信州ならではの食材をふんだんに使ったヘルシー駅弁で、カラフルな掛け紙には「彩りさわやか 無農薬新鮮野菜添え」という宣伝コピーが書かれている。調製元は、大正9年(1920)創業の老舗、イイダヤ軒。
低農薬有機肥料で栽培した安曇野産コシヒカリを炊いたご飯の上には、おかずのメーンとなる地鶏の胸肉の照り焼きのほか、鶏そぼろ、錦糸卵、シイタケがのっている。これだけ見るとネーミングどおりの「地鶏めし」だが、副菜のパートにはリーフレタスや、赤とさかなどの海藻が色彩も鮮やかに詰め合わされており、存在を激しくアピールする。ドレッシングを別袋にしたのはよいアイデア。野菜がべちゃっとせず、新鮮野菜のぱりっとした感触を目と耳で楽しむことができる。野菜はボリューム豊富で、健康志向の人でも満足できるだろう。
メーンの照り焼きを忘れてはいけない。厚みのある肉はやわらかく、しかもタレが十分にしみ込んでいるため濃厚な旨みを堪能できる。地場産のご飯との相性も抜群で、次回もリピートしたい名品である。