナリスト ● 史絵. Shie.
幼いころから、路面電車に興味を持ち鉄道愛好家となる。平成18年(2006)から、鉄道の魅力や長所を伝えるため鉄道関係の映像や媒体で活動を開始する。近年では、執筆をメインに活動する鉄道ジャーナリストとして活動し、書籍の執筆や雑誌への寄稿、LRT推進活動に力を入れている。主な活動に、LRTサミットやフォーラム、シンポジウムにてパネリストや講師として出演。他にも、鉄道イベントやテレビ、ラジオ、新聞への出演を中心に活動している。著作に、交通新聞社新書『進化する路面電車』が発売中。
東京都交通局・都電荒川電車営業所、所長さまより、表彰状・感謝状授与。鉄道友の会会員。
江ノ島電鉄・江ノ電 「江ノ電第25回タンコロまつり」にて一日駅長就任。
日本の路面電車はすべて完乗。
●オフィシャルブログ ●オフィシャルtwitter ●オフィシャルサイト
文・撮影=史絵.(オフィスSTJ)
写真協力=森由梨香(田端運転所)、裏辺研究所
※掲載されているデータは平成24年1月現在のものです。