遠浅の海岸が多く、潮干狩りスポットが各所に整備されている房総半島の特徴を活かした駅弁。昭和3年(1928)創業の老舗、万葉軒が調製している。
掛け紙はどこか昭和の時代を思わせるレトロな雰囲気。千葉県とアサリ貝をイラストで描いている。中身は、アサリとハマグリをのせた炊き込みご飯を中心に、イワシのつみれ、ヒジキ煮、イカの味噌焼き、野菜の煮物といったおかずを添えたもの。県産の食材が数多く使われており、地産地消弁当と呼ぶにふさわしい内容だ。
メインとなる炊き込みご飯の味はどうか。ショウガを効かせた煮アサリと、甘辛く味付けたハマグリという対照的な味覚のコンビネーションがおもしろく、薄口に仕上げた茶飯を勢いよく進ませる。中でも煮アサリは噛むほどに磯の風味が色濃く漂い、房総の海岸線にゴザを敷いてのんびり弁当を食べている気分にさせてくれる。
千葉県内の潮干狩りシーズンは初春~夏までだが、富津海岸のように9月初めまで可能な場所もある。天気の良い1日はこの駅弁を携えて、潮干狩りに出かけてはいかがだろう。