九州新幹線長崎ルートの停車駅になることが予定されている武雄温泉駅で、一昨年から販売されている駅弁。「九州駅弁グランプリ」では第8・9回と連続で、堂々の第1位を獲得して売上が急増している。
中身はとてもシンプル。県産米を炊いたご飯の上に、牛肉の最高ランクを表わすA5等級の佐賀牛をのせた牛肉弁当だ。そもそも“佐賀牛”は、JAグループ佐賀管内で飼育される黒毛和牛の中で一定の基準を満たした牛肉を指し、それ以下は“佐賀産和牛”と称されるという。これほどの上質なブランド牛肉を使った弁当なのだから、味はお墨付きともいえる。すき焼き風の甘辛味に調理された牛肉は、冷めても柔らかさを失っておらず、舌の上でとろけるような肉質とジューシーな旨みを存分に味わえる。小細工をせず、極上の素材を生かすように考えた直球勝負の内容は感動的ですらある。
いわゆる「牛肉弁当」はボリューム感に欠ける傾向があるが、この駅弁は深い容器にたっぷり詰められているため満足度は高い。佐賀を訪れた際は、九州駅弁ナンバーワンの味覚をぜひ体験してほしい。