2010年12月4日に全線開通した東北新幹線。今後、新青森駅にも続々と新駅弁が登場するそうで、実に楽しみだ。青森県内での“駅弁王国”といえば八戸駅。この駅弁は、八戸市で「サリーズ ダイニング」などを経営する「ハートボックス」が調製している。
高さのある巨大なパッケージは手提げ付きで重量感たっぷり。中には、三内丸山遺跡から出土した土器をモチーフに、外周に板状土偶をあしらった器が入っている。芸術性を感じさせる容器には、縄文時代から食べられ、現在も陸奥湾やその近海で獲れるマダイのだしで炊いたタイめしの上にタイの漬やそぼろ、身欠きニシンの醤油漬、陸奥湾産のホタテといった海の幸を豪快に盛り込んだ。副菜には季節の素材を取り入れるなど、まさにまほろば(古語=素晴らしい場所)の豊かさを実感できる内容に仕上がっている。
中でもタイめしは絶品。焼いたアラからだしを取って炊き上げているため香ばしさの中にほのかな甘さがあり、食べはじめると箸が止まらなくなる。器が深いためボリュームもある。食べ切れなかったぶんは家に持ち帰り、熱いほうじ茶をかけてタイ茶漬けとして味わうのもおすすめだ。