太平洋、日本海、オホーツク海という3つの海に囲まれた北海道は海産物の宝庫。中でも内陸の旭川には、各地の港から物資が集まってくるため、北海の味覚がたっぷり詰まった駅弁を楽しみにする人も多いだろう。その期待を裏切らないのがこの駅弁だ。
パッケージの外側に開けられた円形の窓から中身をのぞくと、北海道の誇る海の幸がぐっと盛り上がって見える。そしてこの駅弁の真価は、箸を入れて初めて実感できる。表面に見える具材は大きくて目を引くが、酢飯の上にズワイガニのフレーク、海草、錦糸卵を敷いて味覚のバランスを整えるなど、隠れた部分まで気を遣っている。とくに感心したのは酢飯の炊き方で、海産物の味覚と相殺しないように淡白に仕上げているため、最後まで飽きずに食べられる。
肝心のおかずは、カニ脚やホタテ、数の子、イクラ、ニシンの甘露煮といった色とりどりの海の幸。中でもカニ脚のしっとりとした食感が見事で、食べ終えてしまうのが惜しくなる。てんこ盛りというより、メガ盛りでも食べられそうだ。