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トレたび列車図鑑

【第39回】「くしろ湿原ノロッコ号」*釧路~塘路間*

釧路湿原の中をゆっくりと走るトロッコ列車

 広くて開放的な窓から雄大な釧路湿原の風景を楽しめる列車として登場したのが、釧網本線釧路~塘路(とうろ)間で運転される「くしろ湿原ノロッコ号」です。景色を楽しむための特別仕様としてノロッコ車両の展望客車が連結されており、乗車する誰もが釧路湿原の美しい風景を堪能することができます。

 それでは、釧路駅から列車に乗って釧路湿原の旅に出ることにしましょう。釧路川を渡った列車は東釧路駅で根室本線と分かれ、釧路川に沿って湿原へと向かいます。遠くに雌阿寒岳・雄阿寒岳・阿寒富士が姿を現すと、列車は釧路湿原に入ります。釧路湿原駅を出発すると大きくカーブし、釧路湿原の真っただ中の美しい自然を車窓にゆっくりと走ります。細岡駅を過ぎて蛇行する釧路川に沿って走るようになると、カヌーで川下りを楽しむ人々の姿も見ることができます。大きく開いた窓から爽やかな風が吹き抜け、流れゆく美しい風景とともに車窓の旅は最高潮に達し、まもなく終着駅の塘路に到着します。

1 ディーセル機関車

塘路寄りの1号車の前に連結されるディーゼル機関車。ノロッコ号塗色に変更されている。

2 展望客車ベンチ席

展望客車の窓側に向いて設置された2人掛けのベンチ席。ベンチの背もたれが可動式となっており、車両の内側を向いて座ることができる。

3 展望客車

2~4号車に連結されるノロッコ号の展望客車。テーブル付の6人掛けボックス席と2人掛けのベンチ席が配置されている。

4 普通客車

1号車の普通客車自由席は普通列車用の50系客車。普通列車に使用される4人掛けボックス席が配置された昔ながらの懐かしい車両だ。

5 バリアフリー設備

ノロッコ号の3号車は車いすでも利用できるバリアフリー車両。車いす用スペースや車いすに対応した多目的トイレが設置されている。

6 車内販売品

2号車には車内販売カウンターを設置。乗車記念品や、軽食や飲み物、デザート類などが販売されている。写真は人気の「ノロッコ号」プリン1個360円。

DATA

デビュー年:1989年6月24日
運転日:毎年4月下旬から10月上旬までの毎日(ただし、一部運休日あり)
運転区間:JR釧網本線釧路~塘路間
車両形式:ディーゼル機関車+普通客車1両+展望客車3両

「くしろ湿原ノロッコ号」でめぐる釧網本線の旅

釧路湿原駅

昭和63年7月23日に開設された釧路湿原の中にある駅。当初は臨時駅であったが、平成8年12月1日から通年営業の駅となっている。

釧路湿原

釧路平野に位置する日本最大の湿原。釧網本線を走る列車の車窓から広大な湿原や、雌阿寒岳・雄阿寒岳などの美しい風景を楽しめる。

細岡展望台

JR釧路湿原駅から徒歩圏内の釧路湿原東側に位置する展望台。雄大な釧路湿原の中を蛇行する釧路川や阿寒連峰の山並みを一望できる。

塘路湖

北海道東部の標茶町(しべちゃちょう)に位置する淡水湖。湖畔には「標茶町郷土館」やキャンプ場、塘路ネイチャーセンターなどの見どころがある。

カヌーツアー

釧路川のカヌーは、屈斜路から始まる源流・中流・下流の各エリアでそれぞれ違った表情の釧路湿原を体感できる。全国のカヌーイストも憧れの地だ。

エゾしか肉ハンバーグ

道東産の野生の鹿肉の美味しさを味わえるハンバーグ。塘路ネイチャーセンターが主催するカヌーツアーでは、ランチに同センター内にあるスローフード・カフェ「メリーさんのひつじ」でいただけるプランも。

鉄道写真作家 結解喜幸の
「くしろ湿原ノロッコ号」○得利用術

 「くしろ湿原ノロッコ号」の指定席に乗車する場合は、別に指定席券(釧路~塘路間 おとな520円・こども260円)が必要になる。

文・写真:結解喜幸 写真協力:JR北海道、塘路ネイチャーセンター裏辺研究所
※掲載されているデータは2016年4月現在のものです。

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