『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
毎年春と秋の行楽シーズンに土讃線阿波池田~大歩危間で運転されていた「大歩危トロッコ」が、2015(平成27)年春から運転区間を琴平駅まで延長し、新たに「絶景!土讃線秘境トロッコ」として運転されています。トロッコ乗車区間がスイッチバックの秘境駅・坪尻~大歩危間となるため、車窓の見どころが大幅に増加しています。
また、車窓絶景ポイントでスピードを落としてゆっくり運転するなど、絶景を心ゆくまで楽しめる列車になっています。
それでは、琴平駅から「絶景!土讃線秘境トロッコ」に乗車し、大歩危駅までの車窓の旅を楽しんでみましょう。まずは琴平駅から2号車の座席車に乗車します。トンネルを出て右手に坪尻駅を見ながら、本線から分岐して引き上げ線に入線。ここからバックして先ほどの坪尻駅のホームに到着します。ここで停車中に駅周辺の秘境散策を楽しんだ後、1号車のトロッコ車両に乗り換えると、列車は本線に戻って大歩危駅を目指します。緩やかに流れる吉野川を渡ると阿波池田駅、左手車窓に小歩危峡が見えると小歩危駅を通過。そして、大歩危峡に架かる鉄橋を渡り、右手車窓に大歩危峡の渓谷美を楽しめば、列車は日本三大秘境・祖谷の玄関口の大歩危駅に到着します。
下り列車の先頭に連結された1号車のトロッコ車両。開放的な窓からは爽やかな風が吹き込み、車窓を飾る絶景も間近に眺めることができる。
ぬくもりを感じる木製のベンチシートが配置されたトロッコ車両の車内。向かい合わせのボックス席と窓向きに配置された座席がある。
大歩危峡の絶景を眼下に走るトロッコ列車をイメージしたヘッドマーク。トロッコ車両の先頭部分に掲示されている。
車では行けない山間の谷底に設置された秘境駅。この駅に停車する列車は、下り列車が本線からの入線前、上り列車は発車後にスイッチバックする。
結晶片岩が水蝕されてできた奇岩怪石が造りあげた険しい渓谷。春は桜・新緑、秋は紅葉が清流に映し出され、絢爛豪華な絶景が楽しめる。
V字に切り立った大歩危峡の四季折々の渓谷美を船上から堪能できる遊覧船。船上から国指定天然記念物「含礫片岩」を間近に見ることができる。
景勝地大歩危にある観光情報館と世界の珍しい石を展示する博物館の複合施設。地元の妖怪伝説を紹介する「妖怪屋敷」が併設されている。
断崖絶壁の祖谷渓谷により周辺地域と隔絶された祖谷エリア。祖谷川にはスリル満点のシラクチカズラで造られた吊り橋が架かっている。
じゃがいも・豆腐・こんにゃくを竹串に刺し、みそだれをつけて炭火で焼く田楽。まわし焼く様子が「でこ(人形)」に似ているのが名前の由来。
土讃線の「絶景!土讃線秘境トロッコ」は、乗車券+指定席券(おとな520円・こども260円)で乗車することができる。快速・普通列車の普通車自由席が土曜または休日の1日間乗り降り自由となる「四国再発見早トクきっぷ」(2,060円)便利でおトクなほか、四国各地を巡る旅の途中で乗車するのであれば「週末乗り放題きっぷ」(土曜または休日の1日間有効・10,280円)や、「四国フリーきっぷ」(3日間有効・16,140円)など、特急列車の普通車自由席も利用できるトクトクきっぷを利用するとよいだろう。
いずれのきっぷも、指定席券のみ買い足せば乗車する事ができる。
文:結解喜幸、写真:JR四国、三好市観光協会、山城しんこう
※掲載されているデータは2015年10月現在のものです。