『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
北陸本線・信越本線などを経由して大阪~札幌間を結ぶ豪華寝台列車として、平成元年7月21日に運転を開始したのが寝台特急「トワイライトエクスプレス」です。大阪寄りの1号車にパノラマ展望風景が楽しめるA寝台2人用個室「スイート」1室があるほか、1・2号車にはシャワールーム・トイレ・洗面所が付いたA寝台の2人用個室「スイート」および1人用個室「ロイヤル」を設置しています。このほか、B寝台の2人用個室「ツイン」や1人用個室「シングルツイン」、4人用個室のBコンパートにもなる2段式B寝台もあり、一人旅からグループ旅行まで楽しめるバラエティ豊かなラインナップになっています。 3号車にはフランス料理のディナーコース(予約制)が味わえるレストランカー「ダイナープレヤデス」、4号車には日本海に沈む夕日を車窓から楽しめるパノラマサロンカー「サロンデュノール」(有料のシャワー室も設置)が連結されていて、日本一の長距離を走る寝台列車の旅を演出してくれます。また、気軽に客室で夕食をという方には山海の幸をバランスよく盛り付けた「日本海会席御膳」(予約制)がおすすめです。21:00~23:00は「パブタイム」となり、レストランカーを予約なしで利用することができます。
大阪駅から札幌駅まで約22時間かけて走る寝台特急「トワイライトエクスプレス」
大阪寄りの1号車に設置された展望タイプの「スイート」はパノラマ風景を楽しめる一番人気の個室
時代のニーズに合わせて個室中心の寝台を備えた寝台特急(285系電車)が、東京~出雲市間を結ぶ「サンライズ出雲」と東京~高松間を結ぶ「サンライズ瀬戸」。東京~岡山間では7両編成の列車を2本併結して走りますが、1~7号車と8~14号車の寝台設備は同一です。4・11号車の2階に最高級のA寝台1人用個室「シングルデラックス」、1階にB寝台2人用個室「サンライズツイン」を設置。B寝台1人用個室は「ソロ」と「シングル」、「シングルツイン」の3タイプがあり、車端の平屋部分に設置された「シングルツイン」は上段の補助ベッドを使用することで2人でも利用することができます。 このほか、5・12号車には横になって休めるカーペット敷きの普通車指定席「ノビノビ座席」が連結され、格安料金で夜行列車の旅を楽しみたい旅人の人気を集めています。3・10号車には車窓の風景を眺めるのに最適なミニサロンやシャワールーム(有料)もあります。列車は岡山駅で2本に分かれます。「サンライズ出雲」は中国山地を経由して、中海や宍道湖(しんじこ)を見ながら出雲市駅へ、「サンライズ瀬戸」は瀬戸大橋を経由して高松駅へ。日本の美景が連続する絶景路線を堪能できます。
水平線から昇る朝日をイメージしたデザインの電車寝台特急「サンライズ出雲」&「サンライズ瀬戸」
4・11号車の2階部分に設置された「シングルデラックス」。シンプルで機能的な設備のA寝台1人用個室
東京駅と九州を結ぶ唯一のブルートレインとして活躍してきた寝台特急「富士・はやぶさ」。平成21年3月14日のダイヤ改正を機に、惜しまれつつ引退しました。
東京~大分間を結ぶ寝台特急「富士」と東京~熊本間を結ぶ寝台特急「はやぶさ」は、昭和30年代に一世を風靡してデビューを飾った元祖ブルートレイン(20系客車)で運転された歴史ある名門列車。東京~西鹿児島(現在の鹿児島中央)間を鹿児島本線経由で結ぶ「はやぶさ」は昭和33年10月(昭和35年7月から20系客車を使用)、日豊本線経由で結ぶ「富士」は昭和39年10月に登場しましたが、「富士」の愛称は昭和4年9月に東京~下関間を結ぶ特別急行列車に付けられた日本で最初の列車名でもありました。東京~西鹿児島間の時代は日本一の長距離を走る特急列車だったのです。
A寝台の1人用個室「シングルデラックス」やB寝台の1人用個室「ソロ」、2段式B寝台車を連結した6両編成(東京~門司間は2列車併結で12両編成)で運転され、ほかの豪華寝台特急のように食堂車やロビー、シャワールームなどはありませんが、A寝台の個室はテーブルや洗面台などの機能がコンパクトにまとまり、列車旅を満喫するには十分な空間でした。
室内に洗面器を備えたA寝台1人用個室「シングルデラックス」。自分だけの個室空間でゆったりと過ごせた
写真協力:結解学/斉木実
*掲載されているデータは平成21年1月現在のものです