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根室本線滝川→釧路間(営業キロ308.4km)を8時間27分かけて走るのが、日本で一番運行時間が長い定期普通列車の2429D列車です。使用車両はローカル用の両運転台付きのキハ40形気動車で、滝川→富良野間は1両編成、富良野→釧路間は2両編成で運転されます。それでは、滝川駅から普通2429D列車に乗車して、釧路までの列車の旅を楽しんでみることにしましょう。
滝川駅を9時36分に出発した列車は、根室本線を一路釧路へ向けて快走します。富良野線が接続する富良野駅では19分間停車し、キハ40形を1両増結。2両編成となった列車は、高倉健主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ舞台となった幾寅駅に停車。狩勝峠を下って新得駅では12分間停車。十勝平野を駆け抜けると道東の中心都市・帯広の市街地に入り、14時13分に帯広駅に到着します。帯広駅に22分間停車した列車の左手にワイン城が見えると池田駅、浦幌駅を過ぎると右手に太平洋の青い海が姿を現わします。この先の工業地帯を抜けると、列車は18時3分に釧路駅に到着します。
ローカル列車に使用される両運転台付きの国鉄形気動車。白地に萌黄色とラベンダー色の帯を巻いたJR北海道のオリジナル塗色が運用されている。
JR北海道塗色のキハ40形777と1749、1758の3両が国鉄首都圏色(通称タラコ色)に塗色変更。根室本線の普通列車を中心に運用されている。
根室本線用のキハ40形の車内は4人掛けボックスシートを配置。乗降用のデッキがある車端部にトイレとロングシートが配置されている。
経度・緯度が北海道の中心になることから「北海道のへそ」と呼ばれる富良野市。ホームには記念標や北海へそ踊りのオブジェが飾られている。
映画「鉄道員(ぽっぽや)」の中で幌舞駅となった駅。待合室内に映画関連の写真や小道具、駅に隣接してロケに使用された気動車が保存されている。
つるつるスベスベ、肌にしっとりと馴染むアルカリ性のモール(植物性)温泉。次世代に引き継ぎたい財産として「北海道遺産」に選定されている。
ヨーロッパ中世の古城に似た建物で、地下にワインの熟成室、1階に池田町の特産品販売コーナー、4階にはワインが楽しめるレストランがある。
幣舞橋に隣接するウォーターフロントのシンボル。館内には飲食店や土産物店などが軒を連ねており、道東エリアの味覚や名物などが楽しめる。
十勝地方の郷土料理として親しまれているもの。醤油・砂糖などを使用した甘辛いタレで焼いた豚肉を飯の上にのせた丼で、駅弁も発売されている。
根室本線の普通列車の旅には、年3回発売される「青春18きっぷ」(11,850円・5回分)を利用すれば、普通「2429D」列車の根室本線滝川→釧路間は1回(日)分の2,370円で乗車できる。このほか、発売期間限定の「北海道&東日本パス」(10,290円・7日間有効)や「北海道フリーパス」(26,230円・7日間有効)、「北海道全線フリーきっぷ」(東京都区内から30,650円・5日間有効)など、北海道内の列車が乗り降り自由となるおトクなきっぷを利用することができる。
文:結解喜幸、写真:JR北海道、結解喜幸
※掲載されているデータは平成27年7月現在のものです。