個性豊かな駅弁開発を得意とする神戸市の「淡路屋」が調製。加熱式容器を取り入れた「あっちっちスチーム弁当」シリーズの一つで、ほどよく温まったうまい駅弁を食べられるのが好評だ。
弁当の中身の画像を掲載した厚紙のパッケージに、円形の容器を収める。内容は、白いご飯の上に錦糸卵と肉厚の穴子の蒲焼を5つのせたシンプルな穴子弁当。アナゴは明石の名物。彩りとして艶やかな三つ葉を添えている。ひもを引いて中身を加熱させた後、添付の「特製つゆ」をかけて食べる。おかずのメーンとなる穴子は、加熱によってふっくらとなり、やわらかさも増す。口の中に入れるとふわりととろけていく。アナゴは濃い口のつゆも合うが、この駅弁ではあっさりとした味覚を採用しており、脂ののった穴子とのバランスのよさが際立つ。つゆがじんわり染みたご飯も絶品。飽きることなく、もりもりと食べられる一品だ。
加熱式容器を使っているため、見た目ほどのボリュームがないのが残念。しかしアナゴの仕上がりは上等、さすがに老舗淡路屋の調製である。この値段なら十分に納得できる内容だ。