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「常陸鍋」シリーズの「ほっき貝と地魚のしゃぶしゃぶ」は、6月1日?8月31日に登場
そもそも大洗の名物なのに、なぜ常陸(茨城県)という冠のついた鍋なのだろう? ご存知の通り、東日本大震災以後、茨城県の食材は風評被害にあい、大洗も一時期は、観光客の数が非常に少なくなったそうだ。そんな状況を打破しようと開発されたのが、「常陸鍋」だという。大洗だけではなく、茨城県全域に目を向ければ、いろいろな食材がある。各地域の食材と大洗の食材を合わせて鍋を作り、コラボレーションしていけば茨城県全体を活性化できるのではないか? また「常陸鍋」を各地域の特色を生かした食材で独自に開発すれば、茨城県の名物になるのではないか? 自分たちの町だけではなく、茨城県を盛り上げたい……そんな大きな想いが詰まっているのだ。
今回、紹介するのは、「常陸鍋」シリーズの「ほっき貝と地魚のしゃぶしゃぶ」。開発メンバーである「大勘(だいかん)荘」の小野瀬和佑さんに作っていただいた。
「う~ん、いい匂い!」
宿に入ると、カツオ節と昆布でとられた特製だしの香りに思わず、そんな言葉が漏れてしまう。そして、ご主人が運んできた貝を見て驚いた。普段、刺身などで見ているホッキ貝はピンク色のイメージだが、目の前に運ばれてきたものは、全体的にピカピカとした肌色でイメージと全く違う。お話を聞くと、ホッキ貝は火を通すと赤みが差すそうで、獲ったばかりのものは、このような色をしているという。
「ホッキ貝と言えば北海道が有名ですが、茨城の海でもよく獲れます。皆さんも色の違いに驚かれますが、朝、近くの漁港から仕入れているので、この状態で出せるのです。新鮮で、生でも食べられますよ」
早速、プリプリとした貝を軽くしゃぶしゃぶ。ほんのり赤みが差したら食べ頃だ。湯気香る貝をポン酢につけて頂くと……。
「今まで食べてきたホッキ貝は何だったの!?」
本当にそう思えるほど、甘みと旨味が口の中に広がる。食感もコリコリと心地よく、お酒を飲みたくなってしまう……。
「色が変わっていく様子も楽しんでほしいです。これが本当のホッキ貝なんだということをお客様に知っていただきたい」
とご主人。確かに、鮮やかなピンク色に変わっていく様は目にも美味しい。また同じく朝、仕入れたという地魚(アイナメ)も、非常に美味!火を通すことで身がキュッと引き締まり、旨味が凝縮される印象だ。
現在、「ほっき貝と地魚のしゃぶしゃぶ」を味わえる宿泊施設は大洗で14カ所あるが、扱う食材は料理人がそれぞれ個別に仕入れに行くそうだ。シーズンごとに鍋のテーマは決まっているが、材料の調達から調理法、だしの種類まで、独自の経験と目利きを生かして作られるため、同じ味のものはひとつもない。あえて統一せずに競い合いながら、施設ごとに特色のある鍋を提供していく。これが「常陸鍋」の面白さなのだ!
宿泊者限定の「常陸鍋」。宿ごとのこだわりを聞きながら鍋を食べ、翌日にはゆっくりと大洗観光。そんな週末の過ごし方はいかがだろう?
※地魚は時期によって異なります。