曲げわっぱ形の容器にフタをのせ、武者がイノシシ狩りを行う勇壮なイラストをプリントした掛け紙を巻いてある。
中身はご飯とおかずに二分されており、おかず部分にはサケの照り焼き、笹がき信田(しのだ)巻き、牛肉のイノシシもどき生姜煮、鶏の雉(きじ)焼き、タケノコの古武士煮、コンニャク煎り煮、フキの青煮、シメジの旨煮など多彩な料理を詰め合わせている。地元の富士山周辺で採れる素材を生かした品々は野趣たっぷりで、弁当のテーマを見事に表現している。
おかずのメインは肉厚の焼きサケで、鶏の雉焼きは、やわらかい肉質の中に味がしっかりしみ込んでおり、シソを混ぜ合わせたゆかりご飯との相性がよい。種類豊富な煮物類はやさしい味わいに仕上がっており、気持ちをなごませてくれる。揚げ物が入っていないため健康志向にもマッチした内容といえる。
弁当名になっている「巻狩り」は、鎌倉幕府の初代将軍、源頼朝が富士の裾野を中心に開催した大規模な狩猟のこと。この故事にちなみ、富士宮市では「富士の巻狩りまつり」を毎年開催している。