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まだまだ知られざるご当地の味 行って食べたい!ニッポンA級発掘グルメ

vol.5
三種(みたね)のじゅんさい[秋田県三種町]


北に白神山地、南に男鹿半島を望む風光明媚な秋田県三種町。海に沿って整然と17基並ぶ風車は、新たな観光スポットとして話題を呼んでいる。

春から初夏にかけて咲くじゅんさいの花。スイレンの一種だが、その小さくて可憐な姿は白神山地に咲く山野草にも見える。

静かな湖面に木舟を浮かべる摘み取り風景は夏の風物詩。5~8月には摘み取り体験(1人1500円)も人気だ。申し込みは、じゅんさい案内所TEL.0185-83-4200へ。


旬を迎えると「じゅんさいの館」の直売コーナーには朝採れの生じゅんさいがずらり。新鮮なことはもちろん、その安さにもびっくり。

今や絶滅危惧種でもある貴重な食材!じゅんさい生産量日本一の町へ

 透明なゼリーに包まれた青々とした若芽――その清らかな見た目と、ぷるんとした爽やかな食感で知られるじゅんさい。和食の具材としてお目にかかることが多い高級食材だが、その生産量日本一を誇るのが秋田県北西部、世界自然遺産「白神山地」の南西麓に位置する秋田県三種町(みたねちょう)だ。中でもその中心は三種町森岳(もりたけ)地区で、そこで栽培されるじゅんさいは「森岳じゅんさい」と名付けられ、高級ブランドとして取引されている。

 三種町には古くから天然のじゅんさいが自生する湖沼が多くあった。白神山地や出羽丘陵から注ぐ伏流水がもたらす豊富な水資源と肥沃な大地が、質の高いじゅんさいを育んだのだ。一時、水質環境の変化によって天然じゅんさいは激減したが、稲作が斜陽した昭和50年代にはその転作物として、田んぼを利用したじゅんさい栽培が復活。現在では年間400tを越える日本一の生産地として名を馳せるまでになった。

 約20県で絶滅または準絶滅危惧種になっている貴重なじゅんさいも、地元では普段の食卓にものぼる馴染みの食材。5~8月の摘み取り時期には採れたての生じゅんさいが店頭に並ぶし、その他の季節でも熱処理して瓶や袋に入れたものがスーパーなどで当たり前に手に入る。

 好みで生姜や刻みネギなどをのせ、わさび醤油や酢醤油、酢味噌などであっさり食べるのが主流だが、コラーゲンたっぷりの比内地鶏のつみれやスープといっしょに食べる「森岳じゅんさい鍋」、オリジナリティたっぷりのご当地グルメ「三種じゅんさい丼」など、産地ならではのバラエティに富んだ食べ方はさすが本場。

 夏の青空の下、里山に囲まれたじゅんさい沼に木舟を浮かべて一つ一つ摘み取る作業風景は、秋田の夏の風物詩。のどかな風景と夏の風に包まれて、生産地ならではの爽やかなじゅんさいをとことん味わい尽くそう。

SPOT いざ、じゅんさい料理を食べよう!

じゅんさいは、成分の約98%が水というスイレン科の多年草。食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれ、古くから健康との相乗効果が認められてきた健康食品である。ぷるんとしたゼリー、若芽を噛んだ時のぷつんという食感が、繊細な日本人の舌にぴったりの食材だ。クセがないだけに料理も汁物から鍋、丼、スイーツまでとにかくバラエティ豊かに楽しめる。今まで持っていたじゅんさいの概念が崩れること間違いなし!

シンプルだから旨い!
お母さんが作るネバネバどん
お食事処 かあさん

特産品直売所「じゅんさいの館」にある食堂で、農協女性部のお母さんたち3名が切り盛りしている。ネバネバどんは、じゅんさいのほか、長芋、オクラ、ニンジン、キュウリ、長ネギなどの具を丼にのせ、干椎茸ベースのだしをかけたシンプル料理。摘みたてのじゅんさいを使うため5~8月の限定メニュー。

ネバネバどん750円、じゅんさい入り手打ちそば・うどん各500円、じゅんさい酢和え200円
営業時間:11:00~16:00、1月1~3日休
住所:三種町森岳東二ツ森97
交通:奥羽本線森岳駅からタクシー約7分
TEL.0185-72-4355 店ホームページはコチラ

絶品スープとぷるん食感が
際立つ森岳じゅんさい鍋
森岳温泉 ホテル森山館

上質な脂と肉質で知られる比内地鶏のつみれとコラーゲンたっぷりのガラスープ、じゅんさいを一緒に煮て食べる贅沢鍋。じゅんさいのゼリーは煮ても溶けないので、おいしいスープをたっぷり含んだ独特の食感が絶品だ。三種じゅんさい丼と並ぶ名物として、町内の食事処で味わえる(要予約)。

森岳じゅんさい鍋1人前3300円(入浴と客室での休憩がセット) ※2名以上で要予約
営業時間:10:00~21:30、無休
住所:三種町森岳木戸沢115-72
交通:奥羽本線森岳駅からタクシー約7分
TEL.0185-83-3300 店ホームページはコチラ

見てビックリ、開いてビックリの
ご当地丼「三種じゅんさい丼」
さくら亭

生産量日本一のじゅんさいの町にふさわしいグルメを、と開発された名物丼で、7軒の食事処・ホテルで味わえる。特製醤油で味付けしたじゅんさいを薄焼き玉子の茶巾で包み、その上には梅をトッピング。茶巾を割ると、中から豪快にじゅんさいが出てくるという仕掛けがユニークだ。また、ぷるんとした食感はスイーツでも最高。

三種じゅんさい丼880円、
じゅんさいあんみつ550円
営業時間:11:00~14:00・17:00~20:00、月曜休
住所:能代市浅内鵜川堺4
交通:奥羽本線森岳駅からタクシー約10分
TEL.0185-53-3933 店ホームページはコチラ

有田周辺の太刀魚料理を扱う飲食店リストはコチラ コチラ

ACCESS いざ、三種町へ行こう!

<東京方面から>

JR東京駅もしくは上野駅から秋田新幹線「こまち」で約4時間の秋田駅下車、
JR「特急つがる」に乗り換えて約38分の森岳(もりたけ)駅下車(所要時間約5時間40分)

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割引が適用される設定日・設定列車・設定区間・割引率等が決められており、その分おトクな料金(特急券・乗車券)で利用できます。
【発売期間】発売中~平成24年9月30日午前1:40まで
【対象期間】利用期間中~平成24年9月30日

<東京都内から通常期に利用した場合>&<東京都区内から「えきねっとトクだ値」適用の往路こまち19号(8:56東京発)、復路こまち38号(17:09秋田発)を利用した場合>

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【発売期間】発売中~平成24年9月17日の午前1:40まで
【対象期間】利用期間中~平成24年9月30日

<東京都内から通常期に利用した場合>&<東京都区内から「お先にトクだ値」適用の往路こまち19号(8:56東京発)、復路こまち38号(17:09秋田発)を利用した場合>

 取材・執筆・撮影:五十嵐 英之
 写真提供:秋田県山本地域振興局
※掲載されているデータは平成24年8月現在のものです。

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