夫婦と書いて「みょうと」と読むのだそう。今回は、厳選したアナゴを使用した広島駅弁当の駅弁を紹介する。
弁当名を大きく描いたパッケージを開けると、白いご飯を覆い隠すように横たわる2本のアナゴが現れる。オス・メスの違いは不明だが、2本のアナゴが並ぶ様子は仲のよい夫婦のように見えて、温かい気持ちにさせてくれる。箸で持ち上げると、尾のほうには折り返しがあり、ボリュームも申し分なしだ。秘伝のタレでじっくりと煮詰めたというアナゴは、ふっくらとやわらかく仕上がっており、上品な味わいの中に濃厚な旨みが詰まっている。濃口にしたいという場合は、添付のタレをふりかけて。アナゴの上に垂らしたタレは国産米を炊いたご飯にもほどよく染み渡り、味覚のコンビネーションはいっそう深まる。
付け合わせは広島菜の漬物と、アナゴの中骨を素揚げしたせんべい。からりと揚がった骨せんべいは食感がよく、塩気もきいているため酒の肴にぴったり。酒は進むしアナゴは上出来と、まったく文句なしの駅弁である。