北海道の厳しい寒さや雪に対応するため、客室窓を二重構造の窓とし、出入口ドアのレールにヒーターを取り付けるなど、耐寒耐雪構造を強化した車両。このグループでは一番早く誕生した車両で、昭和36年4月から根室本線札幌〜釧路駅間の急行「狩勝」に使用。その後は函館本線函館〜札幌駅間の急行「すずらん」をはじめ、道内各地を結ぶ急行列車として幅広く活躍しました。
昭和44年10月改正で函館〜旭川駅間の特急「北斗」1往復が増発されましたが、車両の落成が間に合わず、昭和45年2月28日までキハ56形7両編成がピンチヒッターとして登場。ヘッドマーク付きの特急列車として運転されたこともありました。
しかし、幹線の特急列車化によって活躍の場が少なくなり、昭和61年3月改正から片側に運転台を増設・改造したキハ53形500番台が誕生。根室本線釧路〜根室駅間の急行「ノサップ」などに使用されましたが、JR化後はキハ27・56形の老朽化が進んだため新型車両へと置き換えられています。