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旭川市にある日本最北の動物園・旭山動物園へのアクセス観光特急として運転を開始したのが、183系気動車4両編成(当初)の特急「旭山動物園号」。2007年4月の運転開始から2013年4月までに延べ25万人以上が利用した人気列車で、2008年4月には1両増結して5両編成となり、さらに2013年7月から車両デザインを一新してリニューアルデビューを飾った。
デザインは元旭山動物園飼育係・絵本作家のあべ弘士(ひろし)さんで、「地球の仲間と出かけよう」をコンセプトに、各車両のテーマに合わせた動物が登場する。車体外観も各車両のテーマに合わせたもので、「列車の顔」となる正面部分は旭川寄りの先頭1号車に「キリン」、札幌寄りの先頭5号車には「ホッキョクグマ」が描かれている。
札幌駅を発車した列車は、広大で美しい北の大地の風景を車窓に快走する。車内には記念撮影用の「ハグハグチェア」やフリースペースの「モグモグコーナー」などがあり、車内のいろいろな施設を楽しむうちに列車は旭川駅に到着する。
札幌寄りに連結される先頭車両は「極寒の銀世界号」。北極圏の雪と氷が織り成すダイナミックな景観とそこに生息する動物が描かれている。
回転式の2人掛けリクライニングシートが並ぶ普通車指定席の車内。「どうぶつシート」にはいろいろな動物をデザインした枕カバーが備えられている。
旭川寄りに連結される1号車にはカーペット敷きのフリースペース「モグモグコーナー」を設置。靴を脱いでゆったりと過ごすことができる。
2号車は東南アジアのジャングルをテーマにした「熱帯のジャングル号」(左)、3号車は地元・北海道の動物たちを描いた「北海道の大地号」(右)となる。
4号車は広々とした大地を羽ばたく鳥たちの大群を描いた「鳥たちの大空号」。車内にはフラミンゴの親子をデザインした「ハグハグチェア」がある。
5号車に設置されたペンギンの親子の「ハグハグチェア」。各車両には動物の親子をテーマにした記念撮影用の座席(計6種類)が用意されている。
北海道の最高峰・旭岳をはじめとする北海道中央部の山群の総称。例年9月中旬に初冠雪を観測し、日本一早い紅葉の名所として知られている。
百年の歴史を刻むレンガ造りの倉庫群を改装した観光施設。「大雪地ビール館」を中心に市民の音楽・演劇など発表の場として4つの館から成る。
大雪山系の伏流水と厳しい気候風土が生み出す北海道の地酒。市内にある男山酒造の「酒造り資料館」では約340年の伝統を誇る貴重な資料を展示。
夏は35度以上、冬はマイナス35度以上となる寒暖の差が激しい旭川市江丹別地区。ここで栽培される上質なそば粉は「江丹別そば」として知られる。
観光特急「旭山動物園号」で旭山動物園への旅を楽しむには、発駅から旭川駅までの往復のJR券(特急列車の普通車自由席)と旭山動物園までの往復バス券、旭山動物園入園利用券がセットになった「旭山動物園きっぷ」(札幌からおとな5,900円・4日間有効)が便利でおトクだ。ただし、「旭山動物園号」の利用には別途に指定料金券(片道510円・通常期)が必要となる。 なお、旭山動物園入園利用券がついてない「旭山動物園アクセスきっぷ」(札幌からおとな5,200円、こども2,600円・4日間有効)、さらに、往復のJRと旭山動物園入園利用券(大人のみ)、旭川駅からの往復タクシー料金がセットになった「旭山動物園タクシープラン」(札幌からおとな7,400円・こども3,900円、タクシー4人利用時)もある。
文:結解喜幸
写真協力:旭川経済観光部観光課、JR北海道
※掲載されているデータは2013年9月現在のものです。