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沿線に四季折々の美しい風景が広がる高山本線。この美しい車窓風景を楽しむために登場したのが、側面にワイドな窓を備えたキハ85系気動車の「ワイドビュー車両」だ。車内は通路よりも一段高いところに座席が設置され、沿線の山並みから渓谷美までをワイドに楽しむことができる。
それでは、東海道新幹線名古屋駅から10号車にグリーン車を連結した列車に乗り、高山本線の車窓の旅を楽しんでみることにしよう。
名古屋駅を発車した列車は東海道本線を走り、途中の岐阜駅で進行方向を変え、岐阜と富山を結ぶ高山本線に入る。まずは右手に木曽川の「日本ライン」、そして美濃太田駅の先では飛騨川の流れが車窓を飾る。中山七里の渓谷や下呂温泉郷を車窓に走ると、列車は飛騨の小京都と呼ばれる高山に到着。この先も宮川や神通川の流れが車窓に広がり、美しい渓谷や山間の風景とともに快走。そして、列車が北陸本線と合流すると終着の富山駅に到着する。
列車の両端に連結される車両からは前面展望のパノラマ風景が楽しめる。両端の先頭車両はグリーン車または普通車指定席になっている。
高山本線内で下り列車の先頭10号車に連結される前面展望が楽しめるグリーン車。このほか、2・6号車の中間に連結される車両もある。
先頭および中間に連結される普通車指定席・自由席の車内。通路よりも一段高い位置に座席があり、車窓の眺望を楽しむことができる。
出格子の連なる軒下に用水路が流れる高山の古い町並み。風情ある町家には、酒ばやしが下がる造り酒屋や雑貨屋、喫茶・レストランなどがある。
寒暖の差が激しい高冷地にある飛騨地方は、信州と並ぶ上質なソバの実の産地。職人が丹精込めて打つ美味しいそばを味わうことができる。
特急「(ワイドビュー)ひだ」の旅を楽しむには、発駅からの往復に特急列車の普通車指定席が利用でき、高山本線下呂~飛騨古川間が乗り降り自由のフリー区間となる「飛騨路フリーきっぷ」(名古屋市内から11,800円・3日間有効)がおトクだ。バス乗車券の付いた「レール&奥飛騨バスコース」とタクシー乗車券の付いた「レール&タクシーコース」があり、現地での足として利用できる。なお、それぞれ1人用・2人用・3人用・4人用があり、グループは同一行程で利用すればさらにおトクとなる。
ほか、東京・静岡・浜松方面からなら、往復新幹線と特急ワイドビューひだの普通車指定席、さらに下呂~飛騨古川間が乗り降り自由のフリー区間となる、期間限定発売の「飛騨観光きっぷ」(東京都区内から23,000円・5日間有効)もチェックしておきたい。
文・写真:結解喜幸 写真協力=JR東海、SONIC RAIL GARDEN、交通新聞サービス
※掲載されているデータは2013年8月現在のものです。