『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
【舞姫酒造】「翠露(すいろ) 純米酒 五百万石」「翠露 秋あがり」「舞姫 大吟醸 桜楓」「舞姫 樽酒」「舞姫 あんず酒」「舞姫 うめ酒」を出品。粕汁と漬け物のふるまい、酒粕ジェラートや梅パウンドケーキの販売もあり
【麗人酒造】「純米大吟醸」「秋あがり純米吟醸原酒」「秋あがり辛口吟醸原酒」「ロゼ・スパーク」を出品。同蔵で仕込んでいる地ビールの試飲も1杯100円で楽しめるほか、先着800名に豚汁のふるまわれる。
【酒ぬのや本金酒造】「純米酒ひやおろし」「からくち太一 本醸造」のほか、大吟醸や純米酒、普通酒の5品を出品。酒粕を使ったサブレの販売予定もあり
【伊東酒造】「横笛ひやおろし 純米大吟醸」「ひやおろし純米吟醸 秋穂の香」「横笛ひやおろし 純米酒」「横笛 お燗酒」「純米古酒仕込 梅酒」を出品。自家製おつまみや当日限定「横笛大吟醸プリン」の販売もある
長野県のほぼ中央に位置する諏訪市。同市の上諏訪エリアは、約400年前に築城され、“諏訪の浮城”と謳われた「高島城」のお膝元だ。また、県内有数の湯どころであると同時に、造り酒屋が密集する酒の町でもある。
通称「上諏訪街道」と呼ばれる国道20号線沿いには、わずか400mの間に『宮坂醸造』、『酒ぬのや本金酒造』、『麗人酒造』、『舞姫酒造』、『伊東酒造』と5軒の酒蔵が点在。狭い地区にこれだけの造り酒屋が建ち並ぶ例は、全国的に見ても極めて稀だという。城下町として栄えた江戸時代には、なんと13軒もの蔵元があったというから一層驚く。
このあたり一帯は、霧ヶ峰高原の伏流水が豊富に湧いたことから、江戸時代から酒や味噌といった醸造業や染物業が盛んに行われてきた地域。特に醸造業は、高島城の城下町以外で営むことが禁止されていたこともあって、現在の国道20号線付近に造り酒屋が密集したといわれている。
ただし、現存する酒造は創業年も江戸から昭和、前身もさまざま。
たとえば、最も古い『宮坂醸造』は1662(寛文2)年の創業。銘酒「真澄」で知られる。宮坂家はもともと諏訪を治める諏訪氏の家臣で、戦国時代の戦乱に翻弄された末、刀を捨てて酒屋になったという。1756(宝暦6)年創業の『酒ぬのや本金酒造』は、酒造業のほかにも神主を兼務していたこともあるそう。1894(明治27)年創業の『舞姫酒造』の前身は、『亀源醸造』の名で味噌や醤油を作っていた。
上諏訪エリア恒例のイベント「上諏訪街道 呑みあるき」が始まったのは1998年。主催者である上諏訪の商店街団体「上諏訪街道21」が、地元商店街活性化のためにと立ち上がったのが発端だ。
当初は春だけのイベントだったが、人気が高まったため2002年より秋も開催。春は搾りたての酒、秋は熟成した酒の味が楽しめる。参加費は2,000円。上諏訪街道沿いの上記5軒の造り酒屋で何度でも試飲ができるとあって、のん兵衛たちがこぞって集まる。
出品される地酒は20~25種類。これ以外にも各蔵元で自家製の漬け物や味噌汁がふるまわれるほか、例年20店ほどのおつまみ屋台の出店があり、無料のライブイベントも開催される。
ちなみに、飲み歩き用のパスポートは枡。『JR上諏訪駅』、『丸柳大津屋』、『横笛(伊東酒造株式会社)』、『真澄(宮坂醸造株式会社)』、『山田養蜂場』で販売しているので、まずは枡をゲットしよう。
