静岡の鉄道
『旅の手帖』厳選観光スポット
静岡の鉄道
首都圏からもアクセス良好で熱海と伊東を結ぶ観光路線の伊東線、富士山が見える車窓の眺めが楽しい御殿場線、数多くの秘境駅で人気の高い飯田線など静岡県内を走行する路線を紹介。
伊豆半島東部の二大温泉地・熱海と伊東とを結ぶ観光路線。伊東から先は伊豆急行が下田まで結んでおり、相模灘の雄大な車窓を楽しみながら、行楽地の点在する伊豆半島を縦断することができる。
観光路線だけに、特急や観光列車が数多く運行され、その多くが東海道本線からの直通列車。東京や新宿方面から伊東まで、特急「踊り子」、特急「スーパービュー踊り子」で約1時間40~50分。普通列車も首都圏から数多く乗り入れており、グリーン車も連結されているのでアクセスも快適だ。さらには淡いピンク色の車体が特徴的なリゾート列車「伊豆クレイル」も運行。和モダンな車内デザインが居心地よく、のんびり優雅な鉄道の旅と食を満喫できる。
伊東線 | 【運転区間】 熱海駅~伊東駅 |
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伊豆クレイル | 【運転区間】 小田原駅~熱海駅~伊東駅~伊豆急下田駅 【運転日】 土・日曜、祝日を中心 |
特急「踊り子」 特急「スーパービュー踊り子」 |
【運転区間】 大宮駅・東京駅・新宿駅~熱海駅~伊豆急下田駅 【運転日】 一日6往復(多客時は増発) |
明治時代に東海道本線の一部として開通し、昭和初期に丹那(たんな)トンネルが開通したことで御殿場線となった。
太平洋戦争中にレールを供出したため、今も単線のままのローカル線だが、沿線の随所で富士山が見えるなど車窓の眺めは素晴らしい。小田急電鉄から乗り入れる特急ロマンスカー「ふじさん号」が、小田急線の新宿~御殿場間を結んでいる。
御殿場線 | 【運転区間】 国府津駅~沼津駅 |
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日蓮宗の総本山・久遠寺のある身延山に由来する身延線は、富士エリアと山梨県の甲府盆地とを結ぶローカル線。富士川に沿って富士山と南アルプスに挟まれた隘路(わいろ)をゆくが、沿線には温泉や名所旧跡もあり、途中下車の旅もいい。静岡~甲府間には、特急「(ワイドビュー)ふじかわ」が1日に7往復(増発の場合も)走り、観光にビジネスにと活躍している。
身延線 | 【運転区間】 富士駅~甲府駅 |
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特急「(ワイドビュー)ふじかわ」 | 【運転区間】 静岡駅~甲府駅 【運転日】 一日7往復(日により増発あり) |
戦時中に4つの地方私鉄が合併して生まれた長大ローカル線であり、約200km近い路線におよそ100もの駅がある。一般的に、愛知県と長野県を結ぶ路線と思われがちだが、実は山間部で静岡県内を通過しており、県内の駅数は13もある。この飯田線の静岡と長野の県境付近が近年、大きな注目を浴びている。というのも今や飯田線最大の名所となった〝秘境駅〟の多くがこの辺りに集中しているからだ。小和田(こわだ)や相月(あいづき)など、駅周辺に人家の少ない秘境駅が連なり、多くのファンが訪れるように。今では秘境駅を効率良く回るため、臨時急行「飯田線秘境駅号」が運行されている。
飯田線 | 【運転区間】 豊橋駅~辰野駅 |
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臨時急行「飯田線秘境駅号」 | 【運転区間】 豊橋駅~飯田駅 【運転日】 春・秋の観光シーズンが中心 |
昭和36年(1961)の開業以来、伊東駅と伊豆急下田駅とを結び、数多くの観光客を運び続ける伊豆急行。
JR線から特急列車が多く乗り入れる一方、昭和60年(1985)には豪華設備を誇る「リゾート21」が登場。観光鉄道のパイオニアである。
「リゾート21」シリーズは現在も3編成が現役。金目鯛をPRする「キンメ電車」に下田開港150周年を記念した「黒船電車」、そして水戸岡鋭治氏のデザインによる豪華観光列車「THE ROYAL EXPRESS」(全車旅行商品で販売)の3列車がそれぞれ元気に運行している。
伊豆急行伊豆急行線 | 【運転区間】 伊東駅~伊豆急下田駅 |
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リゾート21 (黒船電車、キンメ電車)※ |
【運転区間】 熱海駅~伊豆急下田駅 【運転日】 毎日 |
THE ROYAL EXPRESS | 【運転区間】 横浜駅~伊豆急下田駅 【運転日】 不定期 |