名古屋メシといえば、味噌カツ、エビフライ、天むす、そして名古屋コーチン。この有名な名古屋地鶏を使った弁当はたくさんあるけれど、さすがに「純系」と銘打ったものは多くない。ここでいう純系とは、愛知県畜産総合センター種鶏場で生産・管理された、100%純血の名古屋種の鶏。駅弁の名前は、これを使っていることの証明である。
創業半世紀以上の老舗「名古屋だるま」が15年前に発売。競争の激しい名古屋駅でロングセラーを続け、現在では1日平均400個を売り上げるヒット商品に成長している。竹皮を編んだ細長い器に、朱色の掛け紙を巻く。中身は、鶏飯の上に純系名古屋コーチン3切れと山菜、椎茸、沢庵をのせた鶏肉弁当。ご飯は、鶏のダシがしっかりとしみ込んで濃厚な味わい。その上に照り焼きにした100%純系の名古屋コーチン肉がごろりとのる。鶏肉には、適度にのった脂と弾力性に富んだ肉質、そしてコクのある味わいが生きており、旨味を存分に味わうことができる。
付け合わせとのバランスもよく、車窓風景を楽しむ間もなく完食へと導く。カロリーを気にする女性に人気が高い駅弁だが、腹まわりが気になる男性にも、もちろんお勧めだ。