このパスポートを提示するとなんらかのサービスが受けられる協力飲食店も市内に40店ほどあるそうなので、飲み歩きがてら立ち寄ってみるのも楽しいかもしれない。当日は、JR松本駅(13:20発)と上諏訪駅(13:58着)間の臨時列車も運行する予定だ。
【宮坂醸造】まったく火入れをしない「吟醸生酒」や「純米大吟醸 山花」、樽酒、お燗酒などを出品予定。味噌汁や自家製漬け物がふるまわれるほか、焼き鳥(有料)の屋台も出店
1日だけの開催にも関わらず、春・秋共に多くの参加者が集う。
2013年「秋の呑みあるき」は10月5日(土)の13~18時開催。予約は不要
各蔵元が仕込み水として使っているのが、霧ヶ峰高原の伏流水。豊富に湧く清水のおかげ で、この地では江戸時代より醸造業が発達してきた。この水で仕込んだ日本酒は、やわらかくまろやかな味わいに仕上がるという。
冬場は諏訪湖が全面結氷するほど冷え込む寒冷な気候。冷涼な厳しい環境下で、急激な発酵を抑えながら、時間をかけてゆっくり発酵を誘導する。米の味をじっくり引き出すので、ふくよかで旨味の深い美酒となる。
酒の命でもある原料米に、長野県が誇る酒米「美山錦」は蔵元の多くが使用。もちろん、すべての酒をこの米で仕込むわけではないが、地元でとれる良質な酒米もまた味の決め手となっているのは間違いなさそうだ。
昭和初期頃まではウナギの産地として名を馳せていた諏訪湖一帯。当時の名残から、周辺の市町村には現在も多くのウナギ屋や川魚料理屋が点在している。皮目はカリッ、中はふっくらと焼き上がったウナギを、濃いめの甘口ダレで楽しむ。酒が進む極上の逸品だ。
■鰻と割烹 うなぎ小林
金銀鰻重(蒲焼き・白焼き入り※写真):4,620円
特重(3切):4,305円
上重(2切):3,150円
鰻丼(1切):1,680円
営業時間:11:00~14:00LO・17:00~20:00LO、月・第1・3火休
住所:諏訪市四賀赤沼1958-2
交通:JR茅野駅からタクシーで約10分
TEL. 0266-54-7717
詳細はコチラ
上諏訪駅のホームや湖畔公園に設置されている足湯をはじめ、約20もの立ち寄り湯が密集する。国の重要文化財に指定されている「片倉館」はレトロな洋風建築で、大理石造りの「千人風呂」が名物。1度に100人が入浴できるともいわれる天然温泉の大浴場だ。
■片倉館
入浴料:大人600円、小人400円(3歳~小学生)
フェイスタオル(販売):120円
バスタオル(レンタル):200円
営業時間:10:00~21:00(受付は~20:30)
住所:諏訪市湖岸通り4-1-9
交通:JR上諏訪駅から徒歩約8分
TEL. 0266-52-0604
詳細はコチラ
「諏訪大社」とは、上社前宮・本宮、下社春宮・秋宮の4つの宮の総称。諏訪湖の周辺に4つの境内地を持つ。古くから五穀豊穣、武勇の神として信仰されているほか、家内安全や弥栄の神としても崇められている。7年に1度、寅と申の年に行われる「御柱祭」でも有名。
■諏訪大社
拝観料:各社無料
【上社本宮】
住所:諏訪市中洲宮山1
交通:JR上諏訪駅からかりんちゃんバス内回り線で約40分、「上社」下車すぐ
TEL. 0266-52-1919
【上社前宮】
住所:茅野市宮川2030 TEL.0266-72-1606
【下社春宮】
住所:諏訪郡下諏訪町193 TEL.0266-27-8316
【下社秋宮】
住所:諏訪郡下諏訪町5828 TEL.0266-27-8035
詳細はコチラ