『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
訪れる人すべてにやすらぎと癒しを提供したいという思いをイメージし、飯山線に登場したのが、長野~十日町間(12月~3月は長野~戸狩野沢温泉間運行)を結ぶ快速飯山線観光列車「おいこっと」です。外観デザインは「ふる里」や「おばあちゃんの家」を連想させる萱葺き屋根の民家の襖や障子をイメージしたもの。内装は子供のころ、夏休みになると遊びに行っていたおばあちゃんの家のような、懐かしさ、楽しさを感じさせる古民家風で、2人掛け・4人掛けボックスシートとソファータイプのロングシートを配置。昔懐かしい「もんぺ姿」のアテンダント「おいこっと あてんだんと」が乗車し、車内での記念撮影などお客さまの旅のお手伝いをいたします。また、「まんが日本昔ばなし」でお馴染みの常田富士男さんによるナレーションが流れるなど、こころ落ち着く空間とサービスが提供されています。
なお、「おいこっと」の車両名は、田園風景や川、山など日本人が思い描くふるさと(田舎)をイメージしていただくため、東京の真逆にあると言う意味でTOKYOの英語表記を反対にし、幅広い層に親しんでもらえるようにOYKOTをひらがなで表現したものです。
1号車がライトアイボリーをベースとした塗色のキハ110-235の外観。2号車のキハ110-236はエンジ色を基調とした外観となる。
車内の中央部は左右に4人掛けのボックスシートと2人掛けのボックスシートを配置。カップルや家族連れ・グループ旅行での利用に最適。
車内には6席のロングシートを配置。ゆったりとしたソファータイプの座席にテーブルがあり、ひとりでの利用にも最適。
唱歌『故郷(ふるさと)』(作詞・高野辰之:長野県中野市出身)に登場する「兎」「山」「小鮒」「川」「父母」「友がき」「雨」「風」を車両側面の窓間にデザイン。
唱歌『故郷』に登場する「兎」「山」など8つをアイコン化したデザインが飾られる車内。仕切りガラスや照明カバーなどに使用されている。
懐かしさや楽しさを感じさせる古民家風のこころ落ち着く内装を表現した車内。開閉式のブラインドは民家の襖や障子をイメージしている。
歴史と伝統のある飯山仏壇や内山紙の展示・紹介をする観光施設。信州の伝統的な工芸品の展示もあり、和紙の手すき体験も行っている。
寛文6(1666)年に創建された飯山市にある臨済宗の寺院。臨済宗中興の祖とされる白隠慧鶴(はくいんえかく)の師であった道鏡慧瑞(どうきょうえたん)の住まいとなっていた。
奈良時代に行基が発見したと伝えられる温泉。温泉街には数多くの温泉宿・ホテルが建ち並び、隣接して日本有数の規模を誇るスキー場がある。
新潟県津南町と長野県栄村にまたがる中津川沿いの地域。日本の秘境100選のひとつで、雪深い地方の独特な生活様式が受け継がれてきている。
「雪と織物と信濃川」をテーマにした展示が行われている博物館。新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器が収蔵され、国宝指定の土器類も展示されている。
飯山市富倉の人々が戦国時代に上杉謙信に献上した野趣豊かな押しずし。笹の上に酢飯をおき、ゼンマイ・シイタケ・鬼グルミなどをのせている。
飯山線観光列車「おいこっと」は全車両が普通車指定席のため、乗車日の1ヵ月前の10時からJRの駅のみどりの窓口などで販売される座席指定券と乗車券類が必要となる。関東・甲信越・南東北エリアの週末の旅に利用できる「週末パス」(おとな8,730円、こども2,560円、連続する土曜・休日の2日間有効)を利用すれば、長野~豊野間のしなの鉄道線も含む区間が乗車できる。別途に特急券を購入すれば北陸・上越新幹線も利用できるので、東京から信越エリアの旅がワイドに楽しめる。
文:結解喜幸、写真:交通新聞サービス
※掲載されているデータは2016年1月現在のものです。