『トレたび』は、交通新聞社が企画･制作･運営する鉄道･旅行情報満載のウェブマガジンです。
2014年にJR予土線の全線開通40周年および宇和島駅～近永（ちかなが）駅間開通100周年を迎えるのにあわせ、鉄道模型と走るアミューズメントトレインとして登場したのが、キハ32形気動車を改造した「鉄道ホビートレイン」です。外観は初代新幹線0系車両をデザインしたもので、車内は青色を基調としたミュージアムをイメージしています。車内には記念撮影用に新幹線の転換シートが2脚配置され、さらに鉄道模型を展示する3種類のショーケースを設置。窪川寄りのドア付近の半円筒状ショーケースには、歴代の新幹線の先頭車両の模型が並んでいます。さらに宇和島寄りのドア付近の大型ショーケースや、ロングシート後方の窓間の小型ショーケースには、四国にちなんだ車両の模型が陳列され、まさに鉄道模型ミュージアムといった楽しい車内になっています。
立体的な0系の顔を先頭に走る窪川行きの列車は、江川崎駅を発車すると四万十川に沿って走行します。この列車の最高速度は85km/hほどですが、0系新幹線に乗車した気分で四万十川沿いの美しい風景を眺めることができます。
0系新幹線の団子鼻を立体的にデザインした窪川寄りの車両先頭部分。0系新幹線の前照灯やスカートを再現した究極のデザインとなった。
車内はロングシートで、シートのモケットやカーテンには、走る列車や四国をイメージした柄を採用。座っているだけで楽しくなってくる。
JR四国のルーツとなる讃岐鉄道A1形タンク機関車の形式図を、青焼きのイメージで床にデザイン。明治期のSLに思いを馳せることができる。
車内の宇和島寄りに設置された大型ショーケース。かつて四国で活躍した車両など、今は見ることができない懐かしい車両が並んでいる。
車内の窪川寄りに設置された、0系新幹線登場当時に使われていた転換シート。この座席に座って記念撮影すると0系新幹線の乗車気分が味わえる。
宇和島寄りの車両先頭部分は改造されたキハ32形の原型スタイル。0系新幹線の団子鼻などを立体的に描いた貫通タイプの顔となっている。
JR江川崎駅から徒歩圏内にある観光施設。カヌー体験のほか、ラフティングやレンタサイクルなど、四万十川のアクティビティを楽しめる多彩なメニューが揃う。
JR江川崎駅と土佐くろしお鉄道中村駅を結ぶレトロなボンネットバス。沈下橋や四万十カヌーとキャンプの里「かわらっこ」などの観光スポットをめぐる。
JR松丸駅舎に併設されている温泉施設。露天の樽風呂（写真）や、滑床（なめとこ）渓谷をイメージした岩風呂、駅のホームから直接行ける足湯もある。
四万十川などの淡水に棲む魚を中心に、川の不思議や魅力を紹介する水族館。幻の魚アカメや世界最大級の淡水魚ピラルクが泳ぐ姿が見られる。
予土線土佐大正駅から徒歩約10分のところにある、酒造「無手無冠」。四万十川上流の緑豊かな山間の地で、郷土資源を生かして酒造りを続ける。地酒や人気の栗焼酎「ダバダ火振（ひぶり）」を店舗で購入できる。
国産紅茶発祥の地と言われる高知県。四万十川流域でとれた茶葉100％の紅茶や、生地とクリームに紅茶をたっぷり使ったスイーツ「しまんとロール紅茶巻き（写真）」が人気の的。道の駅「四万十とおわ」で購入できる。
予土線を走る「鉄道ホビートレイン」や「海洋堂ホビートレイン」、「しまんトロッコ」（別に指定席券が必要）の予土線3兄弟を利用する旅には、土佐くろしお鉄道線・予土線宇和島～北宇和島間・予讃線窪川～宇和島間の普通列車の普通車自由席が2日間乗り降り自由となる「しまんとグリーンライン フリーきっぷ」（おとな2,000円、こども1,000円）が便利でおトクだ。発売期間は2014年9月30日までで、利用期間は2014年10月31日まで。窪川駅、江川崎駅、宇和島駅の3駅とJR四国のショッピングサイト「バーチャルモール夢四国」で発売している。
文・写真：結解喜幸 写真協力：JR四国、交通新聞サービス、四万十・川の駅 カヌー館、高知西南交通(株)、森の国 ぽっぽ温泉、愛知県「いよ観ネット」、(株)無手無冠、道の駅「四万十とおわ」
※掲載されているデータは2014年7月現在のものです。
